CURE キュア [DVD]

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監督 : 黒沢清 
出演 : 役所広司  萩原聖人  うじきつよし  中川安奈  洞口依子 
  • 角川書店 (2007年7月27日発売)
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988111283900

CURE キュア [DVD]の感想・レビュー・書評

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  • 間宮は催眠を施すにあたり、ひとりの人間のもつ属性をひとつひとつ引き剥がしてゆく。
    『おまえはだれだ?』と問いかけ続ける。
    人間は、他者からのまなざしによって作られた自己像を持つことで自己を自己として認識している。
    まずはそれぞれが社会の内で与えられ、演じる役割によって自己同一が保たれる。職業、住所、年齢、出身地、性別、名前。
    人間はことばでラベル付けされていることで自己の自己性を他者に示すことが出来る。
    『おまえはだれだ?』という問いかけによって間宮は、これらのことばの世界、ラカンのいう象徴界の領域をひとつひとつ抜き取ってゆく。
    『本当の自分』に辿り着くことは困難である。
    人間から付随する属性を取り除いてゆくと、タマネギの皮を剥いてゆくように最後には何も残らなくなってしまう。
    間宮は自分の名前や、経験したこと、それらすべての記憶が無い。
    それらを記憶しておこう、自分に繋ぎ止めておこうという執着もみられない。間宮は自己が空洞化した人間である。
    ただの狂人のようだが、崇高な、人間を超越した聖人のようにも見える。
    何者でもないものは、何者でもないが故に何者にもなれてしまう。

    間宮は自己が揺らぎ、社会的なラベルを抜き取られ、抑圧されている無意識の層に沈む人間の、抑圧された欲望を写し出す鏡のような媒体となり、深層に書き込まれている欲望を操作し書き換えてしまう。アンカーというある行為における発火装置のようなもの、そしてトリガーというアンカーを発動させる引き金となるものを設定しプログラムする。するとプログラムを書き込まれた人間はその後トリガーと出会うことにより、その書き込まれた内容の行為を、意識しないままに行ってしまう。
    ことばの世界に棲まない、深層に語りかけ、深層に引込もうとする間宮と対話するものは、自己の無根拠さ、脆弱さを露呈する。
    間宮にはそれらの行為を行うための目的が存在しないように描かれている。なぜそれをするのか分からない恐怖。社会は沈黙・虚無を好まない。ひとは意味の不在を恐怖する。

  • 十数年ぶりに観たけど、印象的だったシーンは鮮明に憶えていた。かなり忘れっぽいタチなのでびっくり。交番ででんでんが撃つシーン。ラストの意味ありげなファミレスのシーン、など。
    公開当時、「和製セブン」みたいな宣言文句だったと思うけど、いまみるとこっちの全然怖いな。(怖さの質が違うから単純に比べられないけど)

  • 天才心理学者 間宮は、
    人の不安につけ込んで無防備となった処にライターの火で催眠をかけ、
    人を殺させ(のどに“×”を斬りつけさせる)、不安を解消させた、癒してあげた、と
    のたまうトンデモナイ奴です。
    高部刑事は、精神病の妻の看病と、終わりのない刑事の仕事を抱え、毎日大変です。

    「この火を見て!」
    ― 高部刑事から職質中の間宮は いつもの手口で高部を催眠に掛けようとします。
    バシン!「ふざけるな!質問に答えなさい!」
    ― 仕事中の高部は火には見向きもせず、ライターかざす間宮を叱り飛ばします。
    「あんた、、、すごいよ。」― お約束に乗ってこない刑事に 型なしの天才心理学者。。。
    >コントか!!!ホラー映画なのに 突っ込んでしまいました。

    高部刑事は、結局この後、さんざ不満をぶちまけて 放心した処を
    まんまと間宮に催眠かけられてしまいます。
    他の被催眠者は犯行後、罪の意識に悩むのですが、
    高部刑事はむしろ解放感でいっぱい、といったご様子で、他者を“癒し”続けます。
    ま、恐らく間宮は この性質を見抜いたので、シンパシーを感じたという処なのでしょう。

