汚れた血 [DVD]

監督 : レオス・カラックス 
出演 : ドニ・ラヴァン  ジュリエット・ビノシュ  ミシェル・ピコリ  ハンス・メイヤー  ジュリー・デルピー 
  • ショウゲート
3.73
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4527427637986

感想・レビュー・書評

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  • カラックス監督は、芸術に関わる人なら誰しも渇望するような別次元の感性を持ち、それを表現できる才能をお持ちです。紛れもなく青春の一瞬を切り取った映像詩です。愛なきセックスで感染するウィルスやハレー彗星の接近による温暖化という設定は現代に重なります。とにかくピノシュが美しい。天使です。時代の閉塞感の中で、疾走するようなラブストーリーでした。

  • 依然としてわが生涯ベスト1だか2だか。
    思い返せば高校生のころに初鑑賞したのだった。
    「ケイゾク」で好きになった中谷美紀が好きな映画監督だと聞いて。
    2002年の3月と11月に見ている。
    もちろんその後も控えていないだけで何度も。
    この作品があったからこそ、映画の芸術性と娯楽性を知り、デヴィッド・ボウイも知った。
    ド糞陰キャの田舎童貞根暗が初めて文化に触れたわけだね。

    引っ越してDVDの整理をして、まだトールケースじゃなかったころのDVDを見かけ、バックグラウンド映像にしようかと思いきや、またしても見入ってしまった。

    話の感想は、もういい、というくらい血肉化してしまった。
    今回はとにかく登場人物の若さにびっくりしてしまった。
    調べてみると、1986年の映画だから、ドニ・ラヴァンは25歳。肌がきれいだもん。ビノシュは19歳。ジュリー・デルピーに至っては17歳!であの演技! そもそもカラックスだって26歳!
    というか撮影していた時期をマイナス1で差し引いて考えれば、もっと若い。
    (作中ではアンナは29歳、リーズは16歳、と言われていた?)

    寝起きのアンナはちょっとだけ山崎邦正みたいな表情。
    でも前髪を吹き上げるキュートさは、永遠。
    赤江珠緒を連想したりして。

    アレックス、死を前にすれば(腹話術で)何を語っても許される。
    作中で皆、笑ったり悲しんだり打ちひしがれたり。
    永遠に映像に残っている。
    永遠。

  • 好きな監督レオス・カラックスのメ作品。
    フランス映画ってあたりとはずれの差が激しい。特に女性がヒステリックなタイプが多くて、観てるうちに嫌になってくる場合が多いです。と、あまりいいイメージがなかったフランス映画だったんですけど、この映画を観た時感動してしまいました。
    まず映像がきれい。この映画をみてジュリエット・ビノシュ好きになった。
    色の白いビノシュが、映画の中で真っ赤なセーターを着て、前髪に「フー」と息をふきかけるんだけど、そのしぐさがかわいくて、流行りました。まあ私たちはビノシュではないので、マヌケなのですが・・・
    そして、主人公のアレックス役のドニ・ラバン。初めの内は「なんてぶさいくな人。これが主人公?」と思った。
    それが、話が進むうちに、すごくかっこよくみえるんです。終わりにはほれてました。
    ストーリーがうんぬんというより、全体に流れる退廃的なヨーロッパの雰囲気、映像のコントラストだったり、全体の心にしみる色だったり、そして役がそれぞれはまっているキャスティングなど、それが全て衝撃的でした。
    いまだに、無性にみたくなってしまう映画。

  • あまりにカッコよすぎる作品だった。
    ストーリーは断片的なんだけど、論理ではなく感覚として、流れるように美しかった。

    少年期の痛みをスタイリッシュに描いた奇跡の名作

  • 路地裏的生き方に身を置くアレックスの、刹那にみる白昼夢のごとき出来事の本質は、能動的かつ懐疑的な世界にとっては些細なちっぽけなものであると烙印を押されたような結末に、目眩すること必至。
    カラックスの「前時代的」「近未来的」エンターテインメント(揶揄を内包するもの)。総ては疾走する愛のために。

  • 友人に『ホーリーモーターズ』を観に行こうと誘われたので
    ちょっとでも予習しておこうと思って初期3作を観ています。

    前作『ボーイ・ミーツ・ガール』と、うっすら繋がっている続編。
    カラーになって、お金もだいぶかけられるようになって
    無茶苦茶やったような作品。
    そのせいでちょっと損なわれた部分もあるんだろうけど、
    全体的にはやりたいことやれてる感があるし、話もわかりやすい。
    カラックス節は失われてないし、
    そしてまさに細部に神を宿すようなこだわりが見て取れます。

    ジュリエット・ビノシュとジュリー・デルピーがダブルヒロイン的な感じで、
    かわいさの方向性がそれぞれ違うのもよい。

    創作の原点って、中二病だと個人的には思っている。
    中二病のエナジーを持続させながら、
    それをどこまで無駄なく磨きこめるか・・・
    レオス・カラックスってそういう人なんじゃないかなあ。
    だから、ジュリエット・ビノシュが
    ガチャピンチャレンジみたいになってるのがおもろい(笑)。

    そしてまたー!デッケネの1st.!!
    どんだけ好きなんだよー!!
    あとボウイの『モダーン・ラヴ』。
    どんだけ好きなんだよー!!

