海市 (1968年)

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感想・レビュー・書評

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  • なんだか物足りない作品でした。
    ストーリーはどうでもいいので置いておくとして、読んでいて「わからない」箇所がないのです。全てが平明に描かれていて、あまりにすいすいと理解でき、作者が本当にこれを書きたかったのか疑問に思えてなりません。
    決して駄作だとはいいません。小説として完成度が高く、芸術家の内面、「男性の卑怯さ」や「生への執着」についての描写は面白く読んだのですが、どうにも心に残るところがないというのが正直な感想です。
    そもそもこの作品を純文学に含んでいいのかも微妙なところです。大衆娯楽作品としてはあまりに地味というか玄人好みで、かといって純文学の土俵でどこまで戦えるかというと悩むところです。
    なにかと三島と比べてしまう私にも落ち度はあると思いますが、評価としてはこれが妥当かと思います。

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