ローズマリーの赤ちゃん [DVD]

監督 : ロマン・ポランスキー 
出演 : ミア・ファロー  ジョン・カサベテス  ルース・ゴードン  シドニー・ブラックマー 
  • Paramount Home Entertainment(Japan)Limited(CIC)(D)
3.65
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  • (3)
本棚登録 : 362
感想 : 72
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988113758307

感想・レビュー・書評

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  • ずっと気になっていたホラーの名作。
    これまで何度かチャレンジしたが、妊婦が病んで孤立していく様子が辛くて、途中でギブアップしてきた。今回やっと最後まで観た。

    ローズマリーのファッションが素晴らしい。
    様々なテイストのお洋服や部屋着を次々に着こなして、着せ替えのお人形みたい。
    そんな素敵で可愛いローズマリーが、妊娠を機にどんどん痩せ細り、目の下にはどす黒いクマができ、精神を追い詰められていく。
    彼女は妊娠によって神経過敏になっているだけなのか。それとも本当に重大な陰謀に巻き込まれているのか。

    若い頃に観ていれば、この作品の特異さ、面白さをもっと味わえたのかもしれない。
    でもダメだ。今観て感じるのは怒りばかり。
    ローズマリーを都合の良い人形のように利用したあのクズ旦那共が地獄の底の底まで落ちて苦しむのを見届けてやりたい気分。
    映画の中の登場人物をここまで嫌いになったこと、今まであったかな?

    でも、もっと嫌なのは「全てローズマリーの妄想だったら?」というわずかな疑念が最後まで残るところ。

  • 「戦場のピアニスト」でも有名なロマン・ポランスキー監督作品。ローズマリーというと「笑って!ローズマリーちゃん」というアメリカの脳天気ソングを連想させますが、まったく関係ないみたいです。

    ちょいと前に観た「悪魔のワルツ」と非常に近い線です。狂気的な悪魔儀式と、その存在をただ一人知ってしまう主人公。そして、それが妄想なのか現実のものなのかがはっきりしない点でも同じです。

    ただ、「悪魔のワルツ」とは美術関連の質がまったく違っていて、ロケ地はニューヨークですが、ヨーロッパを意識したであろう60年代特有のセンスが盛り込まれた家具や服飾となっています。テーマ曲にしてもハープシコードを使ったり、歌もスキャットだったりします。

    1度観ただけでは、ドラマ的に展開される箇所での伏線をうかがい知ることができないので、複数回観ていくと色々気付かされるかもしれません。観ているだけでもフランス映画風の映像を楽しめますが、直接は示されない、カトリックが悪魔から受ける恥辱的な行為の数々は結構スキャンダラスかもしれません。

    主人公が妊娠したあたりから途端に傷つきやすくなり、他人の意見に流されて妄信と言われても仕方ないような口ぶりや素振りを連発してしまうのですが、この主人公の主眼から一度足りとも離れない作品なので、本当にどこまでが敵なのかわからなくなり、人がときに抱く「不信」の感覚を見せつけらてるように感じます。

    グロテスクな描写はほとんど登場しません。安心してモッドなパーティー会場でビデオセット。

  • 監督?インタビューでこれが現実か妄想かわからないエンドなのがミソみたいなこと言ってたけど、妊婦が主治医に不審抱いた時点で病院変えさせない夫のモラハラやばすぎ…隣の世話焼きババアから毎日健康ドリンク?飲まされるのとかもありえない…という視点は時代が違うからナンセンスなのかしら。近くに頼れる信頼すべき人がいない妊婦の恐怖、何とか別の医者に訴えかけてもただの妄想としか受け止められないというのは現代でもあるホラーだろう。
    我が子を刺せないローズマリー…そして悪魔の手先となる闇堕ちエンド。なかなか衝撃的でした。続編あったら唾はきかけたガイ(夫)だけは滅しといてね‬(..◜ᴗ◝..)

  • 「悪魔」に「恐怖」に徐々に浸食されていく様がヘタに残虐シーンを見せる凡百な作品よりも怖さを実感した。まあ、一番の「悪魔」はこの映画を作ったロマン・ポランスキーなんだけどさ。

  • 悪魔のことはよくわからないけど、林家ペーパー夫妻みたいな隣の老夫婦が怖い。

  • グロテスクなシーンはないけど、見ているうちにだんだん私もローズマリーの目線になっていって怖かった。妊娠してないのに自分まで子宮がズキズキと痛みそうな、「もし自分だったら…」と思うと居ても立ってもいられない、緊張感のある恐さ。
    グロテスクな映画じゃないだけに妙にリアリティがあって、こういうホラー映画もあるのか…と思った。むしろ血がいっぱい出てくる作品よりずっと怖い。見た後に人間不信になっちゃいそう。

