ゆれる [DVD]

監督 : 西川美和 
出演 : オダギリジョー  香川照之  伊武雅刀  新井浩文  真木よう子  木村祐一  ピエール瀧  田山涼成 
  • バンダイビジュアル
3.97
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感想 : 619
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4934569625373

感想・レビュー・書評

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  • 昔はよく、「好きな俳優は?」と聞かれたら、間髪いれずに、オダギリジョー!と答えていた。
    この作品が公開されたのは2006年。映画館でも観たし、DVDでも観てたくらい大好きな作品で、とにかくこの頃の、特にこの作品のオダギリジョーが、オダギリジョー史上、最高に魅力的だと思うのだ。

    とにかくオダギリジョーの色気がだだもれ。
    もう彼自身コントロールできてない。
    「舌出せよ、舌」の名エロシーン。裸ニット。
    券売機で発券する姿すらエロい。
    出かけ際に、あんなどエロい男からどエロいチューもらったら、一生忘れらんなくなる!

    地元でつまらない人生を歩み、実家のガソリンスタンドを継ぐ兄を香川照之、
    地元とつまらない人生から逃げ、東京でカメラマンをしている弟をオダギリジョーが演じている。
    いやカメラマンて!オダギリジョーがカメラマン役を演じている、ってそれだけでなんかもうエロい!
    この作品、新井浩文とピエール瀧も出てて、なんかすごいざわつく豪華役者陣…

    公開当時は本当に、オダギリジョーのエロさにしが目がいってなくて、いや今回もそんな感じで何回も「えろーー」と言って10秒戻しを繰り返したシーンが多々あったわけだけど、ちなみにまだ咽頭炎治りきってないからめっちゃガサガサの声で「えろーー」とひとりごちていたわけだけど、人生を重ねたぶん、ちゃんと彼のクズさも分かったうえで、しかしかつそれがまた魅力の一つとなっているんだよな、とワンランク上のエロさに気付く。そしてこういう男は、やはり危険だよな、と妙に冷静になったりもして。

    以前とはまた違った見方をしていた。
    このお父さん(伊武雅刀)のところで育ったのは大変だっただろうな、であるとか、家族やきょうだいの葛藤、田舎で暮らすことの苦悩、とか。
    「優しい兄」として本音を語らない兄、弟も弟で、めんどうになりそうなことは基本的には本音を出さない。だからこそ、お互いの本音を言うシーンや、お互いすでに知ってるけど口には出していなかった残酷な事実が本人同士ではなく法廷で明かされるシーンは観ていてなかなかしんどいものがあった。
    実家に残って、つまらない人生を歩もうと決意した兄の本音と、そこから目を逸らして東京に逃げた弟の本音。
    奪われる者と、奪う者。家族とは、きょうだいとは。

    前はこんな見方できなかったな。
    また何年か経って、どんな風にこの作品を観るか。心のメジャーになってくれそうな作品かもしれない。

    この『ゆれる』というタイトル。作品に出てくる吊り橋がイメージされがちだけど、今回は、心のゆれ、関係性のゆれ、といった、目に見えないもののゆれを大きく感じたのでした。

    • naonaonao16gさん
      よんよんさん

      おはようございます!
      コメントありがとうございます~

      喉は徐々に調子を取り戻し、まだガサガサしておりますが、声は出るように...
      よんよんさん

      おはようございます!
      コメントありがとうございます~

      喉は徐々に調子を取り戻し、まだガサガサしておりますが、声は出るようになってきました!
      ご心配おかけしております…
      なんだか毎日追われるような日々で、そういったストレスも重なったのかな、なんて思ったり…

      この作品のオダジョーやばすぎですよね!!
      『メゾン・ド・ヒミコ』!
      あれもエロいオダジョーに会えますよね!!また観たくなってきました~
      2023/12/11
    • よんよんさん
      naonaoさん こんにちは!
      徐々にお元気になられているとのこと、本当に良かったです。お忙しいとは思いますが、くれぐれも無理されないよう...
      naonaoさん こんにちは!
      徐々にお元気になられているとのこと、本当に良かったです。お忙しいとは思いますが、くれぐれも無理されないように。
      昨夜コメントをさせていただきましたが、オダジョーの映画の題名に誤字が…。なんて馬鹿馬鹿…。「メゾン・ド・ヒミコ」ですよね~。なんか気になり過ぎて削除しました。オダジョー、naonaoさん、(。・ω・。)ノ♡
      2023/12/11
    • naonaonao16gさん
      よんよんさん

      こんばんは~

      ありがとうございます…
      体調管理、気をつけててもなかなかうまくいかないことが多くて、自己嫌悪です…
      早く帰れ...
      よんよんさん

      こんばんは~

      ありがとうございます…
      体調管理、気をつけててもなかなかうまくいかないことが多くて、自己嫌悪です…
      早く帰れる日は帰るようにします!!

