飢餓同盟 (1970年)

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著者 : 安部公房
  • 講談社 (1970年発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (229ページ)

飢餓同盟 (1970年)の感想・レビュー・書評

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  • とあるさびれた田舎町で、共同体から疎外されルサンチマンを抱えたはぐれものたちが、地熱発電所の建設を利用してアナーキーなユートピアを目指す「革命」を企てるが、町の支配者たちに発電計画を横取りされて瓦解・挫折するまでをユーモラスかつアイロニカルに描く。描かれる「革命」が政治的な陰謀というより、1人の夢想家の大博打に町が巻き込まれていく形で、「革命」の挫折の要因が権力の弾圧や革命勢力の内紛のようなありがちなものではなく、地方政治における諸勢力間の陰湿でせこいなれ合いや、法的な許認可や土地取引の経済的な駆け引きの敗北であるのが、単なる反ユートピア政治小説と一線を画している。初出は1950年代と古いが、ある意味、原発や大型レジャー施設の誘致に翻弄される地方の姿を予見したとも解釈でき、すこぶる現代性をもった小説である。

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