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- / ISBN・EAN: 4988126205393
感想・レビュー・書評
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あやかしの海に迷う船を舞台とし 海坊主など海のあやかしどもが現れるエピソード 三話構成
快晴の空の下。江戸に向かう大型商船「そらりす丸」その船上には、自称「呪術師」の柳幻殃斉を始め、一癖も二癖もある人々が集まっていた。順調な航海を続けるそらり丸であったが、ある夜、突然規定の航路を外れて居場所を見失ってしまう。何者かの手により羅針盤が狂わされていたのだ。幻殃斉はそこが「アヤカシの海」であると告げる。幻殃斉の言葉を裏付けるように次々に怪異な出来事がそえらり丸を襲う。ついにはそらり丸の数倍はあろうことかという巨大な戦船が現れ、人の首の姿をしたアヤカシの群れが乗客たちに襲いかかった。居合わせた薬売りの男の機転によりアヤカシは、端は退けられるが、船は依然あやかしの海を抜け出すことが出来ない。薬売りは、この騒動の原因となったモノノ怪を斬る為に、船の乗客たちの真を探るのであった。
モノノ怪を斬ることができる退魔の剣を携えて諸国を巡る薬売りの男がいる。彼が呼ぶのか 剣が呼ぶのか 薬売りの前には次々と妖異が現れる。モノノ怪を成すのは人の因果と縁(えにし)人の情念や怨念があやかしに取りついたとき モノノ怪となる。薬売りはモノノ怪の形と真と理を明らかにし退魔の剣でモノノ怪を斬っていく………
「モノノ怪の形を為すのは 人の因果と縁 よって皆々様の ″真“”と″理“ お聞かせ願いたく候」
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源慧と妹のお庸は、この海の近くの島で生まれて幼い頃に両親を亡くし寄り添うように暮らしていました。そして、仏門に入ったのは島の人達が決めたから幼い子供二人で生きて行くには島の人達の世話にならざるを得なかったのではないだろうか………
源慧とお庸は深く愛し合っていた
お庸への道ならぬ想いを断ち切る為に 迷いを抱えつつも 修行に励んでいた
島の人々の想いを察し 自ら生け贄になることを申し出た
この三つは大嘘 お庸が他の男と結ばれることを恐れ、そのときに自分が抱くではあろう嫉妬と絶望を恐れたと自分の愚かさを認めてみせると虚ろ舟に入る段になると恐怖が先に立ち自分には人柱になることなど無理だと悟ったと一応自分の弱さは認めてみせる。自分の身代わりとなって虚ろ舟に乗ると言いだしたお庸を涙ながらに見送るだけで一緒に虚ろ舟に乗る勇気もなくお庸の後を追って自害することも出来ず………と またまた。自分の弱さを認めてみせる。
それでは薬売りさんに睨みつけられて要約引きずり出されてきた本音。島の人達に言われて否応無しに仏門に入りましたが、それでも修行を続けたのは坊主になって出世すれば楽な暮らしが出来るから。欲まみれの俗っぽい発想で高い志などこれっぽっちもなかったのです。そして人柱になって欲しいと頼まれ仕方なく島に戻って来たものの死にたくないに決まっている………そうしたらなんと都合の良いことに妹が身代わりになると言い出したものだから内心小躍りして喜んでいました。ところが、妹はそんな兄を心から慕っていたのだと言います。そのとき自分は愛される喜びを知りました。そして、自分の心がいかに醜いかを思い知ってしまいました。それ以降………お庸が自分を恨んでいるのではないか?純粋に自分を慕ってくれていた妹の気持ちに気付かなかったばかりか、あろう事かその気持ちを利用して自分だけが生き残ってしまった………お庸を恐れてそんな自分の醜い心を恐れ続けた源慧、恐れが恐れを呼び、肥大してしまった源慧自身の心の闇。やがてその闇は源慧を離れて海を漂いモノノ怪となった。モノノ怪の″真“は心の奥底にある自分の醜さを隠す為に、本人も気付かぬうちに切り離してしまっていた。源慧の分身だった。そして″理”は退魔の剣でモノノ怪を斬るということは源慧の心を斬るということ。分かれてしまった心を一つにして彼が目を背けてしまった本心を心に戻すということ 「それでも良いか」と問う薬売り「斬って下され………」自分の醜さから目を背けることなく受け入れます。そして、切り離していた「自分の醜い心」と共に忘れてしまっていた「愛される喜び」を取り戻します。それが、モノノ怪の″理“となったのです。
折れた刀に向かって「ありがとう」と呟き、涙を流す辻斬りの侍・佐々木兵衛 飛び散った刀の破片………右目を押さえて笑う兵衛………なんなんだ、その邪悪な笑いはっ!源慧の穏やかな微笑みとは対極のものでした。まさか自分の心の醜さに気付き切り離しちゃったんじゃないのだろうか?まさか まさか その所為で新たなモノノ怪を生んでしまったのではないだろうか?詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
シリーズ中、『目にも綾』という観点で、一番人に勧めやすい気がする。
悔恨の錨を上げて、美しい海へ漕ぎ出すお話。
漕ぎ出せない奴はたぶん、薬売りさんには助けてもらえんのだろうというお話。 -
特に綺麗だった。
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「座敷童子」 前編・後編
「海坊主」 序の幕・ニの幕・大詰め
「のっぺらぼう」 前編・後編
「鵺」 前編・後編
「化猫」 序の幕・ニの幕・大詰め -
船の壁画が素敵。それと金魚がデカい、丸い、可愛い!
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「海坊主」と聞いて連想したのは海から出てくる妖怪。
でも、これはちょっとひねった話といった具合。
海を舞台にお坊さんがガッツリ絡むお話ですな。
最後、お坊さんの顔が晴れて素直に「ああ、よかった」と思いました。
船の内装に感動w
すごすぎ! -
色彩がとても綺麗!
この巻はキャラも多くて楽しいです。 -
レンタル
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どれも素晴らしい。鵺も好き。
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ワカメソード
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斬ってくだされ 承知
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シリーズのどれよりも人物が良いです。佐々木好き。
棺の揚がってくるときとか、背景の金魚とか映像もすごい。
物語の大筋より、それぞれの人物を見た方がおもしろいと思います。
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ちょっと作画が崩れてる・・・?
モノノ怪の中では
あんまり好きじゃないかも… -
極彩色にあてられて眩暈とともにおそろしさ。
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神アニメ。このシリーズの中で一番好き。
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第二巻は海坊主。
化猫で登場した加世さんが再登場です。 -
まあモノノ怪ってだけで既に星五つくらい余裕ですがなにか。(笑)
内容も頭使うからすごく見た後達成感があるんですよねー。いやしかし、初見だけでは何が何だかさっぱり。結局何回か見て、ようやく具体的なことが段々見えてきましたが。むずかしいなあ…!見た中で一番訳分からんかったのはのっぺらぼうでしたが…。これは二番目くらいに分からない。そして浪川さんはああいう役が似合うなあ…。(笑) -
すごく作画が綺麗で神秘的な回。言わずもがな、お話も素敵でした。お庸ちゃんの純真な心に涙腺崩壊。