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感想・レビュー・書評
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昨日も取り上げた植草甚一。
今日は、京都の古本市で買った「植草甚一読本」を取り上げる。
1975年発行で、あと数年で50年たつ年季の入った本だ。
欧米文学、ジャズ、映画評論家で、1966年(58歳)に、若者向けの雑誌で、ふうがわりなオシャレな伯父さんとして紹介され、若い熱烈な植草ファンが急増するようになったそうだ。
かつて東宝に勤務して、宣伝部や調査部などにいたそうだ。
「ぼくは何か売っていない通りは歩く気がしない。手ぶらで帰ってくるときほど、つまらないことはないからだ。」と、買い物と散歩がセットの人生を送っていたようだ。
「最近は洋書の古本屋さんをさがしている時間がすこしばかり、舶来雑貨の店をのぞいたり、ブティックのウィンドーに見惚れたりしている時間に食われるようになってきたけれど(略)」と、古本以外にも気になることがたくさんあるようだ。
こんな人だから質問をされる。
「あなたはどのくらい本を買いますか」という「愚問をよく受ける」と本人は述べている。
毎日12冊くらい買っていた。それが最近は15冊になっている。けれど本屋に行けない日もある。それでも1か月500冊にはなってしまう。
本好きは世の中にいるが、ここまで来ると好きのレベルを突き抜けている。今なら「推し活」になるのかな。
一番うれしくなるのは銀座イエナ洋書店に注文したアメリカ新人作家のものが到着したときだ。その新人の顔が表紙ウラに大きく出ていて、つら構えにイカすところがあるのが多いという感想も述べている。
どの程度の本をため込んでいるのか気になる。
引っ越したときの話が載っている。
大型トラック2台とワゴン車14台で運んだ本と書いてある。
ウーン、家の床が本の重みで抜けそうだな。
「ジャズに対する愛着」では、現在も活躍するサックス奏者の渡辺貞夫が文章を書いている。
「視野が広いし、偏見もないし、言うことにもイヤラシさや、ぶったところがないからなんだろうけど。なにより、ジャズに対する愛着って言う点で俺達と共通するところがあるからなんだろうなあ」と述べている。
一通り読んで、個性豊かな人だなと思った。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2013/1/24購入