モナ・リーザ泥棒 (1974年)

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制作 : 本郷 義武 
  • 河出書房新社 (1974年発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (182ページ)

モナ・リーザ泥棒 (1974年)の感想・レビュー・書評

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  • しばらく言葉が出てこなかった。詩的で素敵、私的で死的、悪夢的七篇。
    飢餓による耐え難い苦悶。不可避の死の宿命に抱く恐怖。抑圧されたことで倍増する憤怒。瞞の希望と真の絶望に翻弄される遣る瀬無さ。憎悪と不可分の歪な愛。そのような暗く黒い闇を内に蓄積した状態で、蠱毒の太陽を直視してしまったならば、震える光の束が水晶体に収束し、一本の導火線となって魂に向かって突き進むだろう。あとは到達して点火されるだけ。噴出する紅蓮の炎に焼かれるのだ。
    死の乱舞と飛翔は緋色の血にまみれ、腐敗した黄金の狂気とともに。表題作が圧巻。

    今年読んだ本で比較すると、「登場人物の頭の異常程度」という点では、エリアス・カネッティ著【眩暈】と同等かそれ以上。「絶望と虚無と死の闇」という点では、ハンス・ヘニー・ヤーン著【鉛の夜】のほうが濃密だけれど、凄いものを読んでしまったと思う。
    《2015.11.13》

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モナ・リーザ泥棒 (1974年)はこんな本です

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