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- / ISBN・EAN: 4933672235769
感想・レビュー・書評
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今時、十代の子だってはずかしくてできないような子どもじみた真似をしてしゃぎまわるアラサー男ども…田舎者だからって、田舎者染みた振る舞いをしなくちゃならない決まりなんてないでしょうに。おそ松さんも似たような設定だったけど、あれはギャグアニメだから笑えたんだよね。登場人物の見分けはほとんど付かなかったけれど、こいつら何者でもないし、誰が誰でも同じだわ。本当はお正月に観るつもりで借りたのだけれど、正月にこんな映画を観なくって良かった。
でも、映像は美しいし、役者の演技もいい。字幕を読むのがかったるかったのでオフにしてたけど、充分内容がわかる、説得力のある映像と演技だ。
まあ、この映画に共感したとか、感動したとか言っちゃう人は、鼻で笑ってやりたくなるけど。
ファウストとサンドラの関係はグロテスクだ。何故こんなことをするんだろう?
モラルドもそう思ったのかな。モラルドとグイドの関係は美しかったし、彼等のラストシーンには救われる思いだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
スコセッシの『ミーン・ストリート』の原点がこのフェリーニの『青春群像』らしいので遡って鑑賞。スコセッシはイタリア系なので、ロッセリーニやフェリーニに辿り着く。それとアメリカン・ニューシネマはフランスで言うとヌーヴェルヴァーグに近しい・・・内容は違うと思うし、時期もかなり遅いんだけど。一番近いのは、アメリカン・ニューシネマの後の方・・・スコセッシ、デパルマ、スピルバーグ、コッポラ、ルーカス、ボグダノヴィッチ。あとジョン・カーペンター。ジョン・カサヴェテスが先輩で、ロジャー・コーマンの門下生とかその世代は、やっぱり影響されてるものが近い。
『青春群像』、1953年のイタリアのリミニという港町で働きもせずぶらぶらしている5人の青年の話。今で言うとニートというか、原題は『のらくら者』という意味。
5人のうち主役格がふたり。ファウストは女好きのろくでなしで、今で言うできちゃった結婚をする。カトリックなのに(笑)。
もうひとりはわりとマジメなモラルド・・・こいつの妹がファウストの妻。リミニはフェリーニの出身地だけども、モラルドがフェリーニの投影というのは『ミーン・ストリート』でも同じで、デニーロとハーヴェイ・カイテルの関係。
5人のうちで明確に将来の夢を持っているのは1人、いや2人かな。劇作家・脚本家を目指すレオポルドと、歌が上手いリカルド。リカルド役の人は、最初見たときフェリーニ本人かと思ってびっくりしたんですが弟。すごく似てる。
女たらしのファウストが本当に酷くて・・・フェリーニのこの時期の映画は一応「普通の映画」だし美人を使うんですけど、奥さん美人なのに本当に酷い。『道』でもそうだけど、女性が虐げられる・・・昔の男性上位社会そのままですけど、今の女の人がこれ観たらあんまり良い気分にならないかも。この奥さんもね、バカ女っていうか。
昔の映画を観ると、「普通の映画」「ベタな展開」「今考えると信じられない」と感じることが多いけど、この映画を観ると「青春映画の条件」というのがよくわかる。
青春映画・・・というより若者が主人公の作品は大昔からずーっとありますよね。いつの時代も若者は存在するから。そうすると出てくるのが、「古い価値観」と若者の「新しい価値観」の対立。
そして、若者が観たときに「これは俺たちのことだ!!」と感じるものでなければならない。青春映画ってのは基本的にそうなってるし、そうじゃないとウケない。某老害元知事の『太陽の季節』もそうだし、『トレインスポッティング』なんかもそう。要するにその時代時代の若者像をありのままに描いてること。
あともうひとつ。個人的には青春映画とスポーツ映画って近いと思ってて、それは主人公が困難な状況だったり、挫折したり悩んだりするけども、最終的には打破したり解決したり成長する話だから。これは他のジャンルの映画でもそうだけども、成長・・・というより「ちょっとずつの変化」がある。
青春映画はその時代の若者の価値観がいちばん投影されてるジャンルなので、「古い」とか「普通」と感じるのは当然なんです。逆に資料的価値としては高い。
この『青春群像』だとやはり「できちゃった婚」と、定職につかずぶらぶらしてるところ、モラトリアムな時期が新しい価値観で、これは現代の若者にも通じますよね。
フェリーニ的な部分は、途中のお祭(ダンスパーティ)のシーン。それとラストシーンの走馬灯のように動くカメラ。ここは今観てもものすごく新鮮でびっくりしました。
あとこの映画は、キューブリックが選んだベスト10の中にも(なぜか)入ってます。 -
製作年:1953年 製作国:イタリア=フランス 時間:116分
原題:I VITELLONI
監督:フェデリコ・フェリーニ
(3.0点) -
フェリーニ初期の青春映画。
定職にもつかず、ダラダラと怠惰な毎日を過ごす5人の青年を描いた作品。
一見楽しくバカ騒ぎしながらも、自分の不甲斐なさやなりたい自分になれない青年たちのモヤモヤを上手く描き出している。
ちょっとプレスリー似のファウストは、これからもやっぱり浮気しちゃうんだろうなぁと思うけど、数年後、すっかり強くなったサンドラの尻にひかれていそうだな(笑)。
5人の中でただひとり、旅立っていくモラルドに希望を感じられて、爽やかな余韻が残るラストでした。
(1953年 イタリア/フランス) -
いつの時代も男ってほんとバカよね
でも男同士ってやっぱりいいわよね
あー、私も男に生まれたかった
(こういう映画を観ると切に思う)
【Fellini - I vitelloni】
http://www.youtube.com/watch?v=jD45TQIfcoo