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- / ISBN・EAN: 4907953019461
感想・レビュー・書評
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豊悦はいいなあ。彼の出る映画はほぼ良い!
寺島さんも自由に生きているようで、何かに頼りたい、実は幸せを求めている哀しみの女性って似合うよなあ。
両親を火事で亡くし、友人も事故で他界してしまい心の病を負った主人公の女性は心の痛みを和らげるためか薬と男に安らぎを求めるが、その男たちも次々と自分のもとを去ってゆく。
この世界にたった一人残されてしまったような思いはとてもつらいだろう。
私自身、親を亡くした時この世に頼れる者が誰もいなくなってしまったという喪失感で病んだことがあった。
どうやって立ち直ったか、忘れた。
ただ、そんな辛さは自分だけではないという事を認識することは必要な事だろうとは思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
寺島しのぶさんが好きです。見終わって感じたことは、蒲田って住みやすそうな街だなあということ。寺島さんのファンになったのは、「赤目四十八滝心中未遂」を見てからです。その作品の舞台は尼崎、寺島さんって庶民的な感じはしませんが、尼崎にも蒲田にも馴染んでるんですね。悲しいけれど、ほっこりした作品でした。
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『セクシー田中さん』がらみで本作が急に話題になっているので、昔観たときに書いた拙レビューをサルベージした。
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絲山秋子のデビュー作『イッツ・オンリー・トーク』を、廣木隆一監督が映画化したもの。
原作者と脚本家(荒井晴彦)の間で訴訟沙汰まで起きた、いわくつきの作品である。
絲山はこの作品がよほど気に入らなかったらしく、脚本が『年鑑代表シナリオ集』の収録作品に選ばれると、「脚本を活字として残したくない」と出版を拒否。そのため、荒井とシナリオ作家協会側は「出版拒否は契約違反」として、絲山を相手取って提訴したのである。
絲山も大人げない気がするが、映画を観てみたら、彼女の気持ちもちょっとわかった。これは、たしかに原作とはまったく別物。よくも悪くも荒井晴彦のテイストのほうが強烈で、絲山のテイストは感じられない作品なのである。
前半こそ基本的に原作に沿っているが、後半に入ってヒロインの寺島しのぶとトヨエツが同棲し始めてからは、もう原作はどっかいっちゃった感じ。
風呂なしアパートで同棲して銭湯に通うあたりの展開は、まるで『赤ちょうちん』か『神田川』のよう。
原作は、ヒロインが躁鬱病という設定ではあるものの、乾いたユーモアもちりばめられ、どこかスラップスティックな印象の小説である。ところが、この映画は終始じめじめとして陰鬱で、「昭和の香り」「1970年代前半の香り」がムワッと匂い立つようなのだ。
監督・廣木隆一、脚本・荒井晴彦、主演・寺島しのぶといえば、佳編『ヴァイブレータ』と同じ組み合わせである。
ヒロインのタイプも似ているし、この映画の後半は、ほとんど『ヴァイブレータ』の悪しき自己模倣といった趣。『ヴァイブレータ』は観終わったあとにある種の爽快感があったが、この『やわらかい生活』は後味が悪いったらない。
寺島しのぶという女優の強みは、隣に住んでいる女のような生々しい存在感にあるはずだ。傑作『赤目四十八瀧心中未遂』や『ヴァイブレータ』では、それが見事に活きていた。
だが、この『やわらかい生活』では、その強みがむしろマイナスに作用してしまっている。あまりにも生々しすぎて、ヒロインが躁鬱病で苦しむ様子などが、正視に耐えないほど痛々しいのだ。鬱傾向のある人がこの映画を観たら症状が悪化しそうで、心配になるほど。
タイトルとDVDジャケットの印象から、「ほんわか癒し系映画」だと思い込んでこの映画に手をのばす人も多いことだろう。その場合、事故に遭ったような失敗感を味わう羽目になる(笑)。罪作りな映画である。
いいシーン、いいセリフもないではないが(ヒロインが、火事で死んだ両親のことを「阪神大震災で死んだ」と偽るあたり、面白い潤色だと思った)、総じて荒井晴彦の悪いところばかりが出てしまった印象。
とくに、ラストのひどさには唖然。なんかこう、脚本家と監督が「もうこんな映画どうでもいいや」とやけくそになって投げ出したようなシーンとセリフなのだ。
あえてネタバレすると、ヒロインのケータイに親戚のおじさんから電話がかかってきて、田舎に帰ったトヨエツが死んだことを知らされるわけ。で、カメラは電話を受けているヒロインの背中をただボーッと映しているだけ。
そのときの寺島のセリフが、「え? 祥ちゃんが? お酒飲んでて、車で海に落ちて……? 離婚届にサイン、おじさんに保証人のサインもらいにきて、そのあと……」みたいな、究極の説明ゼリフなのである。梶原一騎の劇画原作以外でこんなスゴイ説明ゼリフを見たのは初めてだ。
推測するに、絲山秋子は試写でこのラストシーンを観た瞬間、堪忍袋の緒がプチーンと切れたのではないか? -
『ヴァイブレータ』に引き続いて廣木隆一監督&荒井晴彦脚本&寺島しのぶ主演の『やわらかい生活』。『ヴァイブレータ2』的なところもあるので、先に観といて良かったです。『ターミネーター2』みたいな語感ですね……T2じゃなくてV2。そりゃYOSHIKIと小室か。
