東京物語 [DVD] COS-024

監督 : 小津安二郎 
出演 : 笠智衆  東山千栄子  原節子  杉村春子  山村聡  三宅邦子  香川京子  東野英治郎  中村伸郎  大坂志郎 
  • Cosmo Contents
4.11
  • (89)
  • (81)
  • (50)
  • (6)
  • (1)
本棚登録 : 452
感想 : 96
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4582297250444

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 小津安二郎監督
    笠智衆、原節子主演の「紀子三部作」の三作目。

    この作品、2012年「映画監督が選ぶベスト10」で堂々の第1位!!

    興行収入や上映期間などの数字などではなく、映画を作る人達から「最高だ!」と言われる評価こそ一番ではないだろうか。

    物語はゆっくり進み、カメラも動かない。ただ、一つ一つのシーンがとても緊張感がある。例えるなら枯山水のような美しさ。そこにジャポニズムを感じるのか…説明しづらい芸術がこの映画にはあるんだと思う。

    そして、家族の関係は時間と共に変化していく人と変わらない人がいて、そのどちらも悪くない、むしろ変わらない人はこれから変わらなければならないんだよ、と背中を押すように形見の時計をもらう。

    原節子の瞳は日本人の奥ゆかしさを表現するかのように、じっと画面からこちらを見つめて動かない。
    それとは対照的に日本の背景…老夫婦が息子家から娘家、さらに熱海へと転々と動く様は、時代は変わっていくのだというように感じさせられる。

    変わらない素晴らしさと、変わる勇気、どちらも尊重しながらどちらにもなれた原節子はとても魅力的で、僕はそんなところに心を打たれた。

  • 素晴らしい!!
    思わず涙がぼろぼろ溢れた。こんな素晴らしい作品が日本から生まれたという事に日本人として誇りに思います。
    美貌も心も美しい原節子さんが演じるふみさんはまさしく美しい日本の化身のようで彼女の台詞や動作を見ているとなんだか自分含め現代の日本女性はこれを学ぶべきだと思った。なんだか申し訳ない気持ちになる。
    日本だなーというゆるい言葉の流れと比例して映画の流れもひじょうに穏やかでゆるい。ゆるい中にたしかな鋭さがあります。とくに台詞。
    本作は印象に残って胸にじーんと響く言葉、台詞が沢山です。
    とくに最後ののりさんが京子さんを説得するときの台詞はすごい。
    あと終わり方にすごく日本を感じました。
    外国の映画だったらのりさんが形見の時計を握りしめてfinで終わるだろうなぁ・・と思いました。わかんないけど洋画ばかり見てた私が、あぁここで終わるのかと思ってしまったところでもあります。

    この作品を機に古い邦画名作も観漁ろうと決意致しました。

  • 笠智衆を見ているだけで泣けた

  • 笠智衆の若かりし姿が拝める。といっても役柄はおじいちゃんなんだけど。じじばばが出てくる話はあかんです。胸が痛いです。

  • 子育て世代だが、老親を抱える身としては耳が痛い作品だ。身勝手な(に見える)子供らに感情移入してしまうのはダメな子だなぁと思いつつ、でも、相手するのは無理だよなぁと思ってしまう。また、この家族の関係性はいつの時代も同じかという気も。そういう時代を超えた普遍性が秀作の誉れ高いことを雄弁に語るものなのだろう。◇とはいえ、戦争未亡人に、軍艦マーチへ拒否反応を示す描写が戦後8年しか経過していない様をまざまざと感じさせる。そういう意味で終戦直後の現実の世相を感得出来る逸品とも。「◯丁目の夕日」なんぞよりは遥かに…。

  • のりこさんの笑顔が怖かった。と思っていたら最後でわけがわかった。

  • 常にストレートに感情を相手にぶつける事を良しとする人には、この映画の情緒は理解しがたいのでは。

  • 小津安二郎監督、同•野田高梧脚本、1953年作。

    <主な登場人物>
    尾道に暮らす父•平山周吉(笠智衆)、同じく母とみ(東山千栄子)、同じく小学校教員の京子(香川京子)。東京の医師の長男•幸一(山村聡)、戦死した次男の妻紀子(原節子)、病院経営の長女志げ(杉村春子)

    <コメント>
    •東京で暮らす息子たちは日々の仕事に追われ、周吉たちに心を失くした対応をとる。トゲのある志げの行動も悪気はない。うまく育てた子供たちとはリズムが違う。そこを、笠智衆と東山千栄子が、慎ましく、しかし対照的に表現していた。
    •子どもたちもそのことに気づかない。幸一が父母の帰郷後に、今頃東京話で持ちきりだとか、志げが母は元気そうだとか、わかっていない。わからないからいたわれないのだ。
    •老いた親にとって子らに欲しいのは、仕事ができたり生活力があることではなく、寄り添ってくれる優しさ。そのことに気付く映画。
    •オリジナルにはよさがあるが、山田洋次監督の「東京家族」のほうがぼくは好き(この映画は3度、寝落ちした)。

    <あらすじ(ネタバレ)>
    山田洋次監督の映画「東京家族」とほぼ
    同じなので略。
    https://booklog.jp/users/tesa2/archives/1/B00C5535EG

  • アマゾンプライムで見たが、昔の日本、昭和20年代後半から30年代の日本であった。両親が年を取り、子供が成長して、徐々に昔の家族がバラバラになっていき、その哀愁と年を取ってからの寂しさが良く出ていた。子供たちも自分の生活が忙しくて、徐々にバラバラに、あるいは、過ぎ行く昔の家族の思い出、名残りが出ていた。おそらく、戦死した次男の妻の紀子、原節子もこのころを境に相手を見つけて、離れていくのだろうと思う。過ぎ行く家族、昔の時代という感じがする。でも、年を取り私もこのような映画好きになってきた。

  • 意外といい話だった。子供たちに看取られる、理想の最期。子供も親孝行の機会が与えられてよかったね。言うほど厄介者扱いしてなくない?子供なりに親に感謝して気遣ってるのに。

全96件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1903年東京深川に生まれる。1923年、松竹キネマ蒲田撮影所に撮影部助手として入社。大久保忠素組の助監督を経て1927年、時代劇『懺悔の刃』で監督デビュー。以来1962年公開の『秋刀魚の味』まで、全54作品でメガホンをとり、サイレント、トーキー、モノクロ、カラーそれぞれのフィルムに匠の技を焼き付けた。1963年腮源性癌腫により死去。1958年紫綬褒章受章、1959年芸術院賞受賞、1962年芸術院会員。作品『生れてはみたけれど』(1931)、『出来ごころ』(1933。以上、松竹蒲田)、『戸田家の兄妹』(1941)、『晩春』(1949、芸術祭文部大臣賞)、『麦秋』(1951、芸術祭文部大臣賞)、『東京物語』(1953、芸術祭文部大臣賞、ロンドン映画祭サザランド賞、アドルフ・ズーカー賞)、『早春』(1956)、『東京暮色』(1957)、『彼岸花』(1958、芸術祭文部大臣賞)、『秋日和』(1960、芸術選奨文部大臣賞。以上、松竹大船)、『宗方姉妹』(新東宝、1950)、『浮草』(大映、1959)、『小早川家の秋』(宝塚作品、1961)ほか。

「2020年 『小津安二郎「東京物語」ほか【新装版】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×