ヨコハマメリー [DVD]

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監督 : 中村高寛 
出演 : 永登元次郎  五大路子  杉山義法  清水節子  広岡敬一 
  • レントラックジャパン (2007年2月14日発売)
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4947864911621

ヨコハマメリー [DVD]の感想・レビュー・書評

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  • 最後、認知症が入ってるとはいえ穏やかなメリーさんの笑顔が忘れられない。饒舌に当時の事をしゃべられるよりはボケてくれてた方が良かったのかも。
    元次郎さんがメリーの耳元で何を言ったのか想像するだけでなんか楽しくなる。
    メリーが特別の存在では無くて同様の第二、第三のメリーが戦後多数いたことに思いを馳せないといけないのだろうな。
    彼女を通じて、横浜、戦後日本の文化歴史が学べる上質のドキュメンタリー。

  • 横浜の街、というものの記憶をひとりのおんなのドキュメントで追う。本の作りだな、まるで。

  • 2005年 日本
    監督:中村高寛
    出演:永登元次郎/五大路子/杉山義法

    子供の頃、京都の河原町の三条大橋だったか四条大橋だったかの下あたりに「河原町のジュリー」という名物おじさんがいまして、昔風に言えば要するに「乞食」今風に言えばまあ「ホームレス」の方だったわけですが、当時今ほどそういう人は多くなく、東京に比べたら地方都市にはそんなに滅多にいるものじゃなかったので、強制退去されられるでもなく、数年いつも同じあたりで見かけたものでした。「ジュリー」というのはもちろん本名でもなんでもなく、沢田研二の愛称からきたもので、ボロボロの、およそ色彩感覚とは無縁な無差別な組み合わせで、ずるずるだらだらと重ね着しているその様子が、その頃人気だったジュリーの奇抜なファッションになぞらえられて、そんな風に呼ばれていたようです。

    いつからか、姿を見かけなくなり、死亡説、二代目襲名説(笑)など、ほとんど都市伝説的に語り継がれ、今はもうきっと覚えている人もそんなにいないと思います。このドキユメンタリー映画を見ながら、なぜかそんなことを思い出していました。「ハマのメリーさん」と呼ばれたその女性も、白塗りのようなメイクに、貴族のお嬢様のような服装をした老いた娼婦、言ってしまえば単なるホームレスという本来なら蔑まれる立場にありながら、横浜の名物のようになってしまった人物です。

    物語りは、ある日ふっつりと姿を消したメリ-さんの消息を追う形で、メリーさんと関わった様々な人々へのインタビューを通して、メリーさんのみならず、戦後の横浜、昭和の日本を浮き彫りにしてゆき、その中で、なぜメリーさんがメリーさんになったのか、メリーさんだけが他の娼婦たちが去った後もそこに立ち続けたのか、といったことを徐々に明らかにしていきます。そのあたりは純粋に面白かったんですが、後半、いなくなったメリーさんの居所を探し当てて会いに行くくだりは、個人的にはないほうが良かったと思いました。知りたいけれど、知りたくない。伝説は、伝説のままであってほしかったような。

    結局メリーさんにも、天涯孤独というわけではなく面倒を見てくれる肉親がいて、白塗りのメイクを落として老人ホームにはいって、普通の平凡な余生を送っちゃてるんですよという現実に、なんというか、多少なりとも「幻滅」のようなものを感じてしまったというのが正直なところです。横浜に立っていたメリーさんは、現実の生活を逸脱した存在であり、日常にまぎれこむ非日常であり、その違和感が彼女に一種の巫女めいた崇高さを与えていたと思うのですが、狂人でもカリスマでもない、普通の小さなおばあさんとしてのメリーさんは、私たちの人生の行末と同じ地平にまで「引き落とされて」しまったようで、なんだかもの寂しい気持ちになりました。

    (2006.11.06)

  • 忘れられない

  • 「ヨコハマメリー」観た。どぎつい白塗りの化粧を施し、お姫様のようなドレスをまとって横浜の街を闊歩した伝説的な老娼婦「メリーさん」を訪ねるドキュメンタリー。といっても本人はほとんど登場せず、彼女と関わりのあった人たちへのインタビューをメインに構成している。

    メリーさんがどのような人物で、どのような人生を歩んできたのか、ということを知るために、彼女と関わりのあった人の話を聞くことは、一つに戦後の港街「ヨコハマ」の歴史を訪ねることでもある。特に戦後の貧しい社会の中でたくましく生きてきたパンパン、男娼、芸者たちの。