      あれ、、
      わたしはまったくよんよんさんの誤字?に気付かずで…削除されちゃったのは寂しいですが、気持ちはとってもわかります!
      いい作品だよねっていうのが共有できてよかったです✌︎
      2023/12/11
  • 小説を読んで昔観たはずの映画をもう一度!
    脚本が先なので映画より小説には細かい心の動きが書かれてあるし、智恵子が弟の猛ともう一度関係を持つための計画、女の狡さがあった事がわかる。
    それが映画には全くないので3人の心のゆれが
    わかりにくい。
    もうそれぞれの演技ひとつにかかっていると言っていいんじゃないかと…

    前半の香川照之は親戚に頭を下げ、父親を宥め、弟に気を使い、仕事でもひたすら良い人。
    香川の瞳は気味が悪いほどキラキラで張り付いたような笑顔だ。
    智恵子が死んだ後の香川の瞳はもう真っ暗(*_*)
    死んだ瞳で笑って怒りを爆発する。
    本当に凄い演技で鳥肌ものです。

    香川照之、オダジョー、伊武さん以外の演技が酷すぎてもったいない。゚(゚´Д`゚)゚。
    真木よう子がヘタすぎ(ファンの方ゴメンなさい)

    オダジョーは大好きだから評価甘くなります笑




    • ゆーき本さん
      「舌出せよ」に悶絶です。
      「舌出せよ」に悶絶です。
      2023/03/20
    • みんみんさん
      キャ〜〜\(//∇//)\
      オダジョーしか言っちゃダメなセリフ笑
      キャ〜〜\(//∇//)\
      オダジョーしか言っちゃダメなセリフ笑
      2023/03/20
  • 故郷を離れ、東京で写真家として活躍する弟・猛。母親の法事で久々に帰省し、兄・稔が切り盛りする実家のガソリンスタンドで働く昔の恋人・智恵子と再会する。猛と智恵子とは一夜を過ごし、翌日、兄弟と彼女の3人で渓谷へ遊びに行く。猛が智恵子を避けるように写真を撮っているとき、智恵子が渓流にかかる吊り橋から落下する。その時、近くにいたのは稔だけだった。事故だったのか、事件なのか、裁判が進むにつれて兄をかばう猛の心はゆれ、最後には証言台に立ってある行為を選択する

    『その時東京駅五時二十五分発』を読み、西川さんの監督、脚本で高評価を得ている『ゆれる』を観る。ラスト、『その時~』はスコンと抜けた様な明るさがあったのに、こちらは感じられず重たく終わった。若い頃は好きな作品に挙げただろうが、落ち着いた年齢を迎えた今は避けたいテーマ。
    生まれつき持っている者と持てなかった者に立ちはだかる壁。誰もが感じながら生きている。それが血を分けた兄弟や姉妹となるとなおさらのこと。
    兄を賀川照之さん、弟をオダギリジョーさんが演じそれぞれ受賞していて巧い。人間のどろどろとした感情やエゴが渦巻く演技は素晴らしいが、殺人罪がかかる設定で果たしてアリなのか・・・。
    不可解なのは「昔の誠実な兄を取り戻すために敢えて真実を述べる」と言い「兄が智恵子を突き落とした 」と証言したこと。その前の面会で、兄が「お前は殺人犯の弟になりたくないから、俺の無実を信じているだけだろう」に対してだったのか。映画を観ている私も『真実は藪の中』の面持ちでありながらも、やはり兄はやっている側に傾いていた。慕っていた智恵子を猛に寝取られたばかりか、救おうとした際「触らないで!」と拒否されたらたまらない・・・。
    しかし、真実は違った。たぶん猛も兄が突き落としたと思い込んだのだろうが。

    兄が7年の刑期を終え出所したラストシーンで、猛が謝り「兄さん、一緒に住もう」と呼び掛ける。2人の間をバスが遮る。果たして兄はバスに乗り込んだのかどうかは、観客や読者に委ねられる手法。(結論をはっきりさせないのは好きではない。ラストを提示しないと作者の考えが伝わらない)私には、弟と住まずに違う町で暮らそうと兄はバスに乗り込んだのだろうとしか思えない。

