ルワンダの涙 [DVD]

監督 : マイケル・ケイトン=ジョーンズ 
出演 : ジョン・ハート  ヒュー・ダンシー  クレア=ホープ・アシティ 
  • エイベックス・ピクチャーズ
4.00
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本棚登録 : 289
感想 : 58
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988064264414

感想・レビュー・書評

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  • この悲劇が起こったのはまだまだ最近のこと。
    2500人の命。
    クリストファー神父に対する質問がとても印象的だった。
    神様は悪い人たちでも愛するのか。
    神様はきっとただ、全ての命を愛しているのではないだろうか。
    その人が善人になるか、悪人になるかは神様の意志ではなく、個人の選択によるもの。
    神様の愛を感じられない人が悪い人になってしまうのではないかと思った。最初から悪人なんて、きっといないから。
    アフリカで起こった恐ろしい歴史を舞台にした、神様について考える作品だと思った。「ホロコースト―アドルフヒトラーの洗礼―」を思い出す。

  • ホテルルワンダとは違う切り口で
    ルワンダの内戦を国連、白人の視点で見たもの。

    ホテルルワンダは泣けた。
    けど、これは泣けなかった。
    あまりにもリアルで。

    白人の青年が国に逃げ帰ったときの言葉
    「死ぬのが怖かった」
    BBCの白人女性記者の言葉
    「涙が出ない。彼らは私にとってただ死んでいるアフリカ人なの」

    きっと自分でも知りたくなかった自分
    人間の一番リアルな部分

    ただただ辛かった。けど、これが真実で、多くの人に見てほしい作品。

  • 「ホテル・ルワンダ」同様、1994年のルワンダ大虐殺時の実話を基に映画化された作品。

    1994年4月、フツ族によるツチ族の大虐殺が始まり、映画の主人公のクリストファー神父と教師のジョーが働いていた公立技術学校がツチ族の避難所となった。
    その避難所で「モニタリング(監視)」活動をしていた国連多国籍軍が撤退し、残されたツチ族住民2,500人が無抵抗のまま虐殺された、本当の話。

    今回の映画では、多数派フツ族が殺害者、少数派ツチ族が被害者だけど、歴史的には両族による悲しい殺戮の連鎖。
    悪いのは、フツ族でも、ツチ族でもない。
    第一次世界大戦後からルワンダを支配していたベルギー人が、自分たちの都合だけで、最初にツチ族に権威を与えたことが始まりと言っても過言じゃない。

    1994年の4月9日、ルワンダは大虐殺の真っ只中にあった。
    100日間で100万人のルワンダ人が亡くなった、と言われている。
    そのとき私はその事実すら知らずに平穏に12歳の誕生日を迎えていた。
    知らない、ましては無関心ということは、本当に「罪」だとおもう。

    今回の映画のルワンダ大虐殺時の撤退に限らず、旧ユーゴ・コソボ紛争時の空爆行為、ソマリアの内戦での撤退など、国連は過った行為を行い、結果的に多くの犠牲者を出してきた。
    そして、それらの事実を世界のほとんどの人が知らずにいる。
    「どれだけ多くの人の命を救うことができたのだろうか」と思う。

    今も世界のあちこちで戦争が続いているが、人の命に重さの違いはない。国籍、人種なんて全く関係ない。誰でも、誰かにとって大切な人。
    なんで世界から戦争がなくならないのか。
    戦争から利権を得ている非人道的な企業・組織の撲滅は、絶対にあきらめていけない。

  • 状況がわかっているのに何もできない無常観というものをこの映画を見て感じた。この世は残酷だ、でもどうしようもできない。

  • 2005年イギリス、ドイツ
    ジョン・ハート、ルイス・マホニー、ニコラ・ウォーカー



    「ホテルルワンダ」とよく比較される映画ですが、私個人的にはこちらの方がいいです。あってはならないことは、とことん悲劇的に描く方がいい
    です。

    原題はShooting Dogs 作中の国連ベルギー軍の兵士と神父のやりとりに表れているものと言われています。
    国連軍は銃を持っているものの自分たちが襲われた時しか発砲できない(日本の自衛官と同じです)
    国連安保理の決議が必要なのです。目の前で大量虐殺が行われているのに指をくわえてみていることしかできない。
    でも、、目の前に転がっている死体に群がる犬は撃ってもいいだろうか、、、ってところから来てるようですが。

