- Amazon.co.jp ・ゲーム
- / ISBN・EAN: 4902370516296
感想・レビュー・書評
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当時台頭していたニンテンドーDSの教育系ソフトの一つで、二画面を縦にすることで文庫本に見立てた、読書ソフト。
著作権失効の文豪の作品を100冊収録されており(厳密に言えば文庫本の数十ページぐらいの短編もあるため、文庫本100冊という意味ではないが)、このソフト一本で相当な読書が楽しめる。
本を読む際の挙動にも拘りがあり、ページをめくる際の紙のペラペラ感、読書に没頭出来るBGM、忙しい人のためにパッと読めるように短縮したこのゲーム独自のあらすじ等があり、読書好きには満足出来るソフトだろう。
また、収録されてある作品の本のデザインもまた面白い。
作品を表した切り絵のイラストに、思わず手に取って読んでみたくなるような帯の宣伝文句はこのソフトの持ち味で、これを眺めるだけでも今プレイする価値はあるだろう。
…というのも過去の話。
流石に今では技術も発展し、読書ツールとしてKindleリーダやらスマホ等のタブレットが普及し、ゲーム機自体もニンテンドーDSは生産終了して、Switchが主流になっている。
読書家にとっては、今ではタブレットによってほぼ無限と言ってもよいぐらい本が読めるようになり、100冊読めるこのソフトだって、青空文庫のアプリを用いればDS文学全集以上の作品が読めるようになっており、今頃わざわざソフトを用いるメリットもほぼ無いだろう。
それに、Switchが主流となっている今、DSなんかはもはや過去の遺物に過ぎなく、今どき遊ぶ人もほぼおるまい。
しかし、そんな古き良き時代に思いを馳せる絶滅危惧種の"カウボーイ"達の中に、どれだけソフトを手に取るだろうか。まだ当時の人気作や名作ならともかく、こんなソフトを手にするなど、間違えて買ったか、買い漁ったジャンク品の中に紛れ込んでいたか、或いは近代文学を好む読書好きでコアなゲーマーか、のどちらかだろう。
そんな訳で、今となってはこのソフトの価値はほぼ無いに等しいだろう。
しかし、読書ソフトとしての完成度は今思い返してもよく出来てるソフトだったと思う。
もし君たちが変わり者で読書好きなら、試しに見てみるのもいいだろう。
どうせここを見てる人少ないからいいよね?ブクログ初カキコ。ここからは自分語りだから読まなくていいよ。
ブクログという本棚を管理するSNSで思い出に残った本等ではなくなぜ最初にこれを選んだかというと、これが僕の読書(というよりは本収集趣味だが)を始めるきっかけだったからである。
自分のルーツについては多すぎてキリが無いからとりあえずこれを選んだ(物好きな人は僕の本棚に『自分のルーツ』とタグ付けしてあるので暇ならどうぞ)。
もう今となってはうろ覚えだが、これまで僕はゲーム三昧、マンガばかりであった。当時『RPGツクール2000』でフリーゲームが多く広まった頃、僕も憧れて2000の体験版と2003を使ってゲームを作成していた。
そんな中、『面白い話』を作るにはどうすれば?と模索し、タイトルは忘れたがいわゆるハウツー本の話を作りたいなら読書から学べ的な本を買って読み込んでいた。
そんな中、親がこのソフトを買ってきて(僕自身はこのソフトの存在を知らなかった)、当時読書熱もあってこのソフトで読書をした。
DS文学全集にはDLコンテンツに、他の作品もダウンロード出来る機能があり、ダウンロードした書籍の一つに田口ランディ氏(と夢枕獏氏)がいた。
ある日、古本屋で小説コーナーを初めてじっくり眺めていたところ、『田口ランディ』という個性的な名前を覚えており、自分の意思で初めて買った本が新潮文庫の『コンセント』だった(そして今も積ん読状態というね)。
それから、当時キリスト教に興味があって(半ば黒歴史)、ダン・ブラウンの『天使と悪魔』だったり、前々からTVアニメ『カウボーイビバップ』の影響でハードボイルドに興味があり本格的なハードボイルド小説が読んでみたいと、レイモンド・チャンドラーの『長いお別れ』等を収集し始めた。その頃にはゲーム作りの熱が冷めてすっかり手段と目的が入れ替わった。
