アヒルと鴨のコインロッカー [DVD]

監督 : 中村義洋 
出演 : 濱田岳  瑛太  関めぐみ  田村圭生  関暁夫  杉山英一郎 
  • デスペラード
3.80
  • (567)
  • (803)
  • (692)
  • (111)
  • (28)
本棚登録 : 3870
感想 : 761
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4571283020253

感想・レビュー・書評

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  • 二度見必至の傑作。中村義洋監督の出世作なのに、公開時見逃し、その後レンタルで借りて寝落ちして、その後原作を読んでもう観た気になっていた。

    1週間前にfire TVstickがやっと手に入りAmazon primeで初めて最初から観た(2007年作品、岡田将生が少年の様に初々しい)。
    原作を正確に(それは原作を隅々まで忠実にという意味ではなくて)、映像化していた。

    あゝ大学入学で引っ越したばかりの頃、訳の分からない先輩がいて、社会も丸ごと迫ってきて、世界が広がって見えたなあ、などと思い出した。

    原作を読んでいたはずなのに、まるきり騙された。俳優以外には低予算で作られた作品。濱田岳と瑛太と大塚寧々と関めぐみの4人芝居であるけれども、見事に騙された。心地よい騙され方。ずっと「アヒルと鴨とコインロッカー」と勘違いしていた。「アヒルと鴨のコインロッカー」だったのだ。一字違いで大違い。神様と相対するのは覚悟がいる。他人事じゃない。

    後で出てくる松田龍平が、のちに瑛太と松田龍平のコンビで復活して、過去を語らないけど、飄々と仕事をこなしていったのは(「まほろ駅前多田便利軒」)、偶然ではなかったということか?大森立嗣監督は、2人を「来世で蘇らせて」「助けたかった」のだ。

    コインロッカーの中で鳴り続ける歌が、これはホントにあったことなんだと神話化する。2年後、中村義洋監督は傑作「ゴールデンスランバー」を撮る。

    (解説)
    隣人の奇妙な計画に巻き込まれた青年が、事の真意を知るまでを描いた青春ミステリー。原作は伊坂幸太郎の同名小説。出演は「シュガー&スパイス 風味絶佳」の濱田岳、「どろろ」の瑛太、「ハチミツとクローバー」の関めぐみ。監督は「ルート225」の中村義洋。2007年5月12日より、宮城県仙台市内先行公開。

    • kuma0504さん
      naonaonao16gさん

      そうですか。ブックス「なにわ」という店なんだ!あの普通さ加減がよかったですよね。他ロケ地情報ありがとうござ...
      naonaonao16gさん

      そうですか。ブックス「なにわ」という店なんだ!あの普通さ加減がよかったですよね。他ロケ地情報ありがとうございました。

      伊坂幸太郎作品は、本人はそう言われることは嫌っていると重々承知しているのですが、社会派である所を気に入っています。したくないんだけど、テーマにせざるを得ないんだ、というスタンスが好きです。そのエッセンスが、この初期作品につまっていました。

      ロケ地巡りは、大好きで、この間再開したばかりの県立図書館に行くと、岡山県ロケ地特集をしていました。興奮しました。

      中村義洋監督の伊坂幸太郎作品をまた観たいです。

      去年「アイネクライネナハトムジーク」を観たのですが、
      うーむ残念な一作でした。
      伊坂の原作は、時が行ったり来たりして、その叙述トリックを見破るのが楽しかったのですご、映画だから登場人物は推測できるから出来なかったのだろうけど、時系列通りに話は進むし、素敵な会話は、中途半端だし、その一方で原作通りに会話だらけの映画になっていました。
      1番は、斉藤和義の新作を何回も聞けたのは良かったけど、原作では「さいとうさん」は人物に合わせた斉藤和義の歌詞をプレゼントする設定になっていた。斉藤和義全面協力なんだから、その設定は活かして欲しかった。ホントに残念!

      長々とすみません。

      2020/05/29
    • naonaonao16gさん
      kuma0504さん

      こんにちは!
      わたしはすっかりkuma0504さんをフォローしている気になっておりましたが、フォローしていなか...
      kuma0504さん

      こんにちは!
      わたしはすっかりkuma0504さんをフォローしている気になっておりましたが、フォローしていなかったようで…今更ですが、フォローさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします!!

      伊坂作品に対する気持ち、わかります!チルドレンの続編の「サブマリン」や「フーガはユーガ」もかなり社会派で重たく、kuma0504さんがおっしゃる「したくないんだけど、テーマにせざるを得ないんだ、というスタンス」が伝わってきます。とても的を得た表現で素晴らしいです!

      ロケ地巡り好きなんですね!仙台は、初期作品の全てが詰まっているので、是非今度行ってみた時に、この作品のみならず、伊坂幸太郎作品のロケ地巡りをしてみてください!