    内容はとにかく衝撃的、あらゆる場面で衝撃を受けます。
    最後に撤退を決めたベルギー軍にツチ族の人たちが「せめて自分たちを殺してくれ」って迫るシーンがあります。ナタで殺されるよりましだ
    と、、、悲しいですね。
    こんなこと本当にあってはいけないんですけど、、もとはと言えば勝手に白人が鼻の形とかでフツ族、ツチ族って決めたんですよね。
    そうしておいて、独立した後はしらんぷり、この大量殺戮の時も国連は結局ルワンダを見捨てたんですよね。

  • 悲しくて悲しくて涙でてきました。

  • ルワンダ共和国で1994年に起こったフツ族によるツチ族の大量虐殺を描く。

    観てるこちらとしてはフツ族による30年にも渡るツチ族に対する弾圧の要因・背景が分からないから、容赦ないフツ族に対し逃げるだけのツチ族という構図に感情移入できず。只々凄惨な出来事の傍観者となるしかった。

    そしてこの映画は、ツチ族が避難する舞台となった学校に係わる数人の白人(牧師・教師・BBCテレビのクルー・駐屯する国連軍の兵士)目線で進行する。彼らはこの異常な事態を何とかしようと奔走するが、結果的には無念という感情しか残らなかったのではなかろうか。

    ただ一人、神父のクリストファーを除いて…

    憎しみや、怒り、悲しみは世代を重ねることで和らいでいくものだと思うが、これはたった20年前の話で、今現在生活しているほとんどの人達が当事者達であったはずで、今のルワンダ共和国がどうなっているのか非常に気になる。

    この惨劇を逃げ延びた当事者数人が今作の制作スタッフとして参加していて、エンドロールで流れる彼らの笑顔が、この映画でショックを受けた自分の心を慰めた。

    4.2点

  • ルワンダ・ジェノサイドの最中のキガリにある公立技術学校が舞台。

    ルワンダで働いていたBBCのプロデューサーの体験に基づいています。

    海外青年協力隊として働くジョー・コナーと英語教師として働く

    クリストファー神父が主人公です。

    序盤は対立は知りつつも、ルワンダでの学校の日常を描いています。

    でも、大統領機墜落を皮切りに始まった大量虐殺。

    学校に逃げ込んだ人、周りで加速度的に進む虐殺、煽動的なラジオ…

    無くなっていく食糧、その中でも生まれ来る命。

    国連軍が監視しながらも、敷地を1歩でも出れば鉈で殺される。

    象徴的なのは国連軍は介入しない事になっているのに、死体を喰いに来る

    野犬に銃を発砲する所かな。正常なんて何処にも無いんだ。

    空港から迎えに来たトラックに乗れるのは西洋人だけ。

    神とは何か?祈るとは何か?神父の揺らぎと決意が強くなる。

    本で読んだので、分かってはいたけれど国連軍にルワンダ人が

    「銃で殺してくれ。子供だけで殺してくれ。」とお願いする。

    鉈で苦しんで殺されるより、銃なら苦しみが短く済むから…。

    こんな言葉、どんな想いで、どんな状況だったら出てくるの?

    平和ボケした日本で育った私には、想像しても届かない。

    この映画の凄い所は、実際にあった場所で撮影をしている。

    撮影スタッフの中に被害者が沢山参加している。

    エンドロールでそれを見ながら、苦しくなった。

    ただ、残念なのが邦題のルワンダの涙である事。

    原題はShooting Dogs。野良犬を撃つ国連軍の異常さを表しているのに。

    オブラートで10枚位包んだ題になっている。こういうの、嫌いだ。

  • ホテル・ルワンダ→ノーマルエンド
    ルワンダの涙→バッドエンド

  • ルワンダで実際にあった大虐殺の話。100日間で100万人が殺された。ツチ族とフツ族の争い。キリスト学校に海外協力隊として赴任していた英語教師イギリス人の目から見ていたい何を選ぶべきなのかいったい自分が何ができるのかそういうことを問い掛ける作品。目の前で人が殺される それに対して政府は何もしない。そして自分も何もできない、と言う無力感。真っ向から国連部隊が去った後、その学校に避難していた1,000数百人虐殺された。日常から非日常つまり混乱と興奮と暴力と。自分がこの事実を歴史的事実は知らなかったことも恥ずかしかったし、世の中にはもっと知らなければいけないことがたくさんあると思った。

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