    東欧だかインドだかの映画で観たような気がする、
    催眠をかけられた高部刑事が妻と二人で 雲の中のバスに揺られるシーン以降、
    物語はどんどん結末に向かいますが、筋が判り辛い展開でした。
    しかし、でんでんの狂気には いつもぞっとさせられますが、
    うじきつよしの演技には やはり馴染めません。

  • サスペンス<CURE<ホラー

    映画的手法を駆使して組み立てられたサスペンス。
    ホラーというには優しい。
    (ホラーなら私、観れません)

    猟奇殺人を追う刑事。
    怪しい、怪しい記憶喪失の男。
    事件解決を軸に話は進んでいきます。

    見せる部分、見せない部分。
    説明するところと、しないところ。
    時間軸を行ったり、来たり。
    現実と妄想

    色々と情報量を操作しながら
    対比するものを巧みに組上げていく展開が見事。
    クロスワードパズルのような楽しみ方が出来る。

    だから観終わっても、ちょっと考え込む。
    DVDを巻き戻して気になるところ見直すこと数度。
    それでもハッキリとしないところもある。
    そんな部分を色々と考えるのが楽しい。

    反芻が醍醐味の秀作です。

  • 黒沢清監督作品。
    原作は未読。

    首両脇の頸動脈を胸にかけて、
    バツ印に切り裂く、
    という不気味な殺人が続く。
    その捜査にあたるのが、
    役所広司演じる刑事・高部。
    手口は同じなのに、
    犯人、被害者ともに横の接点はない。
    連続猟奇殺人を追うにつれ、
    背景に一人の記憶障害の男の存在が、
    見え隠れしてくる。

    サイコ、邪教、カルト、メスマー…
    そんなキーワードが好きな人にはお勧め。
    個人的に黒沢監督の、殺伐とした、無機質で、病的な、
    建物の内部の演出が好きだ。
    雑居ビルや、病院、取り壊し寸前のビルなど、
    なんてことのないシーンでも、不安に襲われ、
    同時に、癒される感覚にもなるから
    不思議である。
    難解であることを覚悟するも、
    意外とわかりやすく鑑賞。
    黒沢作品に慣れていれば問題なさそうだ。

    この映画が「リング」より先に撮られているのが、
    驚きである。

  • 何度も何度も何度も見ているが、何度見ても凄い。
    これは邦画史に残る大傑作だと思う。
    今回はバスの最後部に乗ってこの映画のあの場面を思い出したので見てしまった。
    あの音楽がまた素晴らしかった。

  • 映像が不気味でイイ!

  • 2016年9月頃鑑賞。

    若い頃見たときはすごい映画だと思ったけど、今見ると訳がわからなかった。

  • 大杉漣=藤原本部長 萩原聖人はぎわらまさと=間宮邦彦 殺人伝道師 役所広司 cure癒し でんでん警察官 川崎のリサイクル鉄工所 沖縄でも北海道でも x 光るもの 千葉県の白浜海岸 千倉ちくら 記憶喪失 メスマー うじきつよし=佐久間 私からすると奥さんより貴方の方が病気に見える 青髭ブルービアード あまり深入りするなよ あんた誰だ 俺はあんたの話が聞きたいんだ クリーニング屋 ファミレス 空回りする洗濯機

  • 一歩間違えると陳腐になりそうなネタを語りすぎないことで上手くまとめている感じ。役所広司と萩原聖人の演技のおかげか。映画で語られていない部分は小説版で補完できるそうです。古びた部屋や建物等、背景の撮り方が不気味でいい。終始不安感が漂う。結末は全く想像できなかったわけではないけどなかなかゾクッとする展開。ラストシーンも上手いところでカットしてある。サイコパスを描いた映画として、リアリティがあるわけではないけれど描き方が面白い映画です。

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