    この曲が入ってる『レッツ・ダンス』、何をとち狂ったか
    高校生ぐらいの時に初めて買ったボウイのアルバムでした。
    '80年代を代表するボウイのアルバムだけど
    いかにも'80年代な音で(ナイル・ロジャースがプロデュース)
    '90年代に聴くにはくっそダサかったなあ・・・。
    なんだか、当時はこっぱずかしかったです。すぐタンスの肥しになりました。
    『レッツ・タンス』なんつってね。
    今聴くと逆に良いかもしれんね。

  • すごくきれい。青は愛の色なのかな。ボウイのモダンラブになるほどなあ~~~ってなった。小劇団の独特の世界観を映像化したみたいな映画!フランス映画ってやらしいのばっかりだとおもってたけど全然そんなことなく!色々見たくなりました。

  • 散文詩のような映画。難解というほどではないけれど、印象的な画や台詞で芸術的な匂いがする。
    ストーリーとしてはSF設定はあくまで奇病についてのみ。青春ラブストーリーとして観ないと肩すかしをくらう。テーマやテンポ等、人によって合う合わないが分かれるかな(私は恋愛物は気恥ずかしくてちょっと苦手なので厳密な評価は☆3.5といったところです)

  • MAUVAIS SANG
    1986年 フランス
    監督:レオス・カラックス
    出演:ドニ・ラヴァン/ジュリエット・ビノシュ/ジュリー・デルピー

    『ポンヌフの恋人』公開あわせでリバイバルしたのを観ました。ポンヌフ~は世間でブームになったわりに個人的にはそこまで好きじゃなかったので、自分の好みとしては断然こっちのほうが面白かった。近未来SF要素のある設定のおかげもあるし、単にジュリー・デルピーが好きだったというのもあるかも。

    (1992/3~)ユーロスペース?

  • 愛を忘却した世界。
    ひとびとは自分の想いのみしか語らず、会話というものが存在しない。
    己の求める愛は思い描いた理想の恋だから実るはずもない。

    愛したいの、愛せないの

    散文的なストーリー、世界観の中、緻密に計算しつくされた視界。
    舞台の作り込み、構成、色彩、陰影、反射、残響、小道具のひとつひとつにおいて芸術的で完璧過ぎる。

    そのスタイリッシュな映像の中に輝くジュリエットビノシュとジュリーデルピーは天使!

    何か少しもやもやする中にも不思議と感動してしまったものです。

  • ジュリエット・ビノシュのほうが金髪の女の子よりずっと年上で、もう30近いんだけど、金髪の女の子はいきなりすっぱだかなのに、彼女の方は性的なシーンはまるでない。黒髪のショートカットも子供っぽく純潔な感じ。主人公の血を受けても変わらずに飛び立っていくのは、魔性の女ってこういうのかもなあと思わせます。

  • 映像美が、イマイチ筋はわかりにくかった。
    でも、そもそもそういう映画なのかもしれない。

  • どうやら私にフランス映画は向かないらしい。。。
    映像は綺麗だったけれど、あの淡々と進むかんじがやはりどうもしっくりこない。

  • カラックスは難しい。

  • ジュリエット・ビノシュもジュリー・デルピーも可愛い。本当に可愛い。ちょっと少女の影が残る大人という面持ち。フランスの夜に浮かぶ光の撮り方が美しい。本当に美しい。

  • 3部作の中では一番好き。

  • (1986年作品)

  • “もし君とすれ違ってしまったら
    世界全体とすれ違うことになる”

    レオス・カラックスを知ったのは2008年公開の『TOKYO!』をみたとき、それから気になっていたがみる機会がなかった。が、先日レンタル屋の発掘良品というコーナーに新作扱いで入荷されていてやっとみられた。全体的に淡白で、ところどころ撮り方、台詞が詩的。最初どうかな?と半信半疑になったが、最後は惹きこまれていた。ただ感動する類ではない、静かにわらえる箇所は多々ある、夢っぽい。主人公がイグアナとデヴィットボウイに似てた。思い返せば印象に残ってた、パラシュートのシーンと、赤子のシーンと、家のなかではしゃぐシーンと、バイクにのってるリーズと、最後のアンナと、車で歌うシーン、それからメイキングがとてもよかった。ふたりの美しい女の子(?)ありきの映画。ゴダールがみたくなった。

