謎のエヴアンス (1960年) (創元推理文庫)

  • 東京創元社
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感想・レビュー・書評

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  •  ずいぶん前(前世紀)に買った古本。何度か挑んでは読み通せず。だってポワロもマープルも出て来ないし。
     しかし、名探偵が出て来ないミステリの傑作も数多い。カー「皇帝のかぎ煙草入れ」はワタシ的にベスト。
     久々に開いたら3日で読破。いやぁ、面白い。ミステリの冠を外し、作家としてのクリスチィの筆力が半端ではない。
     途中、主役の男女はトミーとタペンスに置き換え可能ではないかと思う。ただ、本作ではヒロインの伯爵令嬢という肩書きが随所でものをいう。
     ラストの後味が実によい。
     問題は訳者あとがき。あろうことか「アクロイド殺し」の犯人およびトリックを明かしている! まぁ、アクロイドの前にエヴァンスに手を出す者は少数派だろうから、実害は少なかったものと思われる。
     私が読んだのは1960年初版 73年18版の古書。クリスチィではなくクリスティ表記の最新版では改まっているのだろうか。

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