      「アイネクライネナハトムジーク」、ご覧になられたんですね!少し残念とのこと、なるほどなという感じです(笑)斉藤和義があまり活かされてないというのは非常に残念です…当時CDを買って、そこについていた「アイネクライネナハトムジーク」を読んだのことを思い出しました。

      こちらこと長々とすみません…
      是非是非これらもいろいろ語りましょうー◎
      2020/05/30
    • kuma0504さん
      こんにちは。
      私もすっかりフォローされていると思っていました。ずっと「いいね」貰っていたので(^_^;)
      これからも宜しくお願いします。
      こんにちは。
      私もすっかりフォローされていると思っていました。ずっと「いいね」貰っていたので(^_^;)
      これからも宜しくお願いします。
      2020/05/31
  • もともと原作のファンでした。仕掛けが巧妙なミステリーです。ファンとしては、映像化できないだろうと思っていましたが、たまたま編集者さんが同じでしたので、映像化の企画書を見せて頂いた際、「出来るね!」となりまして。で、実際これがどう映像になるのか…と思いながら映画を観てみて、「出来た!!」と思いました(笑)。

  • 瑛太見たさに借りた。
    うん、そうだね。
    同じ顔して同じこと話してても
    ブータン人だと分かったら
    果たしてその人の言うことに耳を傾けるだろうか。
    アヒルと鴨はどこが違うのか。
    なぜ広辞苑でなく広辞林だったのか。
    なぜ椎名の本棚の本が根こそぎ無くなっていたのか。
    マーロンとシャロンの猫の話の意味
    謎が解けたら全て合点がいった。
    そういえば今日、外国から来た観光客に道を聞かれたので案内した。
    私が外国にいた時に現地の人に優しくされたように。
    小さいことだがそういうことかもしれない。

  • とにかく、キャスティングがすばらしい!

    巻き込まれ型の典型ともいえる、ごく普通の大学生を自然体で(に見えるように)演じてしまう濱田岳。
    ひとくちでは語れないような複雑な役柄を、独特の存在感できっちり演じ分けた瑛太。
    まっすぐな瞳で、自分の正義を貫く女性のつよさを表現した関めぐみ。
    運命を受け入れて、最後の仕上げをしようともがく切なさを滲み出していた松田龍平。

    特に関めぐみは、映画版のハチクロのあゆ役では、気の強さだけが際立って、脆さに欠けてたのが惜しいなあと思っていたので、この作品には本当にぴったりハマっていてよかった!

    原作のあの複雑な構造をどうやって映像化するのかと心配していたけれど、映画ならではの表現でうまくエピソードを構成していて感心しました。

    とにかく、ねこ派の私は、犬や猫をあんな目にあわせるやつらは許せない!原作にも、映画にも拍手!!!

    • まろんさん
      そうそう、私もこの映画を観るまでは、瑛太ってどちらかというと「素直ないい人」役をニュートラルに演じる役者さん、っていうイメージでした。

      で...
      そうそう、私もこの映画を観るまでは、瑛太ってどちらかというと「素直ないい人」役をニュートラルに演じる役者さん、っていうイメージでした。

      でも、この作品では、二役といってもいいくらいの演じ分けに加えて、命への敬虔な信仰と、どうしても許せない行為への抑えきれない怒りに引き裂かれる苦しみを静かに演じているところに凄味があって、瑛太ってこんな表現ができる人だったんだ!と感動しました。

      円軌道の外さんがすばらしいレビューを書いてる『それでも生きていく』の瑛太の演技につながっていく感じの演技でしたよね!
      2012/05/11
    • kwosaさん
      まろんさん!

      まろんさんの映画棚とレビューが良過ぎて、ついつい長居をしてしまいます。

      これは映画館にも行って、DVDも2回観ました。
      キ...
      まろんさん!

      まろんさんの映画棚とレビューが良過ぎて、ついつい長居をしてしまいます。

      これは映画館にも行って、DVDも2回観ました。
      キャスト、脚本、演出、パーフェクト!

      >『それでも生きていく』の瑛太の演技につながっていく感じの演技でしたよね!

      本当にそうですね。
      そして、あのドラマも素晴らしかったですよね。
      2013/01/23
    • まろんさん
      kwosaさん☆

      いえいえ、kwosaさんに長居していただけるなんて、うれしい限りです。
      お茶も出せず、心苦しいくらいです!

      原作があん...
      kwosaさん☆

      いえいえ、kwosaさんに長居していただけるなんて、うれしい限りです。
      お茶も出せず、心苦しいくらいです!

