ソナチネ [DVD]

  • 616人登録
  • 3.87評価
    • (93)
    • (123)
    • (78)
    • (20)
    • (5)
  • 79レビュー
監督 : 北野武 
出演 : ビートたけし  国舞亜矢  渡辺哲  勝村政信  寺島進 
  • バンダイビジュアル (2007年10月26日発売)
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4934569630858

ソナチネ [DVD]の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 映画監督北野武の一つの到達点かな。

    すごいよなー抗争の最中に隠れ家暮らしぶっ込んじゃうんだもん。

    序盤、淡々と描かれるヤクザとしての日常。シマにある雀荘の店主を無慈悲に、というか無関心に殺してしまう。もはや村川にとって、死は大した問題ではないかのようだ。

    突如切り出される沖縄行きや沖縄で裏切りを知った時も、子分や組の心配はするも決して自分の死への恐れを見せない。それは、ヤクザである以上、常に死と触れ合ってきたからであるし、村川の覚悟のようなものゆえだろう。

    しかし、どうだ。
    抗争(というか追っ手?)から逃れて隠れ家で生活するも、なんにもやることがなく、暇を持て余したヤクザたちは戯れに時を過ごす。その時、子分とロシアンルーレットで遊んだ村川は、晩に自分で頭を打ち抜く夢を見る。今まで簡単に人を殺してきた人間が、久々に感じた死への恐れだったのではないか。

    そして同時に、それは生への関心を呼び覚ますことでもあった。その後、村川は、誰よりも「遊び」を楽しみ始める。自分に関心を寄せる女も出来る。しかし、それが繰り広げられるのは、いつ終焉が来てもおかしくない隠れ家での安息の時間。それは他でもない人生そのものに通じる気もする。

    結局、村川は裏切った相手に復讐を行い、生き延びるも彼を待つ人たちの思いとは裏腹に自ら死を選ぶ。

    やくざ映画でこんな展開の映画作ろうなんてあんまり考えないでしょう、普通。しかも、映画の大部分は隠れ家での逃亡生活だし。

    それに有名な村川の台詞がいい。
    「やくざ辞めたくなったなー」や「あんまり死ぬの怖がるとな、死にたくなっちゃうんだよ」とか。
    これは、いろいろな解釈ができると思うけど、私は上に書いたような村川の変化があったと思う。

    他にも赤と青だとかロケ地としての沖縄だとかエレベーターでの銃撃だとかいろいろ言及したいものはあるけど、この辺で。

    一見無意味なシーンが多いけど、無駄がないと思える脚本や、映画としてはっきり確立されたものを感じる映像の素晴らしさだけでも再鑑賞したいと思える傑作。

  • 北野武の端整なブルーが特徴的な映像と久石譲の緊張感ある音楽によって引き締まった冒頭から始まる。はっきり言って、これ以上の作品を武はもう作れないだろうと思う。それほどにすばらしい。脈絡の薄い死を登場人物たちは迎えるが、生き残った者もその死に対する感情のぶれが薄い。キタノ映画らしい死の描き方だ。最後のシーンとその後の沈黙のエンドロールは圧巻。この映画が北野武の幼稚さの産物だという人もたまにいるが、その人はちゃんとソナチネを全部見てからそう思ったのだろうか。
    ビーチで寺島進と勝村政信が相撲をとるシーン。あれが好きでたまらない。初め見たときは、死を約束されたであろうヤクザたちが無邪気に遊ぶ姿に対して染み入るものを感じたのだと思っていたのだが、どうやら違う。何度そのシーンだけ見ても目頭が熱くなる。つまり、映像がただ単に美しいのだ。久石氏の沖縄調の音楽と交わって流れる美しい映像に、ただただやられてしまった。

  • きっとこの監督は「見せる」ことを本当に知り尽くしているんじゃないかな。最初の抽象的なイラスト?写真?赤と青のコントラスト鮮やかな映像に、まずはっとする。そこに不安定な不安を掻き立てる音楽が重ねられてぞくぞく。…いやいや、こんなのはまあ、思いつきで誰でも出来るさなんてムリヤリ自分を落ち着かせながら見ると、ヤクザの事務所のシーン。映し方、喋り方だけで、もう、主人公の持つ静かな狂気、哀しさがひしひし伝わってくる。
    自分のこめかみを撃つシーンをこの男は夢に見るんだけど、そのシーンでなんとなくベルイマンの野いちごを思い出してしまった。

    物凄く計算に計算を重ねた編集だろう、そうに違いない…だってこんなに巧妙に見せるんだもの…全編貫く音楽の不安定、色彩の鮮やか…

    と思ったら、北野武の著書なんかを見ると、本人は「感覚とアドリブで撮ってる、計算はほとんどない」という。つまり、感覚的に知ってるんだろう。どう見せたら本当に「怖い」と思わせられるか、どう見せたら、ぞくりとさせられるか…。静と動のコントラスト、色彩のコントラスト…

