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- / ISBN・EAN: 4547462038661
感想・レビュー・書評
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異質ゆえの同調、苦しみ、悲哀、そして疲弊が、淡々としながらも丁寧な構成と、主演のフィリップ・シーモア・ホフマンのなりきり型の演技で表現された秀作。
「ティファニーで朝食を」などで知られる小説家トルーマン・カポーティが、現実に起きた一家四人惨殺事件を取材し、ノンフィクション・ノベルの始まりのいわれる「冷血」を六年をかけて書き上げる過程を描いた作品。
事件の犯人の一人であるスミスと面会を重ねるうちに、彼のたどった不幸な子供時代や鬱屈に、自らの体験を重ね、友人としてきずなを深めるカポーティ。
カポーティ自身は、幼い頃に親に捨てられたこと、同性愛者であることなど、さまざまな事情があり、売れっ子作家として世間の輪の中心にいるようで、その実、どこか異質で常に孤独な存在だった。
しかし、作家としての彼は、事件の真相を話さないスミスに苛立つ。
そして、スミスたちの死刑執行と、その描写によって、彼の目指すノンフィクション・ノベルが完成することがわかっているため、「友人」スミスの白状と、死を願わずにはいられない。
カポーティは、凄惨な事件と極悪な犯人を端的に現わすためか、それとも、友人の死を願う自身のことを暗に示してか、執筆中の小説に『冷血』というタイトルをつける。
作家としてのエゴと友情の間で揺れながらスミスと接し続けたカポーティは、精神のバランスを崩して…。
フィリップ・シーモア・ホフマンが、甲高い声と独特な雰囲気で、初めは下世話な好奇心だったのに、孤独と二律背反から徐々に精神を蝕まれていくカポーティを演じきっています。
訪れるべき結末が訪れた時の虚しさと苦さが、とても胸に残る作品です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
フィリップ・シーモア・ホフマンが気になって観ました。
被告人達の刑の執行を一刻も早くと望む気持ちも被告人に対して友情を抱いてしまった気持ちも、観ている側からすれば矛盾しているように思えるけれど、
どちらも切り捨てられずに苦しんだ、本人の本当の気持ちなのだなあと考えさせられました。
カポーティの小説を読んでみたいと思いました。 -
低くて渋い声の彼から、こんな声が出てくるなんて驚いた。あんな体型で、なよなよした腰つきや、太い小指を立てたりしてて、ゲイの役作りは楽しそうだな。
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小説家トルーマン・カポーティのファンなので観てみました。
フィリップ・シーモア・ホフマンの演技が素晴らしい。友人ハーパー・リー役のキャサリン・キーナーと、刑事役のクリス・クーパーもいぶし銀の渋さ。
暗い色調で抑えたカンザスの風景が美しい。枝の細い樹は楡の木?黒い影絵のよう。
カポーティの内面と、「冷血」という小説のメイキングという二本立てでストーリーは進んでいくけれど、両方とも十分には語れていなかったような。カポーティの嫌らしい面はけっこう表現できていたけど。
「冷血」は気が進まなくて読んでなかったけど、読んでみようかなー。 -
暗くて好き。
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作家カポーティが殺人事件の犯人を取材する実話。これ移行カポーティは作品を書けなくなったという。
死刑が決まっている犯人と友情を結ぶことにどんどんと疲れていくカポーティの演技がすごい。キャッチコピーの「何よりも君の死を恐れ、誰よりも君の死を望む」の通りの作品 -
圧巻!
「冷血」を再読したくなった。カポーティは「冷血」を書くために生をうけたかのようだ。 -
主人公の揺れに揺れる感情を理解できるかが評価の分かれ目か。
観てる最中よりも、観終わってからじわじわ考えさせられるものが。
主演のフィリップ・シーモア・ホフマンさん、
この前観た「パッチ・アダムス」の役とは随分また様変わり。
声も仕草も中性的?でびっくり。
ちなみに最後の涙は台本にはない、予定外のものだったそう。
カポーティさんへの役作り、相当徹底してるんだろうなあ。
後日談
あとからカポーティ本人の写真を観たところ
たしかにそっくりだ!!!