    検察官役の木村祐一さんは納得いかなかったです。

  • 山梨県のある町が舞台。母親の1周忌に帰ってきた、東京でカメラマンをしている猛。実家は父と独身の兄がガソリンスタンドを経営している。法事の宴席では父の弟で弁護士の叔父が口論を始めてしまう。この宴席、どうやら時代設定は映画の公開年と同じ年代のようなのだが、自宅で各自の塗り膳でやっていた。2006年・平成18年あたりだと、法要は料亭などでやるのが主流になりつつあったのでは? などと思い、この映画で最大に印象に残ってしまった。

    が、しかしこれは、田舎・故郷に残された兄と、都会に出て行った弟、父・叔父、兄・弟、の2代にわたる、互いの胸の内の怨念の成した事件だったのでは? と言う気がした。兄は田舎、生業、それゆえ結婚も難しく、しかも親と同居・・という負、弟は都会、選んだ職業、選べる恋愛。しかしその場で生きるしかない。篠田節子の「エデン」を思い浮かべた。行き着いた先で囚われ気づけば家庭を築き子まで成している。

    原案は監督の西川美和とあるが、しかし、なんか後半になるにつれ、いやな気分。後味はよくない。エンドロールを見たら、企画に是枝裕和。う~ん、このせいか。

    しかし、兄を演じる香川照之、すごい演技。目が体が、兄。


    2006公開
    2022.7.20 図書館より

    • しずくさん
      イイね!をありがとうございました。昔のレビューに戴くと自分が書いた感想を再度見る機会になります。

      >エンドロールを見たら、企画に是枝裕...
      イイね!をありがとうございました。昔のレビューに戴くと自分が書いた感想を再度見る機会になります。

      >エンドロールを見たら、企画に是枝裕和。う~ん、このせいか。

      この映画を観た時に全然気づけませんでしたが、(というかエンドロールはほとんど見ませんので)なるほどと私も納得できた次第です。
      2022/07/22
    • bukuroseさん
      コメントありがとうございます。これ、図書館の視聴覚コーナーでピックアップされていたんです。

      感想が似ているなと思いました。私も結末は作...
      コメントありがとうございます。これ、図書館の視聴覚コーナーでピックアップされていたんです。

      感想が似ているなと思いました。私も結末は作り手に示してもらいたい派。兄の右腕にある長い傷、あれは何なんだろうな、と。橋に行った時にはすでにあった気がするから、手を差し伸べての傷ではないですよね。

      企画ってどういうことをするのか分かりませんが、是枝氏の作品ってどうも肌に合わないみたいです。

      >検察官役の木村祐一さんは納得いかなかったです。
      わたしもです。あそこまで言うか? 兄の心情をえぐりだすためなんでしょうが、別な方法もあった気が。弁護士の叔父さんが、裁判ってのは裸にされるんだ、みたいな事を言ってましたが、そうだな、って思いました。
      2022/07/22
  • これがカンヌで高評価というのは、大いに納得できる気が。そして、プロデューサーが是枝監督というのも、これまた大いに会得がいきます。
    女性が描くラブシーンは生々しいですね。妙なファンタジーを入れこむことなく、かといってエロ一辺倒にならないところが、女性っぽい。というか、全編通して女性っぽい切り口だなと思いました。演出や内容、それからどこか冷めた風な深い愛も。
    今まで観た中で、ベスト・オダギリジョーだと思いました。本当に演技が自然で、目の隈が目立つのに瞳がキラキラとしていて。ちょっと狡くて、ちょっと甘えん坊で、天才肌で小器用で、人を踏み台にすることの代償に無頓着で。
    香川照之も怖かった。何度見ても、瞳を覗き込んでも何の感情も伝わってこなさそうなあの顔。笑顔を作るまでの不自然な数秒間が、余計怖い。
    そして、そういった二人の役者の演技がもたらすアンバランスさが、解釈の幅にも大きなゆらぎをもたらして、一つの結論にたどり着けない。あのエンディングも結局どういう意味だったのか、あの後どうなったのか、想像できるけれど、確信が持てない。あの事件も、一体何が「真実」だったのか分からない。
    でも、それが本当の「真実」なのではと思ったりもします。某小学生探偵が「真実はひとつ」と言っておられますが、事実はひとつでも、真実は人の数だけあるのでは、と。ひとの心は奇妙に歪んでいて、多角的にならざるを得ず、それ故に、理解し難い境地にたどり着いたりして、すべての人間を納得させるのはとても難しい。だからといって、それを諦めろということではないでしょうが。
    あ。あと、新井浩文は良い役者ですね。あのちょっとヤンチャしてますみたいなバイトから、家庭を持った7年後まで、同じ人間の時間の移り変わりを一瞬で表していて、陰の功労者は彼なんじゃないかと思いました。実際、ある意味でのキーパーソンだったんじゃないかと。