    北野監督の著書を見てもあまり、「哲学者のように思索する人」ではないようなのに、その投げ出した映像は、もう人の想像力を駆り立てて、物凄く内省的な気分にさせるんです。投げ出した映像でどれだけ観客にイメージを掻き立てさせ考えさせられるのか…という映画の価値もあるはずだし、良い作品は作者の用意したものを飛び越えて一人歩きするものだ…なんていうけどまさしくそんな映画。
    でもそれにしても、この上手さほ本当にただ事じゃないよ…と本当にびっくりさせられました

  • あっさり簡単に人が死んだと思ったらいい年こいたヤクザが小学生みたいに遊びだす。死んだり殺したりしながら遊ぶ。そしてとりあえず仇も取ったし楽しかったしもういいんじゃね?という感じで死ぬ。
    わかるようなわからないような。ぼんやりと見た、ゴダールの気狂いピエロを思い出す映画だった。

  • ななな、なんじゃこら。というのが、正直な感想ではあります。意味わからん。おもろいのかおもろくないのか、それすら、意味わからん。でも、なんだか、とんでもねえものが、存在する。そんな映画。これ、おもしろいの?いや、おもしろくねえよなあ?意味わかんねえよなあ?でも、とんでもねえ。問答無用に恐ろしい。そんな映画。怖い。怖いっす。凄いよなあ~北野武さん。凄いなあ。

    一応、ストーリーを説明しようとしますと。

    「沖縄でさ~、俺たちと仲良い組が、別の組と、喧嘩しちゃってるんだよ。ちょっと、仲介?っていうか、そんなオオゴトでもないし。形でいいから、助けに行ってあげてよ。頼むよ」って、組長から頼まれたヤクザの一員、北野武。
    沖縄に行ったら、結構ヤバい雰囲気で、仲間狙われるし、ドンドン死んでくし、参った。でも日常は長閑だね。だって、沖縄だもん。
    でも、なんだか東京の組長、裏で画策してたみたいだし、俺、捨て駒みたいだし、まあ、どうでもいいんだけど、腹立つし、組長ちょうど、沖縄に裏工作に来るみたいだし、殺しちゃおうか。まあ。
    で、とりあえず、生きてるのも疲れたし、死ぬか。俺も。アタマ撃っちゃうか。ズドン。

    っていう感じの映画でしょうか。このストーリーの、意味的なもの、内容的なもの、そういったものは、これっぽっちも重要ではなく、ただただ、北野監督の撮る、美しすぎる映像。北野監督の描き出す、なんだこれ辛すぎるぜ切なすぎるぜ、っていう、感情。それをもうね、ひたすらひたすら、堪能しまくる映画。そんな映画?なのだと思います。

    「3-4X10月」と同じく、フラッシュバックならぬ、フラッシュフューチャーが登場しますね。ほんの少し、ですが。あの感覚、センス、ヤバいですよね。ぶっ飛んでますよねえ。あの感じを映像化できるって、とんでもねえなあ、とかね、思うのです。

    あとは、まあ、とにかく、観て欲しい。全然おもんないかもしれませんが、なんちゅうか、すげえから。
    こんな映画が、商業作品として存在している、っていう事実が、もうね、凄いですよね。
    興業的には大失敗らしいのですが、いやでも、しゃあないでしょう?これがバカ売れしたら、それこそ、この世の終わりだよ、って気がしないでもない。でも、最高の映画だと思うのです。

  • 純粋で 優しくて 子供じみた馬鹿馬鹿しさには可愛げがあって。それでいて常にどこか哀しみを帯びている 北野監督の人間性をそのまま映像化したような作品だと感じた。彼と 彼の映画のそういうところが いつまでも人々を惹きつけているのだろう。結末はわりと序盤で想像出来てしまったけれど、 "HANA-BI" のあの救いようのない絶望感とは違う、静かな切なさを感じながらエンドロールを眺めていた。

  • 海辺でロシアンルーレットするときのたけしが印象的だった。

  • 突然襲い来る暴力、「過剰に」平和な日常との対比。クセになりそうなヒリヒリ感がある映画だった。
    キタノブルーも存分に堪能できた。

  • ひどい疲れと厭世感。
    暴力、権力争いの先の虚無を描いた力作。

  • 派手な銃撃戦を期待した分少し拍子抜け。
    先にアウトレイジ見てたぶん余計残念に見えた。
    こちらの方がやくざの滅びの美学といった精神面をうまく描写していて作品としての評価は高いかもしれないが個人的にはエンタメ性の高い作品の方がおもしろく感じた。

全79件中 1 - 10件を表示

外部サイトの商品情報・レビュー

ソナチネ [DVD]を本棚に「いま見ている」で登録しているひと

ソナチネ [DVD]を本棚に「観終わった」で登録しているひと

ツイートする