ジェーン・エア〈下巻〉 (1954年) (新潮文庫)

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感想・レビュー・書評

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  • いやあ、すごいもりあがりぶりで、
    上巻と合わせ、イギリスのひとつの時代の風俗、思想、生活がよく書き込まれた物語ではないだろうか。
    分断された身分制度にびっくりするが、そんな中、女性がこれほどのはっきりした意志と感情をあらわに表現した小説は、センセーショナルだったのではないか。
    信仰についても極どい発言がいくつもあって、これまた論争や非難をあびたのではないか
    翻訳だから多分に翻訳家の力が入っているにしても、ひきこむ力を今読んでも十分に持っていると思う。
    何度目に読むのか忘れたくらい読んでるが、未だに感心する小説だ。

  • この本の解説の部分では、この本のを前半はリアリズム、後半はメロドラマ調であると書かれています。

    当時は女性はもっと慎ましやかなのかマナーであり、この本の中のように激情を持ち、自分から愛情を告げるようなことはありえないことだったとか。

    文学史に残る作品であるだけあって心情描写はしっかりしていて、(偏見かもしれませんが)イギリスの古典文学らしく聖書の引用や当たり前にある協会等にでキリスト教の存在を感じさせられ、心情に限らず描写によくたとえを持ち出すところはやはり海外文学だなと思われます。

    しかし実際この小説を読んでいて、登場人物の口調や度々聖書の登場人物の名前を引用したりしていることを考えず、話の流れの概要だけを見れば、現代小説にも普通にあっておかしくない話だなと思いました。

    古典を読んだことがなかった時はただただ重苦しい心情描写ばかりなんだろうと思っていた頃が懐かしく思われます。

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