  • 「あの橋を渡るまでは、兄弟でした」

    おすすめされたので。兄弟の話。

    うーん、余韻のある映画、好き。
    オダギリジョーって役者も好きだなー。重版出来のときも好きだった。
    序盤のアンニュイな感じから、まさかの転落でびっくりした。なんどか巻き戻してみてしまった。

    田舎を描写するとき、特に画面の暗い作品だと閉塞感が前面に出てくることあるけど、自分としてはなんか、都会の生活のほうが閉塞感を感じる。
    んで、ちょっとだけそういう閉塞感をこの作品の都会にも感じました。

    タイトルは吊り橋と、兄弟間の一言では言い表せないあれこれの揺らぎを指しているのかしら。信じたい気持ちと、裏切られた気持ちとの揺らぎとか。妬みと親愛とか。
    法廷もの見るとダンサーインザダークを思い出してしまう。


    ラストの笑顔が良かったです。

    監督自らによる小説版もあるのか。図書館にあるかな?

  • 序盤の弟くん、オダギリジョーのキスシーンが笑えるぐらいダサくて嘘くさいのだが、ちゃんとのちの伏線になっててキャラクターを表現している。

    弟くんのセックスシーンからカットが切り替わって兄が給油口にノズルを挿入してるのに爆笑しました。笑える切なさ、後期ごっつ〜最近の松本人志の笑いに近い。香川さんの嘘くささといい、前半ちょっとコメディっぽいのが後半で効いてくる。

    真木よう子は普段どおりの真木よう子。てかこの人演技上手いの??

    高所恐怖症なのはやはり不能=女性に対して自信が持てないってことなんでしょうね。

    中盤以降は香川さんの独壇場。完全に憑依している。
    話そのものは、嘘をついてない羅生門エフェクトって感じ。

    そして、甥っ子ふたりに振り回される蟹江敬三が一番かわいそう…笑。

    魚の目の演出はどっかで見たことあるな〜と思ったら、数年後の『悪人』でたぶんあったと思う。

    ラストのナレーション、要らなかったんじゃないのかなあ。日本映画では必要なんでしょうか。

    自分の中の評価もゆれる作品でした。良い作品には間違いないんで、また時間を開けて観たいです。

  • “説明”がとても少なく、
    微妙な心の揺れ動きが、繊細に描かれている。

    人は、自分が信じようとしたものしか信じない。
    そして、真実とは何か。

    出演者の素晴らしい演技が光る。

  • 1度見て、わからないところがいろいろとあったので
    次の日もう一度観ました。
    「百聞は一見にしかず」という言葉があるけれど。
    本当にその瞳は正しいものを映し出しているのか。
    目で見るということのその危うさ
    そのときの環境や、精神状態や、
    その人に抱くイメージで
    見えてくる世界は微妙にゆれている。
    人は、「見えるもの」と「見えないもの」の両方で
    物事を見ているのかもしれません。

  • ラストでなぜ兄は笑ったのだろう。
    弟は証人としてなぜあんなことを言ったのか。
    歯切れの悪いまま映画は終わる。

    「真実」って、何なんでしょうね。

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著者プロフィール

1974年広島県生まれ。早稲田大学第一文学部卒。在学中から映画製作の現場に入り、是枝裕和監督などの作品にスタッフとして参加。2002年脚本・監督デビュー作『蛇イチゴ』で数々の賞を受賞し、2006年『ゆれる』で毎日映画コンクール日本映画大賞など様々の国内映画賞を受賞。2009年公開の長編第三作『ディア・ドクター』が日本アカデミー賞最優秀脚本賞、芸術選奨新人賞に選ばれ、国内外で絶賛される。2015年には小説『永い言い訳』で第28回山本周五郎賞候補、第153回直木賞候補。2016年に自身により映画化。

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