世界文学全集〈第14〉オースティン,ギャスケル (1967年)自負と偏見・女だけの町

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感想・レビュー・書評

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  • 二作ともとても面白うございました。「自負と偏見」は昔何度も読んでいるのですが今回はこれも何度も見ているBBCのドラマの印象が大きくて、「あら」と思うことがたくさんございました。
    今回はベネット氏その人の怠惰がガツンと響きました。軽薄そのもののように評されているベネット夫人にも見習わねばならぬところがあります。

    「女だけの町・クランフォード」これを今まで知らなかったとは何たる損失。ミス・オースティンより100年ほど時代は下るでしょうか。
    小さな町クランフォード。老嬢と未亡人の社交界が舞台です。豊かではないけれど、品位を保って生活しようと奮闘する昔のお嬢様たちを近くの街に住む若くて裕福なメアリー・スミスの暖かい視点で描き出しています。

    何がアッパーで何がアンダーかしきりと悩むところは「ブリジット・ジョーンズの日記」にありましたわねぇ。お茶に「シードケーキ」が出てきました。アガサ・クリスティではもう骨董品のようなケーキですが、香料の種を使うそうですから材料にお金がかかるのでしょう。

    ダーシー氏ほどではないにしろ、そこそこお金を持った男性がやってきて経済的な危機を救ってくれるので読者は安心して読み終えることができます。現れる男性も何とか体面を保つ程度の経済力というのがまた奥ゆかしい。インドで作った財産も現地の人に慕われてというところがいいじゃない。作者のシニカルな目が160年後も作品を古くさせないんですわ。まさに慧眼。

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