      原作があんなに複雑な構造なのに、
      かえってそこを生かしているというか、逆手にとっているというか
      おお、こうきたか!と唸ってしまうような作りかたでしたよね。
      瑛太の何を考えてるかちょっとわからないところとか
      無国籍な感じもすばらしくて♪

      そうそう、『それでも生きていく』も、忘れられないドラマです。
      なんといっても、風間くんが出ていたし、他のキャストも渾身の演技で。
      娘と身を寄せ合って、食い入るように観ていて
      エンディングとともに、やっと深く息をするのが恒例になっていました(*'-')フフ♪

      2013/01/24
  • ちゃんと生まれ変わって、2人で便利屋やってるよ。

  • 原作未読。なので、予想になってしまうが、これ、映像化するのが難しい作品だったのではないだろうか?
    オープニングからちょっと謎展開。中盤でその謎が解けて、後半は全体的な解答編。さすがの伊坂作品らしい面白さを十分に堪能できましたが、映像化に当たり原作から改変が必要だったのではないかと、その苦労もちょっと感じられます。
    全てが明らかになった後のエンディングは、観た人に解釈を委ねる余白がある物語なので、カタルシス感はちょっと弱めだけど、青春群像劇としてはアリだと思う。

  • 原作を再読したので映画も観ました。
    ドルジ・琴美・河崎の物語の最後にちょこっと巻き込まれた椎名。
    椎名と一緒にわからないながらも進んでいって、全てが明らかになった後に残るのは寂しさでした。

    がっつり削られてたエピソードもあってコンパクトにまとまってました。
    キャストが皆さん適役。濱田岳さんって良い意味で普通で安心します。
    ドルジの瑛太さんと河崎の松田龍平さんの変なやつ感が引き立ちます。ドルジの演じる河崎、ちゃんと河崎っぽかったの切ない。
    関めぐみさんも琴美の正義感強いとこがあって素敵でした。大塚寧々さんも。
    椎名の大学の友人、岡田将生さんっぽいなと思ったら岡田将生さんだった。ちょっとモサッとしててびっくり。

    ディランの曲、いいな。
    ディランが聞こえてくるコインロッカー、シュール。神様を閉じ込めて見ないふりしてもらう、って良かったです。

  • 10年ぶりに観た
    あの頃の☆の数

    改めて見るとツッコミどころも多くて、☆3つくらいだけれど、思い出補正と初見の興奮を思い出した。

    冒頭1時間の違和感が残りの30分で回収されていく。

    放たれた犬は自由の象徴であり、彼と彼女はその自由を守ろうとするが、死に導いていく役割でもあるのが犬だった。

    猫は逆に殺される対象、マーロンとシャローンの話と、玩具性を帯びていた。日本に来たばかりで虐げられる外国人のように。

    アヒルとは映画では外国から来たと言っているが、実際には人為的に作られた鳥。努力して日本人になり切ろうとした姿はまさにアヒルそのものだった。神様から隠れてまで。

    アヒルと、鴨のコインロッカー
    原作も読んでみようと思った。

  • かなり良かった。最初はコメディかと思いきや 何がミステリーなのかと思ってたら なるほどね〜ってだんだんストーリーが分かってくる行程がとても素晴らしい。
    ボブ.ディランの歌も とてもハマっており素晴らしく 役者もそれぞれの役柄が合っていて 可笑しくも悲しい映画だった。岳も瑛太も やっぱり 上手いねぇ。とても 優しい雰囲気が満ちていた。現実を結構描いていて 怖い感じもあったけど…
    素敵な映画だった。流石、伊坂幸太郎さんの原作。
    ラストは 気になったけど、、
        神様を封じ込めたという事で…。

    2018 再鑑賞。内容は知ってるのに やはり良かった
    人種差別という問題にも 改めて考えさせられた。
    「最初から外人と分かってたら 無視するだろう?」との問いかけに「いや、僕はそんな事ないよ」と応える
    私も そうだよ そんなの関係ないじゃん と思えたが ふと、振り返ると日本人は外国の人にも優しいというけれど…特に 欧米人とかにはコンプレックス持って 妙に親切だけど アジア系の人に対しては 見下したような態度をとってる事を 見かけた事があった事を思い出した(しかも、そこは区役所での係りの人の横柄な対応だった(~_~;)
    何だろうって思う?アヒルと鴨は似てるけど違う
    上手い例えだなぁと今更ながら思ったり…動物虐待の事件が多くあった事も思い出した。
    弱い者は自分より弱い者を傷つけるという 恐ろしい連鎖 それは 色んな立場を通してつながっているんだと思い当たる(悲しい事実)
    誰に対しても寛大じゃないといけないと思う!
    彼らの飄々として真面目で優しいところに清々しい気分になれた。

  • 原作を読んだときに、これは映画化は難しいだろうなぁ…、と思っていたけれど、この映画を見て、良い意味で裏切られたな、と思った。
    原作の大事な言葉が映像になってもしっかりと入ってくるし、なにより、この作品でも濱田岳くんは本当に素晴らしい演技だと思う。実は自分の中での椎名のイメージは少し違っていたけれど、あたたかくて無理がなくて、すんなり受け入れられた。
    「神様を閉じ込める」という伊坂さんの発想が好き。
    『風に吹かれて』が頭から離れられなくなる。

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