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- / ISBN・EAN: 4934569631060
感想・レビュー・書評
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河瀬監督の映画を見たときに、誰かに似ているテイストだなあと思ったが思い出せなかった。そのあと、河瀬監督と是枝監督の対談を読んでわかった。佐々木昭一郎だ。河瀬監督は彼の作品が好きとあった。「ユートピアノ」のあの空気感だ。「えいこー!」って叫びそうになった(笑)わからんか。。。昔のNHKは本当にれべるたかかったよなあ、受信料払ってもいい気になるぐらい。今は民放以下で、まるでならんが。。。
「ラジヲの時間」が3位で、本作が10位?キネ旬、どうかしてる(笑)多分、奈良に住んだことない人には、この映画の凄まじさがわからないかも。しずかにフェイドインして、重なっている音達が天の声の様に神々しくすらある。ラストシーンの長回しと音の美しさはとくに。素晴らしいから涙が出るなんて体験、ほんと何十年ぶりか。涙が止まらなかった。
音楽使うならこう使わないとっていう見事な入れ方。
尾野真千子がかわいい。五新線の工事中止を背景にしているから80年代初頭が舞台と思う。携帯も登場しない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
どこかで目にして、タイトルに惹かれて観てみた1本。過疎化していく小さな村の風景を残した作品で、はっきりしないキャラクターとセリフを見ながら状況を読み解いていくような感じは日本の映画っぽいなと思いました。ただ、あまり監督がなぜこの作品を撮りたかったのかとか、そういう現状があることを認識できた山村の人たちになにかヒントがあるかとか、そういう視点で見ようとするとあまり得るものがない映画にも感じました。何年も印象に残るようなインパクトはなかったなと。それと、タイトルの意味が結局作品中ではわからなかった1本でした。
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この週末、MoMAで開始された河瀬直美作品一挙公開の映画祭、トップバッター作品として登場。
直近で「あん」(2015) の鑑賞を通して感銘を受け、原作本にまで手を伸ばしていながら、ある意味での我慢をしていたらこの機会が巡ってきた。なんたる幸運、しかも上映前にご本人登場である。
リリー・フランキーをして「鉢植えに育つ植物の芽を観察する映画を観せられた感じ」と言わしめた作品であったのだが、今のこの歳になった、この境遇にある自分にとっては十分心地よい作品であった。中でも自然の描写とそれを取り巻く音の録り込み方が印象に残り、忘れかけていた蝉の声なんかを生き生きとよみがえらせてくれた功績が大。こんな作品を20代の時に撮っていたのだから将来を嘱望されたのも納得がゆく。
かつてバイクを手にしたばかりの頃に畿内の古い道をあちこち走ったが、その中に埋もれつつあった五新線を追いかけた頃の記憶を手繰り寄せながら鑑賞することができたのも嬉しかった。
翌日もたれた監督を交えたセッションにて語ってくれたのだが、順撮りにこだわったがゆえに村民そのままのキャストがうまく生かされたのだそう。橋を行ったり来たりするシーンが何度も描かれており、それを大林監督のいう「映画は虚構です」という言葉を思い出しながらきっとまとめてとったものと想像しながら観ていたが、撮影現場は全くその逆だったということで…。これはこれで自分がうまい具合にだまされたことになってしまった。やはり映画は虚構であり、河瀬監督の言葉を借りれば「主観と客観の入り混じること、それが創造である」ということになる。
来月、奈良にも行こうかね。 -
山奥の家族のドキュメントのよう。
セリフ少なくとても聞こえづらく事情がわからない。
時々早送り。 -
先輩に勧められて視聴。
うん、やはり好き。いい。
だし、尾野真千子さんが、河瀬直美さんがロケハンしに行った時に地元の中学生で、見かけて主演に抜擢した、にも関わらず素人感を全く感じさせない演技だったのにも驚き。
それぞれの立場で、それぞれの想いがあって、淡々と日常が過ぎて行って、そこに感情の波は大きく起こらず(いや、起こっているのだろうけれど、そこにピックアップされていないように感じた)、なんとも現実的な映画だった。
日常は、こういうものだなと。しかし、ドラマだなと。
それぞれのコミュニティの中でいろいろな問題が起きて、喜怒哀楽を生きて、生死を繰り返していく。今の自分の目の前にあることに向き合いながら。
そしてそうか、「あん」の監督は河瀬直美さんだったんですね。 -
河瀬直美監督。柴田浩太郎、尾野真千子。
コメントのみ
よかった映画「あん」の監督、河瀬直美の初期作品。
•複雑な家族関係を当たり前のように前提にされても、見る人が付いてこれるはずがない。
•キーマン役の柴田浩太郎、滑舌が悪くて大事なセリフが聞き取れない。
物を書く仕事をしている立場でいうと、
書きたいことをそのまま書くのはプロと言えない。
人にものを伝える生業で「伝達の経済性」が視野にない作品はスジが悪い。 -
(1997年作品)
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2016/04/30
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1997年 日本
監督:河瀬直美
出演:尾野真千子/國村隼
過疎化がすすむ奈良の山村のある家族。両親と娘、その従兄、祖母。娘は従兄を慕っていたけれど、当の従兄は彼女の母親のほうを密かに慕っていた。やがて父の自殺で家族は離れ離れに。
とにかく奈良の自然が美しい。これが映画デビューだった当時まだ十代の尾野真千子の演技もナチュラルで良い。あえて作りこまずドキュメンタリーのように仕上げてくる河瀬直美の作風は独特。まあちょっと眠くはなるけど(苦笑)
(1998/7/5)銀座並木座 -
主人公家族の女の子が2才くらいの時と15年後17才の時のひと夏、2場面で構成されています。念願の鉄道が通らず、過疎化が深刻な集落ですが、集落や山並みを美しく捉える描写は淡々としています。桜の春でなく、紅葉の秋でもない、夏だけで日本美を見せるのは実力ですね。それにしても、会話が少ない!田舎の人は、こんなに口数が少ないのですか?