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- / ISBN・EAN: 4988135594907
感想・レビュー・書評
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2006年、硫黄島。地中から数百通もの手紙が発見された。それはかつてこの島で戦った男たちが家族に宛てて書き残したものだった……。
戦況が悪化の一途を辿る1944年6月。陸軍中将・栗林忠道(渡辺謙)が硫黄島に指揮官としてやってきた。アメリカ留学の経験を持つ栗林の、常識に捉われないやり方は古参の将校たちの反発を呼ぶ。栗林の防衛戦略は、島中にトンネルを張り巡らし、地下要塞を作り上げるというものだった。
1945年2月19日、ついにアメリカ軍が上陸する。戦いは36日間にも及ぶ激戦となった。
徐々に退却を強いられていく日本軍。玉砕を求める部下に、栗林は最後まで戦いぬけと命令した。
妻子を国に残してきたパン職人の西郷(二宮和也)は、憲兵隊のスパイかと疑っていた清水(加瀬亮)と共に、自決を命じる上官のもとから逃げ出した。
実は清水は本国で問題を起こして憲兵隊を追放された男だった。
やがて二人は軍人らしく玉砕を貫こうとする伊藤中尉(中村獅童)に出会い、処刑されそうになる。それを助けたのは他ならぬ栗林だった。
しかし、やがて脱走した清水はアメリカ兵に殺されてしまう。状況は切迫し、伊藤を中心とした栗林に反発する者たちが勝手な行動を取り始めた。
そんな中、栗林の数少ない理解者である西中佐(伊原剛志)も命を落としていく。
進退窮まった栗林は、ついにアメリカ軍に最終攻撃をかけた。撃たれ、倒れていく兵士たち。激戦の中、栗林も瀕死の重傷を負う。
そんな栗林のもとに西郷がやってきた。自分が死んだら埋めてくれと言い残し、自決する栗林。その遺体を埋めた西郷のまわりをアメリカ兵が取り囲む。
そのうちのひとりが栗林の拳銃をベルトに挟んでいるのを見た時、西郷は突然狂ったようにシャベルを振り回し始めた。アメリカ兵に取り押さえられる西郷。
激戦の数少ない生き残りとして担架に乗せられた西郷が見たのは、硫黄島の海に沈む赤い夕陽だった。
日本の戦争映画と違って、渡辺謙演じる栗林や伊原剛志のようなアメリカに留学し合理的な戦術で軍隊を率いている近代人がいたこと、英雄的な死がいっさい描かれないこと、軍隊内の意見の相違や対立が赤裸々に描かれていることなど、戦争の残酷さや理不尽さをありのまま描いた戦争映画の傑作です。
二宮和也、渡辺謙、伊原剛志の熱演も、見事です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
わづか六十数年前、硫黄島(いおうとう)に於て、一分一秒でも愛する人のため、公のためにわたしたちの父祖が自身を捧げて戰ひ護つてくださつた。
一萬を超えるその英霊が、未だ故郷へ歸られてゐない。否、歸つていただけてゐない。恥づべきはわたしたちです。 -
監督 : クリント・イーストウッド
2006年公開
太平洋戦争末期、硫黄島での攻防を日本側の視点で描いた。
この映画を観て思う正しい感想は、
救いのない、絶望的なものなんでしょう。
そして、今この平和を大切に思うこと。
こういう正しさを描いた映画は
(戦争をすることが正しい、という意味ではありません。)
観るべきだと思うんだよね、みんなが。
何が正しいのか、それはきっとちゃんと存在して、
それは人によるとか、価値観次第とか、
そういうものではないんだよね。
あーのんきに生きれて良かったよ。 -
二宮さんの年齢設定が気になりましたが、
でも本当に演技うまい。
戦争映画は苦手だけど、これは名誉の為に死を決める、という思想を淡々と見せられる戦争映画じゃないところが好きです。
大切な者の為に、何が何でも生き延びようとすればいい。 -
「父親たちの星条旗」を見た後だったので、余計に日本人の立場で見てしまうのか?
はたまた、私が日本人であるが故の同情なのか?
戦争は人を狂わす。
確かに、そう言われていますが、本心から軍国主義一色にならないものも多数存在していたことは事実です。
「生きたい」と願う力が強いものが、新しい世界を手に入れることができたように思います。
しかし、忘れてはいけないというメッセージも込められていたような・・・
残った者には次の世界を見ることができなかった分まで生きなければいけないことも・・・
今の日本人には、あれだけの根性があるかと問われると・・・
どうなんでしょうか?
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C・イーストウッド、監督、硫黄島を舞台に戦時中残された手紙、
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・クレジットで流れる名前に鳥肌たったのってわたしだけじゃないはず
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前編日本語なのにクリント・イーストウッド監督。
これ自体が凄い事だと思う。しかも、同じ題材を日本側・アメリカ側の二方向から。
渡辺兼も良かった、二宮君も良かった。
最後もアメリカ映画っぽい締め方だし。
戦争映画って色々賛否両論あると思うけど、映画ってエンターテインメントだから、そんなに、史実と違うって批判するのはちと違うと思うんだが。
この映画が面白かったか、面白くなかったか。それだけじゃね?
僕は面白かったと思う。
それだけ。
いつの時代も大変なのは下の人。
上の人の資質で全てが決まる。
下の人は上を選べない。
上の人は下を選べる。
悪いのは戦争。
戦争のせいで、人は狂う。
戦争が終わったら、また、その人を裁く。
うかばれない。
悲しいよな、戦争って。 -
監督 クリント・イーストウッド
コントラストが強い画。
銃弾の堅さが伝わる
ただ必要以上に悲観的にならないように、人物にフォーカスしすぎてない。
戦争を題材にした作品を観て共通に思うことは一つね。
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メッチャ良かった??
う-ん・・・クリント・イーストウッドは結局アメリカ人だなぁ。と思った。
日本人の大和魂みたいなものを理解しきっていない。
そういう人が日本からの視点で作品を作るとこういうことになるのか、ってのがわかった。