春の雪 (豊饒の海 1) (1969年)

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著者 : 三島由紀夫
  • 新潮社 (1969年発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (369ページ)

春の雪 (豊饒の海 1) (1969年)の感想・レビュー・書評

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  • 旧字体が心地よい筆致で、新字体で読むともう少し薄っぺらくなると思い、原作を読了。筆者の身を通して見た現世(当時)への嘆きと提言が随所に見られる。今はもっと悪くなってますね。本多がとにかくよい。
    「しかし行為の戦争がをはつてから、その代りに、今、感情の戦争の時代がはじまつたんだ。p191」
    この一言に尽きる。政治的な戦争が不得手な日本の未来を案じている筆者の焦燥感が痛いほど伝わる。筆者は本多そのもので、日本が清顕だ。その筆者の繊細さが、ここまで表現を昇華させていると感じた。ただただ凄い。

  • 優雅と禁忌。
    美しい青年が内省をこえて行動するさま、あらゆる視点で真実(のようなもの)が判明していくさまには心震えた。
    不安とよろこびと欲、清顕の歳は超えているが、若者であるいまこのときに読んでよかったと思う。

  • 何かあると出版広告を見て予約して購入した四冊。
    その時に読んだ筈だったけれど途中放棄したのかもしれない。
    読んでおかなければならない本だから改めてちゃんと読んだ。

    絵を見ているような文章。凄いと思う反面しつこさも感じた。
    明治の本物貴族と成り上がり貴族の対比が面白かった。
    芯となってるラブストーリーは実話だったらしいが嘘っぽくて、というかあまりに美男美女的描写が煩わしく、そして残酷な終わり方についていけなかった。

    本編の主人公の親友が次の主人公らしいので期待している。

  • 手軽な文庫もいいが、やはり新潮社初版のこの装丁が最高。美しい函、絵、薄紙…最高!

  • 三島由紀夫は私にとって特別な人だ。作家でもなく、文化人でもなく、俳優?でもなく、私に色々なことを教えてくれた人という認識がある。日本語、日本人、歌舞伎、短歌、詩、文学、政治、歴史、心理、行動、美術、生命、輪廻、、、様々な価値観を教えてくれた。春の雪は4部作の第1部だが、私の中では究極のラブストーリー。静かに音もなく募っていく恋心が、ぎゅっと凝縮され、終には、肉体からも剥がれてしまう。その後の輪廻転生の話も良いが、間違いなく彼にしか書けない恋愛小説だった。この本が良いといった私の知人は皆日本人ではなかった。最も日本らしい美意識だと映るのだろうか。特に物語の中の科白は、とても素晴らしい。あまりにも美しい日本語で、そしてせつなさとはかなさを孕んでいて、何度も呟いてみたくなる。

  • 佐世保などを舞台とした作品です。

  • 感受性が鋭かった高校1年生の時に、
    この本を読んで以来、
    何年かおきに、必ず読んでいる本です。
    「私の人生を変えた1冊」と言ってもいいと思っています。

    作品は、『豊饒の海』という第四部で構成されていますが、この本はその第一部。
    輪廻転生がモチーフになっていて、主人公は、第一部から第四部へと生まれ変わっていきます。その流れを大正から昭和まで生きたひとり男が追いかけていくのですが、「時代の流れ」という視点でみた「ひとりの人生の儚さ」や「人間とは何か」というようなことを投げかけている作品、だと私は思っています。

    当時の私は、とある人から薦められてこの本を手にしたのですが、
    まだ若かった私は、ストーリーの展開よりも、
    三島由紀夫が書く日本語の美しさに
    鳥肌が立つほど感動したのを覚えています。

    主人公の持つ、情熱と冷徹さの裏腹な性格は、
    当時の私にはとても共感できるところがあり、
    それを、これでもか、というくらい
    美しくて情熱に満ちた言葉で書かれてあったので、
    ページをめくるたびに、私も一緒になって心にその言葉を刻みこんでいく、そんな感じで読み進めてました。

    また、第一部のラブシーンの美しさなども、
    16歳の私には、衝撃的で、
    日本語って、なんて美しいんだろう・・・と。

    日本語持つ美しさ、
    言葉で言うのは簡単ですが、
    それを、自分の本能に教えてやった、という感じの
    パワーをもった作品でした。

    それからというもの、
    高校3年間で、三島由紀夫を読破する日々です。
    (おかげで勉強してません〜)

    そして、
    日本語の美しさを知ってしまった私は、
    その後、読書から得る言葉のパワーに出会いたいくて、
    本の世界へ入っていくわけです。

    私に、読書の素晴らしさを教えてくれた
    かけがえのない一冊です。

  • ただ装丁の美しさだけに惹かれて読み始めた古本
    初三島由紀夫だったが十分に読みやすい

    強烈で繊細な世界観、無常観が漂う
    連なる文章は装丁以上に端正で
    流れるような美しさを放つ
    自分の使う言葉と彼が描く言葉が
    同一のものとは思えないくらい

    例えるのなら、自分は木の小枝で土をがりがりと削り書いている、
    彼は水をたっぷりと含んだ筆に、鮮やかな岩絵の具で艶やかに書いていく
    それくらい…判然と違う

  • 凄いのは文章ではなく構成。これを読んで美しいと思っては駄目。
    清顕の未完な生に苛立たなければ、残る三部は読めないはず。でなければ四度の転生を経て完結する生は意味を成さない。
    過剰に華麗に書いてみせたわけだ。

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