二十歳の原点 (1971年)

  • 1971年5月10日発売
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感想・レビュー・書評

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  • 過去に読了。
    こんなに完成度の高い日記を書けるなら、
    生きていてほしかった。
    当時、そう強く思ったのを今でも覚えている。
    葛藤や苦悩の中で自分の存在を
    死という形で完結させてしまった高野さん。
    時代は違っても若者に共通の心情が書き綴ってある。

    • north-humanさん
      コメントありがとうございました。

      お互いに登録している本が重なり合っているというのはなかなか興味深いですね。

      それも重松清さんや...
      コメントありがとうございました。

      お互いに登録している本が重なり合っているというのはなかなか興味深いですね。

      それも重松清さんや横山秀夫さんのようなメジャーな方ばかりでなく、高野悦子さんのような知る人ぞ知る…といったところで重なったのはびっくりです。

      ブログも温かい雰囲気が伝わってきて、ほっとさせられました。

      これからも時々拝見させていただきます。

      north-human
      http://blog.livedoor.jp/blue_sky_morning/
      2010/03/25
  • 「独りであること、未熟であること、これが私の二十歳の原点である」

    1969年6月、立命館大学の学生であった高野悦子が自ら命を絶った。享年20歳。『二十歳の原点』は彼女が書き残した日記である。1969年1月2日、20歳の誕生日からそれは始まる。

    立命館大学文学部に入学した後、彼女は読書やアルバイト、そして学生運動との狭間で、自己を確立しようと努める。考え、迷い、悩み、叫び、行動を起こす。喫茶店「シアンクレール」で思案にくれ、あるべき自分を模索し続ける日々。

    時として、その終着点は「死」に向けられた。しかし多くの場合、彼女は「生」への強い想いを抱き続ける。明るさとせつなさを交錯させながら、強く生きることを切望する。

    6月22日、彼女は長い長い日記を綴る。睡眠薬を大量に飲みつつも、それに打ち勝って眠らずにいられるかを試し、最後に一編の美しい詩をうたう。それが彼女の最後の日記となった。

    20歳の日々。何を考え、どのように生きていただろうか。そんなことを考えさせられる本でした。

  • 移動時間で流し読み。
    人間の気持ちをすべて言葉にするとこんな本になる。
    突き刺さる人には突き刺さる。
    それは、共感するから。
    いい文章の要素の一つに、いかに共感を得られるかという考え方がある。

    古い本で長く受け継がれているのには理由があるんだろうな。
    これを読んどけばかっこいいみたいな気持ちもあるけどね。

  • 執筆者の高野悦子が生きた時代は半世紀ほど前まで遡る事になるが、しかし現在20代後半まで生きてきたわたしには、未熟で頼りなくあどけない若干二十歳である少女の心情に心から寄り添い手記を読む事は難しかった。
    学生運動に染まりきれない居心地の悪さや、思うようにならない異性関係(他者にとっての唯一無二であるかげがえのない存在としての私、への渇望)からくる孤独感が自死の原因となったんだと思うが、やっぱり感応には至らない。
    そんな私が彼女の手記から得られた学びは大きく二つあって、まず一つ目は至極当たり前の話ではあるんだが運動と睡眠の重要性。この二つが精神不安定な時期に欠けると下手すると自殺に至る、という教訓から得られる自殺しない為のセルフマネジメント法である。それから二つ目は、執筆者の生活と読み手である私自身の生活を照応して得た、日常生活に他者の視点をなるべく多く介在させる機会を設ける、という偏向しがちな思考の先鋭化に歯止めをかける為の対策である。だいたい、物理的にひとりでいる時間に、孤独や妄幻というのは押し寄せて来て、私生活の諸要素がうまく重なりでもすれば、そのままうっかりすると死を考える人は多いと思う。ので(計画的な自殺でなく衝動的な自殺の場合の事)、この傾向にある人は特に意識的にそういった状況を作らないようにするのが肝要だと改めて確認。一人暮らしをはじめてから彼女の精神不安に拍車が掛かるのも、上記理由の為だと思った。加速していくエンドレスかのように思われるつらく孤独で観念的過ぎる大脳支配タイムも他者が居ると(時間・空間を共有すると)無理矢理にでもしっかり引き剥がされて現実に戻って来る事が出来る。
    せっかく自死に至った人の手記が出版され手に取る機会を得たのならば、後世を生きる私たちは此処から何かしらの教訓を得たい。

  • 以下引用。

     自殺をしたら、バイト先では、ヘエあの娘がねエと、ちょっぴり驚かれ、それで二、三日たてば終りさ。かあちゃんやとうちゃんは悲しむ(悲しむ?)かもしれねエな。牧野、彼女はどうだろうな。哲学的にいろいろ考えるかな。
     ヒトリデ  サビシインダヨ
     コノハタチノ  タバコヲスイ  オサケヲノム  ミエッパリノ  アマエンボーノ  オンナノコハ(p.83)

     なぜ生きているのかって?
     そりゃおめえ、働いてメシをくって、くそを放って、生活してるんじゃねえか。働いてりゃよオ、おまんまには困らねエし、仕事の帰りにしょうちゅうでもあおりゃ、それで最高よ。それが生活よ。(p.83)

  • (1971.05.30読了)(1971.05.23購入)
    内容紹介
    独りであること、未熟であることを認識の基点に、青春を駆けぬけた一女子大生の愛と死のノート。自ら命を絶った悲痛な魂の証言。

  • 私が同じ時代に生きていたらどうだったかな。多分、「どっちでも良いじゃん」と楽観的に構えて、関わらずにいるんじゃないかな。というより、現代でこういう学生運動が起こることが想像し難い。
    彼女はあまりに真面目だ。

    40年以上前の女子大生の日常を知れる点では面白かった。
    当時の酒で800円くらいのものって、今じゃもっと高いんじゃない?彼女はブルジョアだな~
    意外と現代と変わらない感じがした。あと40年後はどんな社会になってるんでしょう。

  • 生きるとは、自分とは、他者とは・・・
    色んな事を考えさせられる。
    著者の文章は心に響く。
    携帯小説を読んでも味わえない感動がある。
    20歳の人にはぜひ読んでもらいたい本の1つである。

    【長崎大学】ペンネーム:ねこ

  • 高校2年生/図書館にて
    915.6タ
    4091

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