    映画自体はけっこう感動的なんどけれども、しかし登場する関係者のインタビューでは、メリーさんがその異様な風貌やよくわからない噂(エイズに感染してるとかなんとか)から、一部の人からは不気味がられたり、嫌われていたということも明らかにしている。
    メリーさんをメインに据えたこういう形の映画で観てると、「そんなに(メリーさんのことを)嫌わなくても」とか思ったりするけど、自分が普通に街を歩いていてメリーさんに遭遇したら、奇異なものに対するような視線を送っていたかもしれないので、そうした嫌悪を感じる人の気持ちは人ごとではない。
    (もっともエイズ差別に繋がるような言動は擁護しかねるけれど)

    彼女は、1995年に突如として横浜の街から消えてしまうのだけれど、いなくなる直前はほとんどホームレス状態だったよう。このドキュメンタリーで、もっとも時間をかけて写されているシャンソン歌手の永登元次郎は、彼女のために生活保護申請をしに行ったりしたそうなのだが、役所で断られたらしい。
    しかも、断られた理由が「住民票が横浜にないからダメ」とかいう、実に典型的な水際作戦なのだが、その話は特に掘り下げられずに終わっていたのが個人的には悔しい(´・ω・`)

    他の人がどう思うかは分からないけど、横浜に縁の深い者としては、自分が知ってる場所が沢山写ってて「あー、あそこがそうなんだー」みたいなところで非常に楽しめた。あまり表立っては取り上げられない人々の暮らしと、街の歴史を知り、考える機会を与えてくれるという意味でも興味深い映画。

  • 突如として街から消えたメリーさんを被写体の中心に据え、伊勢佐木町周辺の街が持つ風俗性や街の生い立ちを絡めて紐解き、それを丹念に綴っていく。

    淡々と描写される関係者のインタビューから、メリーさんが抱えてきた孤独や特異性がダイレクトに伝わってくる。それは想像を絶する物だ。
    上から目線の施しや情けは無用だったのであろう、凛として生きたかったのであろう、と無言のメッセージが伝わってきた。

    良し悪しの判断を元に誘導したり、押し付けがましい解釈を差し込むなどの余計な演出はない。
    作品全体を包み込む、あるがままを映すヒューマンな空気に心を動かされる。 

    何人もの貴重な語り部が登場するが、病を抱えていたりしてギリギリのタイミングで間に合ったという感じがする。
    老人ホームで余生を過ごしているメリーさんの描写も含め(土足で踏み込むようなことはしない、誠実さが伝わってくる)映画を超えた貴重な記録だ。

    作中で、五大路子が思い込みたっぷりにメリーさんを演じている描写があるが、その描写いらんわと萎えた。
    本当に余計。そこだけがマイナスポイント。

  • ある娼婦にまつわる逸話を巡るお話。メリーさんが生きていたとして、その姿を見かけてしまったら僕は普通に畏怖するだろうから、このような形でしか、彼女のような、悪い意味でなく他人と同じような生活を送らない人達の生きた証というか様相は垣間見られないのだ。テンキュだってよ。

  • 小さい私が「白いおばちゃん、バイバイ」と手を振っている、幼い頃の覚えているような、いないような出来事。一緒に映像を見ていた母が思い出し、懐かしそうに話してくれた。小さな私と弟を連れた母は、横浜の街で何度かメリーさんにすれ違っていたそうだ。

    映画は、メリーさんが語るのではなく、親しかった人たちがメリーさんを語り、当時その街に生きた人が証言をして、進行していく。ほとんどかけらのようなものを拾い集めて、形にしていった監督の忍耐強さ、マメさ、誠実さに驚かされた。

    メリーさんとかかわった人たちの温かさや人情に癒された。当時の横浜の様子を知る貴重な資料。

    永登元次郎さんの歌う「マイウエイ」
    五木田京子さんの歌う「野毛山節」
    渚ようこさんの歌う「伊勢佐木町ブルース」

  • 顔を白塗りにし、貴族のようなドレスを着た老婆がヨコハマの街に立っていた。
    人々は"ハマのメリーさん"と呼ばれ、数々の都市伝説が流れたメリーさんは、95年にヨコハマから姿を消す。
    交流のあった人々の証言からメリーさんを追うドキュメンタリー。

    メリーさんにまつわる話が描き出すのは
    一人の女性の人生だけではなく、戦後のヨコハマの街の移り変わりでもある。
    街の風景となっていたメリーさんが消えたヨコハマに違和感を覚えたという話が印象に残った。

  • 横浜生まれ、横浜育ち、横浜暮らしときて、38年だが、このDVDに出会うまで、メリーさんのことは知りませんでした。

    メリーさんの言葉はほとんどないのに、メリーさんのことを語る人、歌う人に胸に熱いものを感じました。

    永登元次郎さんが最後にメリーさんの施設を訪れ、歌を歌う場面に写るメリーさんが、あのメリーさんとは表面的には全く別人のようで、でも、内面的にはどちらも同じようで、胸を突かれました。

    蛇足ながら、特典映像の永登元次郎の歌は涙ものです。

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