ゴジラ <昭和29年度作品> [DVD]

監督 : 本多猪四郎 
出演 : 河内桃子  宝田明 
  • 東宝
4.25
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感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988104046161

感想・レビュー・書評

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  • 「原爆から生き残った」とか「また疎開」という言葉が、普通に出てくる戦争の生々しさがリアルに伝わってくる。
    以降のシリーズと、明らかに気色の違う反戦映画。
    容姿は滅茶苦茶怪しいけど芹沢博士の悲壮な決意に泣けてくる。

  • あちこちで「ああ、戦争の記憶がまだある時代なんだ」と言うのが感じられるのが興味深かった。ゴジラになすすべが無いのはもちろん、実際の被害のほとんどは火災によるとか、超自然災害的な破壊力を感じさせる。

  • 65年前の作品なのか.....

    やっと1作目。
    端々のセリフなんかから、戦争の色濃い影響を感じられる。
    服装とか町並みは普通に当時の資料として見ても面白いかも。

    シン・ゴジラは確かにしっかり初代のテーマを受け止めてるなとは感じた。
    ただ、こちらの重点は市井の人々なので、より戦争と平和のメッセージが出てる。

  • 特撮技術や話そのものよりも「オキシジェン・デストロイヤー」という名称がとてもおもしろく感じられ、観終わったあと妙に印象に残った。
    オキシジェンデストロイヤー。オキシジェンデストロイヤー。やたらと言いたくなる。劇中でもっと連呼されていたら全然違った印象の作品になったかもしれない。

  • ゴジラは「東京に落ちた水爆」であり、本作は、そんな理不尽な暴力に民衆が蹂躙される恐怖を描いた「異形の戦争映画」なのである。

  • 子供の頃以来の観賞。こんなに濃厚な内容だったのかと気づくことが多々あった。

    この映画は、特撮映画であるとともに、科学者の苦悩を描いている。そして、どちらの点でも最高に面白い。

    まずは特撮映画として。
    特筆すべきは都市の破壊シーン。その後のゴジラシリーズでも必ず出てくるシーンだが、撮り方などは、このゴジラでほとんど確立されていると感じた。
    そして、東京が、日本が滅ぼされるという絶望感が、半端ではなかった。中でも、乗客を満載した電車が破壊されるシーンは、まさに人命が失われていくことが伝わってきて、苦しくすらなった。


    次に、科学者の苦悩の点。
    劇中には、生物学者の山根と、兵器•オキシジェンデストロイヤー開発者の芹沢が登場する。
    二人ともそれぞれに、山根の娘恵美子とその恋人の尾形に、考えを否定される。恵美子と尾形は、ゴジラ上陸の被災者側として話しているので、世論の代弁者としての立ち位置と考えられる。
    つまり、山根と芹沢は、自分の考えが世論に否定されることに苦悩するのだ。

    山根の考えは、生物学的に貴重なサンプルであるゴジラを生かしておきたい、というものだ。それに対し、恵美子と尾形は今すぐ殺すべきだと主張する。

    芹沢は、自身の開発した、ゴジラをも退治できるオキシジェンデストロイヤーの存在を公表したくない、というものだ。原爆、水爆に並ぶ兵器となりうるため、という理由だ。しかし、恵美子と尾形は、ゴジラ被害が拡大する中、唯一ゴジラを退治出来る手段として活用せよと迫る。

    最終的には、山根も芹沢も押し切られる形となる。しかし、彼らの考えは、科学者としては正しい。特に、芹沢の考えは、広島、長崎の原爆被害、ビキニ環礁の水爆実験など、核の脅威が実感として身近であった当時ならではの雰囲気を、色濃く反映している。
    そして芹沢は、オキシジェンデストロイヤーの情報を世の中から抹殺すべく、設計図を燃やし、自身の知識も残さないために自らの命をも絶った。

    私は特に、芹沢の考えに共感した。また、映画の後半は、ゴジラの影か薄くなるほどに芹沢の苦悩にスポットが当てられていることから、製作者としても伝えたい点だったと考えられる。

    以上のように、この映画は、特撮映画としても十分魅力があるが、それだけではない。
    また、以後娯楽化していくゴジラシリーズとも一味違っていて、一見の価値ありである。

    長くなったが、要は、とても面白いってことです!!

  • 久々に。

    強いメッセージ性を持って生まれた映画。
    ゴジラという怪獣は今もなお特別な意味合いを持った存在てす。
    それはこの映画でのメッセージ性が全ての人々にとっても意味を持っていることを表していると思います。

    街を破壊し、人々を蹂躙していくゴジラは、おぞましい姿で描かれます。
    ゴジラは戦争や科学、人間の被害者でもある。
    ゴジラと日本の関係は複雑で、この映画は何度見ても気づきがあります。

    ゴジラへの人間の感情も丁寧に描いていることや、ストーリーの展開などもよくできていて、やはり映画として素晴らしいと再確認しました。

  • 映像分析の授業で。
    『ゴジラ=???』
    ???に当てはまる解釈は様々であり、そのどれもに可能性があると思った。
    焼け野原の様子は空襲を彷彿とさせ、放射線が検出されたり、冒頭海でピカッと光るだけで船がやられてしまうところなどは原爆の記憶を呼び起こす。
    水爆実験の被害者としてのゴジラという見方もある。人間に破壊される自然の暴走の象徴。制作から半世紀以上経った現代においても、311、福島第一原発事故を経験した日本人にとっては、再びリアリティを持って迫ってくる恐ろしさがあるのではないだろうか。

    科学技術、環境。
    人間がこれらと関係して生きていく限り、時代ごとに新しい見方が生まれ、そのどれもが正解に思えてくるそんな映画ではないかと思った。
    あとは恵美子が腹立つ女すぎる。

  • 個人的究極の反核映画。
    ゴジラは被爆者である。
    その証拠に、ゴジラの皮膚はケロイドがモチーフだ。

    初代ゴジラは第五福竜丸事件をきっかけに制作された作品。
    ゴジラは人間の業。
    吐き出すのは炎ではなく放射能。

    ゴジラが単なる子供向けとして作られたと思うなら、
    何故現在まで続く作品になり愛されているのか考えてみて欲しい。

  • 水爆実験で住処を失って逃げてきたゴジラが、人間の手で葬られる。すっかり娯楽作品化しているゴジラシリーズだけど、一作目の存在は忘れちゃいけないよなあと思う。

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