黒い美術館 (1968年) (新しい世界の短編)

  • 白水社
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感想・レビュー・書評

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  • 2014年の神田古本まつりで購入。
    『新しい世界の短編』シリーズの1冊。どうやらUブックス版とは収録作品が異なっているようだ(スマホのアプリで検索したら、間違えてUブックス版を登録しておった……)。

    マンディアルグ独特の、ドライなエロティシズムとフェティシズムが満載の1冊。実際に血が流れるものが多いが、生々しさはなく湿度は妙に低い。マンディアルグは作り込まれた幻想を描く作家で、この短編集にはその傾向が強く出ているように思う。
    生田耕作の訳文は他の作家を訳した場合、妙に色気が無いように感じられることがあるのだが(ジャン・ジュネとか……)、ことマンディアルグの翻訳に関しては彼以上に相応しい翻訳者はいないだろう。妙に硬質な訳文がマンディアルグのドライなエロティシズムと合体した時、言い様のない色気が出る。

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