そしてまぁ、色々本を買い集めて今に至る、と。
ブクログのバーコードを読み取って本棚に本を集める機能が楽しくて、本棚から手当たり次第本を漁って読み込んでいくにつれ、『ゲームも登録出来んの?まさかこれ(DS文学全集)あるかな〜?』と思い出てきて、当時の思い出を思い出し、ブクログ初カキコは記念となった作品がいい、と思い、執筆に至る。
マイナーなゲームではあるが、僕にとっては『自分のルーツ』の一つとも言うべき、思い出の多いソフトだ。
今でも、公式HPの収録タイトル欄を参考にしている。
参考リンク
公式HP
https://www.nintendo.co.jp/ds/ybnj/index.html
ゲームカタログ
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/2088.html詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
『DS文学全集』はWi-Fiで作品を追加することができるようになっているところがミソだ。また、あの2画面のシェル形態は、縦書きが多い日本の書物にはもってこいなのだ。本体を横向きに持つことでページめくりもでき、あまり違和感無く読み進むことができる。文字サイズ変更機能を搭載すれば、字が読みにくいとあきらめていた年配の方でも読書を楽しめる。何もAmazonの「Kindle」を使わなくても、DSとて立派に読書端末となり得るのである。ただ、本の場合は何よりコンテンツ数が一番重要だと思う。
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DSで読書ができちゃうソフトです。
パブリックドメイン(※発売当時)になった作家さんたちの名作文学から
厳選された作品が読めます。
読書中のBGMを設定できたり、しおりを挟んでおけたり、あらすじで簡易版のストーリーを読んだり、地域やジャンルで作品を検索したり、盛りだくさんのゲームです。
DSソフト版は日本文学だけですが、DSiウェア版には海外文学が入っています。
こちらも併せておすすめです。
【収録作品リスト】
*DS文学全集(日本文学)
芥川龍之介 / 『アグニの神』※2 『或阿呆の一生』 『芋粥』※2 『河童』 『蜘蛛の糸』※2『地獄変』※1 『杜子春』 『トロッコ』 『鼻』※2 『奉教人の死』 『魔術』※2『蜜柑』※2 『藪の中』 『羅生門』
有島武郎 / 『或る女』 『生まれいずる悩み』 『カインの末裔』
石川啄木 / 『一握の砂』※2 『悲しき玩具』※2
泉鏡花 / 『婦系図』 『高野聖』 『外科室』 『眉かくしの霊』※2 『夜叉ヶ池』
伊藤左千夫 / 『野菊の墓』
内村鑑三 / 『後世への最大遺物』※2 『デンマルク国の話』※2
海野十三 / 『浮かぶ飛行島』※2 『赤外線男』※2 『地球要塞』※2 『東京要塞』 『蠅男』
大阪圭吉 / 『カンカン虫殺人事件』※2
押川春浪 / 『海底軍艦』 『月世界競争探検』※2
岡本かの子 / 『老妓抄』
岡本綺堂 / 『白髪鬼』※2 『玉藻の前』 『半七捕物帳 一~十二』※2 『百物語』※2
小栗虫太郎 / 『後光殺人事件』※2
尾崎紅葉 / 『金色夜叉』
織田作之助 / 『猿飛佐助』※2 『夫婦善哉』
折口信夫 / 『死者の書』
葛西善蔵 / 『子をつれて』
梶井基次郎 / 『桜の樹の下には』※2 『城のある町にて』 『檸檬』
菊池寛 / 『恩讐の彼方に』 『俊寛』 『父帰る』 『藤十郎の恋』
九鬼周造 / 『「いき」の構造』
楠山正雄 / 『牛若と弁慶』
国木田独歩 / 『牛肉と馬鈴薯』 『武蔵野』
倉田百三 / 『出家とその弟子』
小泉八雲(ラフカディオ・ハーン) / 『貉(むじな)』※2 『耳無芳一の話』
幸田露伴 / 『五重塔』
黒岩涙香 / 『無惨』
小林多喜二 / 『蟹工船』※1
坂口安吾 / 『桜の森の満開の下』 『堕落論』
佐々木味津三 / 『旗本退屈男 一~二』※2
島崎藤村 / 『夜明け前』
下村湖人 / 『次郎物語』
