それから (1948年) (新潮文庫)

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著者 : 夏目漱石
  • 新潮社 (1948年発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)

それから (1948年) (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 『三四郎』のその後的な位置付けの本作。実業家の次男として高等教育を受けた後に働きもせず、本宅から離れて高等遊民として暮らす代助には最後まで同調できず。三千代とは相思相愛であったにも関わらず、友情と見得で友人の妻にさせてしまった過去は、恋愛敗者の自分には実感がわかない。終局のカタストロフィへとつながる様は読んでいても苦しかった。明治の男女関係は、正妻の他に経済が許せばお妾も有りだったのでは。代助と三千代のその後の余韻を残して作品は終幕とは……

  • 赤、赤色。
    死への誘い。
    生への執着が感じられない。

    百合の花、スズラン。
    花と色が象徴的に描かれている。

    高等遊民。今で言う、ニートかな。
    生活の全てを親の経済的援助によってなりたさせている。
    その事に何等疑問を持っていない。
    それどころか、そのことを正当化して、
    自己主義を主張し、他者に対して自己を優勢化して見ている。
    ストーリー自体は、単純なのだが、
    「代助」の自己中心的な心理状況の説明が多いために、非情に解りにくい。
    代助は本当に三千代に対して、好意を持っているのだろうか。
    疑問に思う。結局、何不自由なく、自己中心的に生きてきたための、
    無い物強請り、他者に盗られたという、喪失感からの行動のように思える。

    象徴的な赤で始まり、最後は赤に追いかけられ、赤に終わった。
    異様さを感じる。

  • (1966.03.31読了)(1966.03.31購入)
    (「BOOK」データベースより)
    3年まえ友人平岡への義侠心から自らの想いをたち切った代助は、いま愛するひと三千代をわが胸にとりもどそうと決意する。だが、「自然」にはかなっても人の掟にそむくこの愛に生きることは、2人が社会から追い放たれることを意味した。

  • 読み終わって不快に思ったということは、自分に対して与えた影響が大きいと考えられるんではないか?と考えて5つ星。

    この本の舞台は主に日露戦争後に経済が上昇し始めた時代のブルジョワ階級になっている。主人公の代助は齢30にして無職、父からの支援を頼りに書生のような生活をしている。大学二年という時期を経験中の僕からするとなんて羨ましいやつなんだってとこだ。働かずに生活ができるなど夢のような話であって、代助は毎日質素しかし優雅に生活してやがる。そして代助は、尽く結婚に対する親の期待を裏切っていく。代助は哲学人でいろんなこと考えてるのであってまぁその頭の中に広がる宇宙を構成する論理の一つに結婚は不要ということが展開されてるんですな。しかししかし、どんなに親の勧める名家の娘との縁談を断っても友人の妻への慕情が募りついにはその気持ちを本人(友人の妻)、そして友人に吐露して結局はもらうことになる。だがここで今まで展開してきた思索的行動のツケがまわって生活の援助は打ち切られ、そして勘当されるっていう生活の崩壊が彼を襲う。代助の父のセリフである「己の方でも、もう御前の世話はせんから」という部分には異常なほどの勢いを感じさせられた。それから、は書いていない。

    書かれた小説には少なからず著者の思考が介在すると信じている。この物語の中でも、主に代助であるが世の社会に対しての考えがいろいろ展開されるが、この代助の考えが漱石の思考したことなのだろうか?きっとそうだと思うのだが、ならば代助の意見に反論する形で展開される視点は漱石のものではないのか?と考えたときにきっとそうではない、要するに常に相対立する私見を有し社会を見ていたのではないだろうか、なんて言ういろんな疑問も生まれてくるんですな。いやーさすが良書。

    これで漱石の作品は四作目だけど、考えるところによるとどーも悲劇を帯びた恋愛が多い。(坊ちゃんは違ったけど)感覚的に言うと村上春樹の小説におけるセックスといったとこだろうか。まぁあくまでも個人的感覚なんだがね。推察するところによると三部作の最後である「門」もなにやら同種のようなんだな。漱石は“悲劇”そして“恋愛”に何を見出したのか気になる。いやもしかするとそれほど深いいとなんてないのかもしれない。ただまぁ探求する価値はあると思うところです、個人的に。

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