風林火山 (1958年) (新潮文庫)

3.50
  • (2)
  • (3)
  • (9)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 31
感想 : 6
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 面白かった。大河ドラマでのうっすらとした記憶でしか山本勘助について知らなかったので、こんな人物だったら良いなとロマンを感じた。歴史に興味が出た。

  • 武田家の天才軍師 山本勘助が主人公の話。勘助は移動する人である。駿府での停滞では想像ばかりが飛躍していたのだろうが、信玄の下では機動力となって働き、足で稼いだ。小柄であること、目や脚や指にスティグマを負っていたことを反転させるかのように、常の居場所はなく動き回っているようであった。ということは移動に応じて頭も常に働いていたことになる。
    トラベラーとしての勘助の重心あるいは中心には、古府の信玄というよりも、諏訪の由布姫がいるという配置である。また、風としての勘助、山としての由布姫というアナロジーも可能なのかもしれない。
    しかし、井上靖の綺麗な文章で読む時代小説はいいものですね。平易な文体でとても読みやすい。
    半世紀も前の作品にも関わらず、淡々とした語り口に引き込まれ、あっという間に読めてしまう。これぞ名作と言った感じ。
    自然に関する描写が多く、信州に一時住んでいたけれども、あの高低差の激しい山間でよくぞ戦をしていたなぁと感心したことを思い出す。いと懐かしき。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×