鈴木三重吉 / 『古事記物語』
高村光太郎 / 『智恵子抄』※2
高山樗牛 / 『瀧口入道』
武田麟太郎 / 『日本三文オペラ』
太宰治 / 『桜桃』※2 『グッド・バイ』※2 『斜陽』 『女生徒』※2 『人間失格』※1 『走れメロス』 『富獄百景』
田中貢太郎 / 『村の怪談』※2 『雪女』※2 『四谷怪談』※2
田中英光 / 『オリンポスの果実』
田山花袋 / 『蒲団』
近松秋江 / 『黒髪』 『狂乱』
徳田秋声 / 『あらくれ』 『縮図』
徳富蘆花 / 『不如帰』
中島敦 / 『山月記』 『李陵』
長塚節 / 『土』
中原中也 / 『我が生活』※2 『山羊の歌』※2
夏目漱石 / 『草枕』 『虞美人草』※2 『行人』 『こころ』※1 『三四郎』 『それから』※2 『彼岸過迄』『坊っちゃん』 『道草』※2 『明暗』 『門』 『夢十夜』※2 『吾輩は猫である』
新美南吉 / 『おじいさんのランプ』※2 『ごん狐』 『手袋を買いに』 『花のき村と盗人たち』
林芙美子 / 『新版 放浪記』
葉山嘉樹 / 『セメント樽の中の手紙』
原民喜 / 『夏の花』
樋口一葉 / 『たけくらべ』 『にごりえ』
福沢諭吉 / 『学問のすすめ』
二葉亭四迷 / 『浮雲』
北條民雄 / 『いのちの初夜』
堀辰雄 / 『風立ちぬ』 『美しい村』
正岡子規 / 『病状六尺』
宮沢賢治 / 『雨ニモマケズ』※2 『オツベルと象』 『風の又三郎』 『銀河鉄道の夜』※1『グスコーブドリの伝記』※2 『セロ弾きのゴーシュ』 『注文の多い料理店』『なめとこ山の熊』※2 『よだかの星』
宮本百合子 / 『伸子』 『貧しき人々の群』※2
森鴎外 / 『阿部一族』 『ヰタ・セクスアリス』 『雁』 『最後の一句』 『山椒大夫』 『高瀬舟』 『舞姫』※2
夢野久作 / 『あやかしの鼓』※2 『少女地獄』 『ルルとミミ』※2
与謝野晶子 / 『遺書』※2
横光利一 / 『機械』 『蠅』
※1 下記のDSiソフトにも収録
※2 WiFiダウンロード作品
*ちょっとDS文学全集 世界の文学20(海外文学)※DSiウェア
アーサー・コナン・ドイル / 『グロリア・スコット号』 『暗号舞踏人の謎』 『空家の冒険』
アレクサンドル・セルゲーヴィチ・プーシキン / 『スペードの女王』
エクトール・アンリ・マロ / 『家なき子』
エドガー・アラン・ポー / 『アッシャー家の崩壊』 『モルグ街の殺人事件』
グリム兄弟 / 『ブレーメンの町楽隊』 『ラプンツェル』
ジョナサン・スウィフト / 『ガリバー旅行記』
チャールズ・ディケンズ / 『クリスマス・カロル』
ナサニエル・ホーソン / 『ワンダ・ブック―少年・少女のために―』
ハンス・クリスチャン・アンデルセン / 『赤いくつ』 『雪の女王』
フランシス・イライザ・ホジソン・バーネット / 『小公女』
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー / 『フランダースの犬』
モーリス・ルブラン / 『奇厳城 アルセーヌ・ルパン』
ルイザ・メイ・オルコット / 『若草物語』
レフ・ニコラエヴィッチ・トルストイ / 『イワンの馬鹿』
魯迅 / 『阿Q正伝』 -
少女地獄 夢野久作
高瀬舟 森鴎外 -
読んでいなかった作品を着々と読むことができている。
ただ、語句の注釈が欲しい。 -
昔の本を大量に読めると思って購入。古い名作ばっかりだったので一応読んだけどもう売ってしまった。
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読書済み:
ごんぎつね/新美南吉
読書中:
人間失格/太宰治 -
楽天ブックスで安かったのでとりあえず確保。
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軽くて読みやすい。
寝転んで読むには、
ページがめくりやすいし、とっても楽!!
BGMは、「秋の虫の声」がお気に入りで
すごく集中できるようなきがする・・・。 -
これもスバラシイけど
やっぱり
紙の本を手にとって読んだほうが
しっくりきますね!
