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- Amazon.co.jp ・本 (172ページ)
感想・レビュー・書評
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著者は止揚学園長と言う知的障害者施設の代表者である
昭和46年に初版された本だからかなり古いけれど
その心に流れている思いは今と変わるものではない
ウサギの形に切られたリンゴばかり見ていると
丸いリンゴをリンゴとは思えなくなる
つまり「現象面に目が眩むと本質を否定してしまう
我々の社会もそうした狭い了見を答えにして頑固にこだわっている部分が多い
福井さんがこの本で言わんとすることは大方納得できるし
本質に近いことだと思う一方で
この本が発する思い上がった上から目線の言葉が
自分に溺れている結果の姿に見えてくる
社会による自分への評価は保母達のチームワークのお陰だと言いながらも
それが見せ掛けのリップサービスに終わっているように感じてしまう
「日本人は~」と言う表現と
「私は~」と言う自己主張がこの本のすべてのページに
にじみ出しているのではないだろうか
更に謙虚であれと言っている一方で
偉い坊さんが謙虚を装って説教しているようでもあり
自己満足の上塗りをするために自分の後姿を売り物にしているようでもある
社会性とそこからはみ出した個性のハザマをどう補い
どう両立させていくかの方向性と術がなく
意識の上で混沌としているようである
せめて題名のごとく方向と術を探すべく謙虚でありたい
この世の成り立ちが止揚と言う高きものに
低きものが保存されていると解釈するのでなく
相対する同士が相手を映し合っていると見るべきだと思うのだけれども詳細をみるコメント0件をすべて表示
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