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感想・レビュー・書評
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私の場合は、すべてが具体的・感覚的出発点を持っているのです。
そこから、そこに現れてくるものを自分で納得し、自分の手に入れ
ようとするために、思想とか概念とかいうものが出てきて、そうし
て、期せず私の思想というものが生まれてくる。私は初めから思想、
思想といって学んだものは一つもないのです。
ある一人の人間ということと、ある一つの経験ということとは全
く同じことであり、その一つの経験とは、一人の人間を定義するも
ので、それ以外に人間というものは考えられない。
自己の中の生活と経験とが発展し進化されて、おのずからその経
験そのものが、平和を、自由を、人格形成を定義するようにならな
ければ、全てが軽薄になり、混濁になる。その時になって初めて、
人間は過去の伝統の中に生きるということの、ほんとうの意味が出
てくる。それ以外に、伝統の中に生きるという意味はどこにもない
のです。
彼の文章を読んでいると、いかに現代が空虚なものであるかがわ
かる。空虚な情報社会は、非常に抽象的なもので、具体的な事象は
こぼれおちていくように思う。
とにかく共感する点は、体験として物事をとらえるのではなく、
経験として物事をとらえるようにしなければいけないということ。
自身が抱える様々な悩みに立ち向かう答えになったように思う。
良書!
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