- Amazon.co.jp ・映画
- / ISBN・EAN: 4988142460424
感想・レビュー・書評
-
1969年ユナイテッド・アーティスツ。製作は007初期シリーズで有名なハリー・ザルツマンで、監督はこれまた007シリーズを数多く手がけ、また『ナバロンの嵐』や『クリスタル殺人事件』『地中海殺人事件』も監督したガイ・ハミルトン。原題は、第二次世界大戦初期のドイツ空軍(ルフトバッフェ)とイギリス空軍の航空戦であった『バトル・オブ・ブリテン』で、オールスターキャストによる戦争超大作です。
「フランスの戦いは終わった。イギリスの戦い(バトル・オブ・ブリテン)が間もなくはじまる。」(チャーチル首相)
これほど、有名俳優をずらりと並べ、そして、これほど第二次世界大戦期の軍用機をこれでもかとみせてくれる作品はないでしょう。特に航空機マニア(?)にとっては非常に嬉しい1本なのではないかな。(笑)
ドイツ軍のメッサーシュミットBf109や、ハインケルHe111がこんなに大量に撮影に使われるとは驚きものです!メイキングによるとハインケルHe111は、当時のスペイン空軍に練習用として50機も残存していたのを借り受けたとのことで、それがずらりと並んでいるものですから、これはド迫力ものでした。ハインケルHe111って、背骨の流線形がきれいなので好きなんですよね。(笑)操縦席をはじめとする機内構造をみることができるのも魅力的でした。さすがにユンカースJu87スツーカは1機しか確保できなかったそうで、ほとんどがラジコンなどの特撮だったようですが、スツーカの動きはすごく凝っていて面白かった!そして、ユンカースJu52タンテ。3発機のあの不格好さもいいんだなあ。(笑)こうなると、ユンカースJu88やメッサーシュミットBf110なんかもみたかった。(笑)
イギリス空軍の主役はやはりスーパーマリーン・スピットファイアですが、これもこんなに多く出てきて、しかもドイツ軍機と大空中戦を繰り広げるので、これだけでも目を瞠ります。自分はスピットファイアよりもホーカー・ハリケーンの方が好きなんですが(笑)、今回スピットファイアとの揃い踏みで、ドイツ軍側もそうですが、当時を「本物」で再現しようという製作者のこだわりには脱帽です。あ、ちなみに自分は決してその筋のマニアではありませんから。(笑)
しかし、様々な飛行機が出てきて、空中戦など最初は見入ってしまったのですが、だんだんダレてきてしまって・・・。それに、このオールスターキャストの使い方がもったいなさ過ぎる。ローレンス・オリヴィエ、トレヴァー・ハワード、クリストファー・プラマー、、スザンナ・ヨーク、マイケル・ケイン、ロバート・ショウ、ケネス・モア、エドワード・フォックス、クルト・ユルゲンスなどなど、まさに名優揃いですが、どの役もまるで中途半端で残念な限りとなっています。それにしてもエドワード・フォックスは若いなー。ロバート・ショウはドイツ軍将校役の方が似合うんだが。(笑)強いていえばダウディング空軍司令官役のローレンス・オリヴィエが静かに熱演していたのが良かったかな。
本作品では戦争の悲惨さも割と前面に押し出されていて、ロンドン大空襲時の悲劇もそうですが、ラストのBGMだけの空中戦場面で多くの無残な撃墜シーンが描かれていたのは、単なる「カッコいい」シーンと対比されていて、戦争場面の真実を伝えようとする力の入った演出だったと思います。
ラストもチャーチル首相の演説からの引用です。
「人間の闘争の歴史で、かくも大勢の者が、かくも少数の者からこれほどの大恩を受けたことはない。」(チャーチル首相)詳細をみるコメント0件をすべて表示