由美香 コレクターズ・エディション [DVD]

監督 : 平野勝之 
出演 : 林由美香  平野勝之 
  • マクザム
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感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4932545984230

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  • 実際に不倫関係にあったAV女優 林由美香とAV監督 平野勝之が、自転車で東京から礼文島までの1000kmを野宿しながら自転車で走破するロードムービー的ドキュメンタリーAV。もとは「東京〜礼文島41日間ツーリングドキュメント わくわく不倫旅行 200発もやっちゃった!」のタイトルでAVとして公開されたものが、あまりの評判で劇場公開されたという異色作。AVとはいえ実用性は皆無でつまり抜けないAVなわけだが、そのいっぽうでおそろしく面白くて、極めて優れたドキュメンタリーに仕上がっている。
    AVの企画というビジネス上の関係と実際の不倫関係という微妙な緊張関係に、自転車野宿旅行という極限の状況が作用して、二人の様々な表情を映し出す。ときに二人はセックスをしケンカをし互いに爆発しあいながら北の地を目指す。
    AVという実用性第一の媒体でこれだけふざけた企画にもかかわらず、それが駄作と紙一重である種の芸術性まで帯びてしまったというのは奇跡的なできごと。それはなにより、平野の林への愛情のたまものでもある。林に完全に魅せられてしまった平野の姿は滑稽で痛々しい。その平野の心情が映像にも編集にも焼き付けられている。
    この作品の後二人は別れ、やがて林由美香は自宅で急逝する。一方の平野は、林を断ち切れずカメラを持つことさえできなくなる。平野の再生は「監督失格」として結実する。

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著者プロフィール

映画監督。1964年静岡県浜松市生まれ。幼少期より絵を描きはじめ、学生時代は漫画制作に没頭。84年、『ゲバルト人魚』で「ヤングマガジン」ちばてつや賞入選。その一方で82年より8ミリ映画を制作しはじめ、85年、『狂った触角』でぴあフィルムフェスティバル入選。その後、86年『砂山銀座』で、87年『愛の街角2丁目3番地』で同賞獲得。89年上京。翌年、『由美香の発情期』でAVデビュー。「ヌケないが面白い」AV監督として不動の地位を築く。96年、林由美香と自転車で北海道へ。翌年、その記録『由美香』が劇場公開され話題に。05年、林由美香の死の第一発見者になる。その死と、残された人々の再生を描いたドキュメント『監督失格』を2011年に発表。近年は自転車冒険作家としての側面も持ち、活動を続けている。著書に『ゲバルト人魚』(94年、洋泉社)、『自転車不倫野宿ツアー』(林由美香との共著、97年、太田出版)、『旅用自転車 ランドナー読本』(10年、山と渓谷社)、『旧型自転車主義』(12年、山と渓谷社)がある。

「2013年 『「監督失格」まで』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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