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宮沢賢治、夏目漱石、太宰治etc・・・
有名な文学作品が100冊入ってます。
しおり機能、あらすじ閲覧機能もあるコンパクトな図書館って感じ。
読書離れしてる方でも比較的とっつき易いのではないでしょうか? -
■あるソムリエの話■貫井徳郎
声はおかしなことを言います。あなたは誰なのだと、私は尋ねました」 3/11
■手袋の花■宮部みゆき
藪が、かすかに左右に揺れた。 3/12
■虎■田口ランディ
どうしようもないよ、これが僕なんだもの。 蘇ったアムール虎は、何を思っているんだろう。孤独じゃないのか。悲しくないのか。 3/12
■貉■小泉八雲 戸川明三訳
私の言葉をお聴きなさい。ただちょっとでいいから! 3/13
■洋館■吉田修一
視界の端に、足元の夏蜜柑を拾い上げるバンカンの手が見えた。鮮やかな蜜柑を、血のついたバンカンの手が掴む。 3/15
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ブクログ内のはほどんどこのゲームから。
・牛若と弁慶
・羅生門
・ごん狐
・手袋を買いに
・セメント樽の中の手紙
・あるソムリエの話
・よだかの星
・手袋の花
・山月記
・虎
・鼻
・檸檬
・貉
・トロッコ
・洋館
・花のき村と盗人たち
・おじいさんのランプ
・蝿
−夢十夜(未読) -
●手袋の花●宮部みゆき
祖父が楽しげに語っていた思い出話がなかったなら、そのときの笑顔が頭に浮かばなかったなら、途中で諦めて引き返していたろう。
●洋館●吉田修一
良平は思い出す。バンカンの言葉を。ただ首をふるしかなかった自分の姿を。
●陰陽師 花の下に立つ女●夢枕獏
微風に花びらと花びらが触れあって、桜は、その笛の音を寿ぎ、ひそひそとささめきあっているようであった。
●虎●田口ランディ
それを僕らは夕暮れと呼んでいる。
虎は、なにを思っているんだろう。孤独じゃないのか。悲しくないのか。
●あるソムリエの話●貫井徳郎
あれこれ詮索されたくなければ、こちらも相手を詮索しないことだ。声は懇願します。 -
なっがいお話がたくさんはいってる。
買いだと思う -
本好きがこれを買わずしてどうする。
一年ほど前に出た作品ですが、人気は全く衰えません。
便利な機能のおかげで、ゲーム機で読書はちょっと…と躊躇してしまう概念を吹き飛ばしてくれます。
値段も定価からして非常にお得なので、とても満足な一品でした。 -
ライトノベルは好きだけど
日本文学は古臭くて嫌だ・・・ と言う人も多いでしょうが
実は若さが光る作品も多いですよ。
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えーDSで読書?ざけんな?と思ってましたがなかなかどうして優秀!軽いし一杯入ってるし片手で持って読めるし超重宝してます。これはお奨めせざるを得ない。
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コンセプトはいいのだが、同じDSソフトで作品内容がかぶっているのが他にもあるのでどれを買うかという問題かも。
同じ作品がかぶらないように出してくれれば…。
ただ、本を沢山買うよりも安いわけだし場所も取らないのはこういうソフトの魅力かも。でも「本」が好きなら買う必要もない気がする。 -
<p>●読書記録●</p>
<p>10/18「杜子春」読破</p>
<p>10/27「銀河鉄道の夜」読破</p>
<p>12/15「虎」(Wi-Fi限定)読破</p> -
想像以上に快適に読めます。BGMも良い感じ。本が読みたかったけど、図書館に行くのは面倒だし、買うとお金がかかってかさばるのが嫌だったので、すごく嬉しいソフトです。残念なのは、同じ作家の本で何冊か揃えてるところでしょうか。色々な作家の本が読みたかったので…。
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きっかけは、『大人のDSトレーニング』で名作音読をやっている時。こんな風に本の内容が読めるんだったら、「Nintendo DSで電子ブックとかできるんじゃないか?」と思ったのです。そして、何よりWi-Fi通信。DSステーションとかでも利用できますので、読みたい書籍をダウンロードして読む。
「そんなソフトがあったらなー。きっと電車の中でも暇をもてあまさず、コンパクトに好きな本を読むことが出来るのに」
そして山手線の電子掲示板の広告を見て、そんな僕の熱望を満たすソフトがリリースされていると知り、即座に購入。最近、ドラクエやFFといった好みのメジャー大作を除いては、ゲームは10分〜20分程度の簡単に済ませるくらいしかしなくなってしまいましたので、こういった手軽に扱えるソフトは本当に待ち望んでおりました。
ただ、購入する前から懸念していた事が。
しおりとか、ページ飛ばしや戻り機能はまぁ多分標準搭載されているだろう、ということであまり心配はしておりませんでしたが、問題は解像度。
現在リリースされているNintendo DSは、お世辞にも解像度がよいとは言い切れず、『大人のDSトレーニング』で名作音読でも、ルビをふった細かい文字は見えづらかったりしますので、そこが悩みになるのでは、と思っておりました。
でも、その問題も特に気にするほどでもなく、ルビ等の細かい文字も最小限で、比較的読みやすかったです。まぁ、あまり長時間の読書には向かないかもしれませんが。
もう一つ気になるところといえば、ソフトの容量でしょうか。現在、1本あたり100冊の名作が詰まっていて、それ以外の名作もWi-Fiでダウンロードできますが、あまり大量の本はダウンロードできません。早急ではないにしろ、もっと沢山の本が蓄積できるように出来たらと思います。
とはいえ、折角出来た通勤の友。沢山の名作を読み漁っていきたいと想います。