  • 大人のおとぎ話みたいだと思いました、SFとはちょっと違う。涙が止まらない血友病なのっていうアンナの台詞が好きだった。そんなアンナを笑わせようとするアレックスがとても好きだった。

  • 寡作で有名なレオス・カラックス監督の代表作

  • ジュリエット・ビノシュ演じるアンナの蠱惑的な魅力に、主人公と一緒に掌で転がされてみる映画。「トスカーナの贋作」でもその魅力は健在。一度でいいからあのふくよかな谷間に顔を埋めてみたいー!!

  • これまで観た映画の中で一本を挙げるとしたら「汚れた血」です。きっとこれからもそれは変わらないでしょう。

    映像美、スタイリッシュな演出、ジュリエット・ビノシュの美しさ。すべてが触れたら簡単に壊れてしまうような繊細な映画だと思います。

    ゴダールの再来と言われたレオス・カラックスの最高傑作です。

  • 「赤」が強烈な印象を残す作品。壁、ニット、ベッドなどショットのいたるところに「血」の赤がちりばめられている。

    シーン展開もすごくミニマムで、確かに「ゴダールの再来」と称されるだけのことはある。

    ラスト、すごいなー。ジュリエット・ビノシュが、まさに飛たたんとする飛行機みたいになっちゃった。

    でも、たばこ吸い過ぎ。

    若き日のジュリー・デルピー、ジュリエット・ビノシュが瑞々しく、美しい。

    【ストーリー】
     あと数年で21世紀を迎えようとしているパリだが、街には格別の変化はなく、ただ地下鉄が真赤に塗られ、彗星が近づいているために夜が恐ろしく暑かった。そして人々は、愛のないセックスによって感染するまだ治療法がみつからない新しい病気「STBO」の蔓延に恐怖を抱いていた。
     天涯孤独の少年、アレックス(ドニ・ラヴァン)は、どこか別の場所で新しい人生を送りたいと思っていた。ガールフレンドのリーズ(ジュリー・デルピー)と過ごす愛のひとときさえも、彼には無意味だったし、後世に何かを残したいというわけでもない。
     やがて、アレックスは、亡き父親の友人の中年男マルク(ミシェル・ピッコリ)と美少女アンナ(ジュリエット・ビノシュ)に誘われ、脱出の為の金欲しさに犯罪に手を貸す。そして、いつしかアンナを愛するようになるが、アレックスは逃亡の際の傷がもとで息絶えてしまうのだった。
     近未来の世紀末のパリを舞台に男女三人の愛の物語を描いてゆく。製作はアラン・ダアンとフィリップ・ディアス。監督・脚本はレオス・カラックスで本作品が日本公開第一作になる。
     撮影はジャン・イヴ・エスコフィエが担当。音楽はベンジャミン・ブリテン、プロコフィエフ、チャールズ・チャップリンの曲を使用。出演はドニ・ラヴァン、ジュリエット・ビノシュ、ミシェル・ピッコリほか。

  • 150回ぐらい見てるけど、飽きない。ヌーヴェル・ヌーヴェル・ヴァーグと言われる時代の傑作。カラックスの最近の活動が聞こえてこないのが残念。活躍を期待する。

  • ストーリーはあれとして映像と台詞が良い。若きジュリー・デルピーかわいー。

  • フランス映画がフランス映画を超えた作品だと思う。

  • 分けわかんないのに泣ける体験をする。
    初めてだ。
    論理(はあるんだろうけど)のない涙。
    最後に猛烈ダッシュするジュリエット・ビノッシュがいい。
    彼女がリーズを追いかけるのもいい。
    彼女の想いと、アレックスの思いと。
    どっちがどっちだか分からなくていい。

    最高のエンディングだ。

  • ジュリエット・ビノシュがすごく可愛い!!
    30代にはみえない!!ふたりともそれぞれ一途な思いがキレイだった。

    やっぱレオス・カラックス作品ていい。

    閉じ込められる感情とあふれでる感情と、2つが合わさって出ている気がする。

  • ジュリエット・ビノシュが本当に美しい。カメラワークといい照明といい、彼女を美しく撮るために見えないところで尽力しているようだ。

  • 大好きなレオス・カラックスの作品。とにかく映像と雰囲気が最高!一番好きな映画。

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