「甘え」と社会科学 (1976年) (弘文堂選書)

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  •  本書の「はじめに」によれば、大御所二人が土井健郎に討論を吹っ掛…申し込んで成立した有益な話しあいだったそうです。川島武宜のツッコミは厳しめ。


    【版元の紹介文】
     「甘え」は日本人の心性を解く鍵に止らず学問の方法に有効な概念である。
     本書はこの共通の認識に立ち、精神科医とわが国の代表的経済史家と法学者が社会科学における分析道具としての「甘え」の役割・価値を積極的にとらえた待望の書。
    http://www.koubundou.co.jp/book/b156659.html


    【目次】
    はじめに(昭和五十一年九月一日 川島武宜) [i-viii]
    目次 [ix-xiii]

    一 「甘え」理論と社会科学の方法論 001
    「甘え」の着想 
    「甘え」の意義――社会科学における――
    「甘え」の定義
    「分析道具概念」用語としての日本語
    マックス・ヴェーバー研究のあらまし
    「家産制支配」にみる「ピエテート」と「甘え」
    「義理」を通してみた「特殊=日本的なもの」
    「甘え」は日常用語か学術用語か
    「甘え」は「研究対象確立のための概念」か「分析道具概念」か
    「分析道具概念」の一義性と多義性
    「分析的な目」の重要性――精神科医から見た――
    公準理論と公準概念
    「理念型」と精神分析理論の係わり
    社会科学における「甘え」の二つの有用性
    「権威(アウトリテート)」と「ピエテート」
    「ピエテート」の意義と問題点
    「ピエテート」の諸解釈
    西洋史にみる移動と戦闘
    キリスト教と「甘え」
    動詞概念「甘え」のダイナミズム
    社会科学の学際的交流
    法社会学と精神分析
    「見えない事実」の解釈と理解
    観察・実験・思索
    イマジネーションか実証主義か――臨床医学の場合――

    二 「甘え」の諸現象 095
    「パーソナリティ」の定義
    「人間類型」とは何か
    「甘え」的パーソナリティの形成
    日本の親子・夫婦関係
    「武士道」と「甘え」
    大名家での「しつけ」
    イギリス貴族の「しつけ」
    日本と西洋における主君=臣下の関係
    王位継承戦争とお家騒動
    武士と庶民にみる「義理」「人情」
    宗教改革とお家騒動
    「争い」と「紛争」の定義
    後継者選び
    「全員一致」の諸現象

    三 法の神話 141
    J・フランク『法と現代精神』と「甘え」理論
    「母親代位物」としての法
    刑事事件と裁判
    税法と運用
    民事裁判における「法律の解釈」
    「法の神話」をめぐって
    法は「たてまえ」か
    「父親代位物」としての法
    日本における父の権力・母の力

    四 ヴェーバー=大塚理論の構築 197
    家族的「ピエテート」の消滅
    「カリスマ」の出現
    軍事的カリスマと宗教的カリスマ
    「カリスマ」の「日常化」
    大覚醒から合法性意識へ
    「ピュロクラティー」の時代へ
    キリスト教的禁欲
    プロテスタンティズムと近代資本主義
    「エートス」の理論
    ヴェーバー=大塚理論
    権威・権力・力
    「甘え」の復活と世界の将来

    あとがき(昭和五十一年九月十五日 土居健郎) [242-244]

  • 土居の「甘え」論をめぐって、丁々発止の討論を展開。しかしながら持ち上げすぎの感もあり。

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著者プロフィール

1907年京都に生れる。1930年東京大学経済学部卒業。東京大学助手、法政大学講師、助教授、教授を経て1939年東京大学経済学部助教授、1947年教授。1968年定年退職。東京大学名誉教授。1970年国際基督教大学教授、1978年客員教授、1985年退職。1996年歿。著書『大塚久雄著作集』(全13巻、岩波書店、1969-86)『宗教改革と近代社会』(1964)『生活の貧しさと心の貧しさ』(1978)『社会科学と信仰と』(1994、以上みすず書房)。訳書 マックス・ヴェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』(岩波文庫、1989)同『宗教社会学論選』(共訳、みすず書房、1972)ほか。

「2019年 『宗教社会学論選 【新装版】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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