  • どこからがほんとうで、どこからが妄想なのかわからない気持ち悪い恐ろしさ。冒頭からかなり伏線は敷かれているので、あとでもう一度観直してもおもしろそう。美術や衣装はまさに60年代という感じ。オープニングクレジットが良い。

  • 繊細な恐怖を与える作品だなぁ。
    とくに女の人には尚更なんじゃないかな。妊婦には見せちゃいけない映画かもしれない。
    最後までじわじわと魅入ってしまった。そして変な汗かきっぱなし!
    とくにローズマリーを演じるミア・ファロー。彼女が最高によかった!彼女の魅力による本作の貢献は大きいと思う。普通に彼女のファッションや、暮らすアパートの部屋のインテリアなどを観ているだけでもお洒落で満足できる。
    ローズマリーが隣の奥さんからもらうお守りのデザイン素敵ですよね。
    「ローズマリー」や本作の鍵をにぎる「タニス」の薬草とかそのワードにも本作の静寂した美しくも冷ややかな空気感をもたらしてくれる。

    それにしてもオカルト集団怖!!!!!
    ホラー映画は普段あんまり好きではないのだけども本作はすごく好きです。
    母性ってすごいなぁって思った。
    悪魔に呪われた赤ちゃんでも腹を痛めて生んだ我が子は我が子。
    最後の複雑ながらも母の顔をただよわせる表情が物語ってましたね。

    テーマ曲もまた一層そのじわじわな恐怖感を高めてくる。素晴らしい!

    というかこの映画のロケはダコタハウスで行われたのか・・・!!何気に驚きました。
    ミア・ファロー、彼女が主演する映画という点も含めて地味にビートルズ的なネタが満載なんですね。笑
    ダコタハウスって本当に悪魔いるんじゃないの?っていう。

    ちなみに一緒に観ていた妹や母には評判がよろしくなかった。
    好き嫌い出るのかなぁ。妊娠とか悪魔とか生理的な問題かもしれないけど。
    ローズマリーの赤ちゃんが気になるような見たくなかったような。笑

    私はすごく大好きです。本作。

  • すごいゾクゾクさせる映画。
    何か怖いものそのものを映すわけではない。
    視点はローズマリーの視点。


    現実的レベルにとどまるのか、超現実の介入があるのか、が最後まで明かされない極めて幻想的な作品。


    見てて感づくとかそういう問題じゃない。
    その物語の恐怖感/不条理さを感じることが大事。


    狂気な人は狂っているように見えて、狂ってなかった。
    狂ってない方が、変(狂気)だった。
    すごい面白い。


    もう、役者さん、得にローズマリーがすごい。
    あの人の表情・演技でその場の不安感や恐怖感がビンビン伝わってくるかのよう。

    家具や色合い、どこか悲哀を帯びた子守唄のような音楽まで、完全なホラーでに持って行くわけじゃなく、あくまでも現実と超現実の間をゆらゆらさせて、次に何が起こるかわからなくさせるあの感じが凄いと思った。
    ロマンポランスキーって、やっぱ凄過ぎる。


    恐怖とは、人間の想像の産物が生み出した悪魔とか、ゾンビとかが恐怖なのではなく、人間のなかにある邪が恐ろしいということ。

    何を考え、どんな野心や邪心を持っているのか、人間の内面が見えないということが恐ろしいということ。
    そしてローズマリーがようやく安らぎを見せるのは、悪魔の血を受け継いだ我が子をあやした時。
    優しさと、そして言いようのない切なさの無慈悲なラスト。

    静かに流れるテーマ曲が、母親になる喜びに溢れていて、愛する夫と生れてくる赤ちゃんと幸福になるつもりだった、そんな遠い昔の夢を見つめるような、悲しくも優しく流れる。


    ホントに忘れないと思う。
    ラストのローズマリーがゆりかごを覗き込んだ時のあの表情の複雑なこと。
    自分がカトリックで、神の加護にある自分が生んだ悪魔の子、、でも、我が子は我が子。
    あのショットで、この映画が100点の映画になった気がした。


    ちなみに、、、
    原作は『ローズマリーの赤ちゃん』のアイラ・レヴィン。

    レヴィンはTIME誌かLIFE誌を読んでいて、妊娠中に鎮痛薬サリドマイドを飲んだ母親から障害児が生まれているという記事を見て『ローズマリーの赤ちゃん』を書いたらしい。

    そして、
    ローズマリーの赤ちゃん」の撮影終了の後、1969年、ポランスキーの妻であるシャロン・テートが惨殺されるという事件が彼を襲う。

    それと、
    この物語の舞台となるアマート「ダコダ・ハウス」は、ジョンレノンとオノヨーコが住んでたことでも有名らしい。

  • 正気の沙汰じゃない。

    ファッションを見るだけでも楽しい。

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