面白いかどうかで言うと面白くないと感じる人もいるかもですが、『やわらかい生活』私は大好きです。『ヴァイブレータ』よりこっちの方が好き。
『ヴァイブレータ』は公開当時を感じさせる風景が少なかった。『やわらかい生活』は蒲田という実在の場所なので真逆です。映像も逆で、今回はフィルムの粒状感が強いし、長回しをしている。前作が動に対して今作は静の魅力。私はこの感じがすごく好きなので、退屈しなかった。
前作と共通しているのは、メンヘラの話な点。原作者の絲山秋子さんの私小説的で、実際に双極性障害だったとか。私が以前付き合っていた人もそうでした。当事者の方が見るとどう思うのか……ホラー映画と同じく共感して癒される場合もあれば、フラッシュバック的に嫌な思いをする場合もあるのかも。人それぞれか。この映画は基本的にラブコメだと思うので、メンヘラ描写はソフトだと思います。
以下気づいた点
・トヨエツと、チョイ役の柄本明の福岡弁が嘘くさくて面白い。しかし、トヨエツは大阪出身なのに大阪弁も嘘くさく聞こえる気が……たぶんセリフの言い方にクセがある。そこが好き。
・檀一雄の『檀流クッキング』ネタ!!最高。福岡に縁がある人だから。
・ブッキー演じるヤクザのセリフ、「モナコの皇太子がボートで…」は、正しくは「モナコの皇女の夫がボートで…」。知識が適当なところがリアルで良い。
・寺島しのぶさんのセリフの言い方、今回すごく好きでした。この点含めて映画の全体的な雰囲気が好きです。
絲山秋子さんの原作『イッツオンリートーク』をすごく読んでみたくなりました。私にとっては珍しいことです。女性の作家さんの小説をもっと読みたいのだけど、何を読めばいいのかわからないので……江國香織さんと川上弘美さんは一冊ずつ読んだけどあんまり……山田詠美さんは好きです。積読してるのは西加奈子さんと本谷ちゃん。
あと、タイトルの元ネタになってるキングクリムゾンの『エレファントトーク』が大好きなことも理由です。エイドリアンブリューとトーキングヘッズも好きなので。
絲山さんと荒井晴彦さんとで一悶着あったそうですが、荒井さんて『Wの悲劇』とか原作から大いに逸脱して改変してるので、比較してみたい。出崎統さんとかもこのタイプ。
原作つきの作品の場合、難しいところですね。私は原作から変えても映画が面白ければそれで良いと思っています。
ところで、私が廣木隆一作品をいま観てるのは、単純に観てなかったせいもありますが、実写版『ママレードボーイ』のレビューをきちんと書くためというのが一番大きな理由です(真顔で)。 -
やっぱり、ひとつの障害物は、寺島しのぶ。これは生理的な問題。この女優は、できればスクリーンに登場してほしくないけれど、いなくなったらなったで、なんだか貧しいような、そんな存在。
あと、本作で豊川悦司が好きになった。 -
処方内容が当時の処方の仕方って感じで、
ほくそ笑んでしまった。
最後だけ急に説明的セリフになってしまい、
それまで積み上げてきたロケーションとマジックアワーの良さが、
妙に興ざめになるのがもったいない。
ただ、本当に悲しみを実感するための物語だったのだなと思うラストは良かった。 -
豊川悦司が良い。
カラオケで歌うシーンがなんか好きだった。
少しだけ穏やかな気持ちになった。 -
寺島しのぶの良さがわかった。
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途中で飽きて断念した。
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廣木隆一監督、荒井晴彦脚本、絲山秋子原作、2006年作。寺島しのぶ、豊川悦司、松岡俊介、妻夫木聡出演。
<あらすじ(ネタバレ)>
35歳、独身、早大政経卒で一流企業の総合職として働いていた橘優子(寺島しのぶ)が、親、恋人、友の死により躁鬱病になり、蒲田で気ままなやわらかい生活を送る。その中で、いとこの橘祥一(豊悦。優子が関係を持った最初の男でもある)が妻子を福岡に置いて蒲田に現れ、病気の優子の世話を焼き、優子の中でも祥一の存在は大きくなっていく。最近知り合ったエロ建築家、区議らが、それぞれの生活を楽しむ様子を知った優子は、帰郷した祥一に逢いに行こうとした矢先、祥一の父から息子の事故死を知らされ、1人、銭湯の湯船で涙にくれる話。
<コメント>
・なんだかダラダラした映画。シーンの展開、もう少し整理できるんじゃないか。
•躁鬱の女性と親しかったことがあるので、それを思い出しながらみた。あれだと鬱としてはおとなしいほう。もっとめちゃくちゃなこと言われたけどなぁ…。
・エンドロールも最後まで見たが、テーマソングも途中でフェードアウトしており、やる気が感じられない作り。
•後で知ったが、この映画の脚本出版を巡って、原作者の絲山氏が出版を拒否したため、脚本家の荒井氏と裁判になったらしい。そういう火種も映画の作りに影響しているのかも。
•どうやら、主人公の橘優子、絲山氏自身がモデルになっていた節がある。
絲山氏の経歴…早稲田大学政治経済学部経済学科卒。卒業後INAXに入社し、営業職として数度の転勤を経験。1998年に躁鬱病を患い休職、入院。入院中に小説の執筆を始める。2001年退職。
以上、ウィキペディア「絲山秋子」より引用。
•だとすると、脚本を活字に残しておきたくないという絲山氏の言い分にも道理はあるのかな。
何れにしても、面白くなかったです。