恋恋風塵 [DVD]

監督 : 侯孝賢 
出演 : 王晶文  辛樹芬  梅芳 
  • 紀伊國屋書店
3.95
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4523215008068

感想・レビュー・書評

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  • 昭和感のある台湾ラブストーリー。
    60〜70年代の話みたいだけど、
    日本にも似ている話もありそう。

    前半は説明が無く、登場人物も分かりづらいし、
    セリフも少なめで、とっつきにくい。

    フランス映画好きは、好きかも。

  • 監督:侯孝賢

  • 1987年の封切以来だから、なんと28年ぶりかー。もともとが静かな湖面を映したような映画だからなのか、いま観ても古びない、しみじみといい作品だなと思います。
    当時、故郷を離れて東京に出てきたばかりの私は、年齢の近かった主人公たちに気持ちを重ねながら観たものだけど、いま観ると、高度経済成長期前の台湾はこんなに貧しかったのかと、胸を衝かれます。中学校を出たばかりの、まだ細っこい腕をした少年少女たちが、故郷を離れ都会で住み込みで働くのはどんなにか心細かっただろう。白黒のフィルムの中でしか知らない日本のその時代が、主人公たちの心理にまで踏み込もうとしない映画の距離ゆえになのか、かえって近しい親密さで迫ってくるようです。
    心細さに、互いの存在にぎゅっとしがみついていた幼馴染の少年と少女の間には、世界が広がるにつれて、自然と距離が開いてしまう。誰のせいでもないその哀しみを、少年とともに静かに抱擁してくれる故郷の山と谷に、静かに空から射してくる陽光。その風景が、わたし自身の故郷に重なって、今回もやっぱり涙ぐんでしまいました。
    故郷と台北をつなぐ鉄路のトンネル、かったんと落ちる信号機、誰にともなく一人で話し続けるおじいさん。そのリズムが、私の中にぴったりと落ちてくる。大好きなホウ・シャオシェン監督映画の中でも、格別に愛おしい作品です。

  • 誰に肩入れするではなく、カメラは淡々と思春期の青年を映していきます。ちょっと恋の終わり方が唐突でしょうか。私には、お父さんの息子への愛情が心に沁みました。

  • ホウ・シャオシェンの青春四部作の最後の作。ほろ苦いのに、少し爽やかな後味が残る独特な作品。

    なんとも素敵な時間を感じられる映画。冒頭から観客はロングショットの長回しをこれでもかと見せられる。長回しの呼吸の一つ一つが、固定キャメラの映し出す構図の一つ一つが、冴えている。あまり特定の人物に寄ることのないキャメラが映し出すのは、あるストーリーというよりストーリーが流れている時間だ。

    DVDの特典映像に含まれたインタビューで、脚本家のウー・ニェンチェンが、「これはホウ監督のある人生に対する解釈だ」と言っていた。この映画は、ある人生が依拠している環境・時間を映すことで、その人生をある仕方で解釈している。私にはホウ監督のこの仕方がなんとも愛おしく感じる。

    ラスト、主人公は祖父と二人で、自然の時間に抱かれながら流れる沈黙に身を任せる。日本で言うところの無常観に似た、時の流れに対する人の逞しさを見た気がした。

  • しずかーな展開だが、ロングなイメージカットが凄まじく絵画的で、とても美しい。

    確かに、辛樹芬はノリピーの100倍かわいい。じいちゃんも、いい味をだしている。

    ただし、ラストは少々ナゾだった。

    【ストーリー】
     鉱村の村で育った幼なじみの阿遠と阿雲は共に貧しい家計を助けるため、中学卒業後、台北に出て働く。慣れぬ都会暮しの中、互いに励まし合う二人に淡い恋情は芽生える。そして互いの職場に仲間もでき、みなで集まれば冷やかされる相思相愛だった。
     やがて兵役となった阿遠は、口には出さぬが戻れば彼女との結婚を考えていた。毎日手紙を書くと約束し、彼女にも自分の宛名を書いた千通の封筒を託した。
     呉念眞、朱天文のコンビの脚本、候孝賢の監督--という台湾の最強トリオによる、瑞々しすぎる青春の断章。集団就職組の若者たちの息づかいが明瞭に伝わってくるのも嬉しい。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「ラストは少々ナゾだった。」
      んーーー
      侯孝賢が撮った映画では何が一番好きか?と考えていたのですが、結論出せず(細かな部分を忘れ去っている...
      「ラストは少々ナゾだった。」
      んーーー
      侯孝賢が撮った映画では何が一番好きか?と考えていたのですが、結論出せず(細かな部分を忘れ去っているからだ)。どの作品を観ても、知らない土地なのに懐かしく感じてしまう。。。
      多分、人は変わっても風景は変らないんだ←な訳ないか、、、
      2013/07/10
  • 高雄、台湾などを舞台とした作品です。

  • 先生、わたしにはこの映画の良さが
    ちーともわかりませんでした……orz

  • ラストシーンは僕にとっての名シーン

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著者プロフィール

(ホウ・シャオシェン、Hou, Hsiao-Hsien)
映画監督。1947年中国広東省梅県の客家の家に生まれ、翌年に一家で台湾に移住、高雄県鳳山で少年時代を過ごす。高校卒業後に兵役に就き、除隊後の1969年に国立芸術専科学校入学、映画製作を学ぶ。1972年卒業。その後、スクリプター、脚本家、助監督を経て、1980年に『ステキな彼女』で監督デビュー。80年代に台湾で起こった社会性、芸術性を追究する映画製作の新潮流「台湾ニューシネマ」を牽引した代表的な監督の一人である。第6回ナント三大陸映画祭金の気球賞(『風櫃の少年』)、第7回ナント三大陸映画祭金の気球賞(『冬冬の夏休み』)、第36回ベルリン国際映画祭批評家連盟賞(『童年往事』)、第46回ヴェネチア国際映画祭金獅子賞(『悲情城市』)、第46回カンヌ国際映画祭審査員特別賞(『戯夢人生』)、第68回カンヌ国際映画祭最優秀監督賞(『黒衣の刺客』)など世界的な映画賞を数多く受賞し、台湾最大の映画賞である金馬奨では『悲情城市』『好男好女』『黒衣の刺客』で最優秀監督賞を受賞。2020年第57回金馬奨生涯功労賞。

「2021年 『侯孝賢の映画講義』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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