石狩平野 (1967年)

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感想・レビュー・書評

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  • 明治の開拓期から太平洋戦争終結時期までの一人の女性の人生と時代背景が壮大なスケールで描かれている。久しぶりに本から手を離せなくなる経験をした。
    とりわけあの時代、人々がなぜ無謀な戦争へなだれ込んで行ったのかが、家族の物語とともにわかりやすく書かれている。
    その中で、無知であることを装う卑怯さ、流れに身を任す狡さが主人公の筋の通った発言との対比で明らかに語られている。
    北海道を知るために読み始めたが、久しぶりに本を読むことを堪能した。

  • 実際に読んだのは河出書房新潮、1970年12月発行のタンチョウヅルが装丁のもの。数年前に再読したのでかなり何度も読んでいるが、何度読んでも面白い。こんなすばらしい名作がなぜ絶版になっているのか。是非とも復刻してたくさんの人に読まれるべき小説だと思う。
     越後(新潟)村上五万石城下町から三面川の清流沿いに3里ほど山間へ入った村から北海道へ開拓移民した鶴代の家族を描く超大作。開拓民のリアルな生活、バッタ(蝗)の大群が押し寄せるシーンにふるえ、壮太のハンザキ(山椒魚)狂いにロマンを感じ、壮太郎と激動の時代、鶴代が中心になっているもののグランドホテル形式といってもよいほど魅力的な人々の魅力的な人生も描かれる。そして、最後は新潟県岩船郡館腰村(現在の新潟県村上市、鶴代の生誕エリア)鶴代の曾孫和子を迎えに行こうとするところでエンディング。非常に大満足、たっぷりどっぷり船山世界に浸った。

  • 明治の日本、北海道、開拓民
    イナゴ、洪水、開拓
    明治維新後も依然として残る「階級」

    小説に没頭することでリアルに感じることができた

    <追記>
    図書館で借りて古本で購入

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