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- / ISBN・EAN: 4523215007078
感想・レビュー・書評
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1982年、フランス映画。監督はエリック・ロメール。
主演はベアトリス・ロマン。
共演としては親友役のアリエル・ドンバール、お相手役のアンドレ・デュソリエなど。
「人は皆、空想にふけり、夢を追う」(ジャン・ド・ラ・フォンティーヌ)
美術史修士のサビーヌ(ベアトリス・ロマン)はある晩、画家との不倫関係を清算し、玉の輿結婚しようと決意する。
親友のクラリス(アリエル・ドンバール)にそのことを伝えたところ、クラリスは従兄妹で弁護士のエドモン(アンドレ・デュソリエ)が良いと紹介してくれる。
何とかしてエドモンから望まれて結婚したいと言わせたいサビーヌ。サビーヌは一方的なつきまとい始める・・・。
これはイタイ女のストーカー話ですね。(笑)
エリック・ロメール監督の「喜劇と格言劇集」の第二弾ということですが、喜劇というか、なかなかシュールな「笑い」だったかもしれません。
良く言えば、ラ・フォンティーヌの格言の通り。悪く言えば、というか一般的にはストーカーでしょう!
相手から電話をかけさせたいと望みながらも、叶わないと知るや電話攻撃におよぶ彼女。
お相手の弁護士からしてみれば歯牙にもかけておらず取扱いに困っていると観客には見え見えとなっていて、こうしたシニカルな「笑い」をとる構成が面白かったです。
観る方も高所からの見物という境地が必要かもしれません。(笑)
主演のベアトリス・ロマンは夢見るオタク女の雰囲気を良く出していて、この映画にぴったりと溶け込んでいましたね。
DVDの特典映像でエリック・ロメール監督は、ベアトリス・ロマンはゆっくりと喋る演技をしていたと言っていましたが、こうした演技もストーカーぽくて良かったのかもしれません。(笑)
内容構成上、どうしても会話中心の物語となっていましたが、その会話でなかなか魅せてくれたように思います。
あと、共演で親友クラリス役のアリエル・ドンバールはなかなかスタイルも良くて綺麗な方でしたね。
サビーヌとクラリスの二人の場面は随所にあったのですが、どちらかというとクラリスの方にずっと見入っていたかもしれません。(笑)たぶん、衣裳が良かったせいもあるかな。
エリック・ロメール監督によればこの映画の季節は秋で、映画全体の色調としてローズ色を意識したと言っていました。
それにパリ中心部のモダン建築物とか、地方都市ル・マンの石畳や古建築物や田舎風景がふんだんに使われていて、映画の雰囲気が格言と絶妙にマッチしていたと思います。
そういえば主題もフランス的なような気もするし、雰囲気も含めてフランスの空気を楽しめる映画だったかもしれません。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
日仏で鑑賞(3.5点)