サッドヴァケイション プレミアム・エディション [DVD]

監督 : 青山真治 
出演 : オダギリジョー  石田えり  宮崎あおい  中村嘉葎雄  浅野忠信  板谷由夏 
  • ジェネオン エンタテインメント (2011年10月17日発売)
3.29
  • (27)
  • (60)
  • (121)
  • (26)
  • (9)
本棚登録 : 483
感想 : 75
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988102471835

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 『Helpless』は途中まで、『ユリイカ』は昔々に観てもう一度ちゃんと観たい…というレベルで観たサーガ最終章でした。
    閉塞感というかなんか暗い…そして北九弁って改めて聞くとコワイ。普段は意識してないけど。光石研さんやらでんでんさんはネイティブだから勿論のこと、浅野忠信さんや高良健吾さんのも怖いもんなぁ。。

    ケンジさんが歪んだのも元はといえば母親チヨコのせいだけど、この人謎でした。なんでずっと笑ってられるんだ…何考えてるんだろ。5歳の時に捨てた息子に今更めっちゃ頼るの、息子からしたら、は?でしかない。
    分かりやすくチャイニーズマフィアみたいな人は怖かったけど、チヨコみたいによく分からないけど不気味なのも怖いな。。
    アチュウ?くんサラッと居なくなるし、ケンジもさらっと弟殺して服役するしで…でも本当に間宮運送に帰ってくるんだろうか??
    間宮父良い人だったな…。この映画の良心。

    俳優さんたち皆さん良かったです。
    こういう人いそう…という普通な感じでした。
    嶋田久作さん激渋でかっこよかった。。

    「世の中は見てください、どこキレイなことあるの見せて」…この人ほんとはめっちゃ日本語出来るんやろうなって思いました。
    でも、全体的に台詞は聞きづらく、音楽は音量大きくてバランスとって欲しかったです。切り替えがちょっと大変でした。。

  • しんどい。

  • 2007年 日本 135分
    監督:青山真治
    出演:浅野忠信/石田えり/宮﨑あおい/高良健吾/オダギリジョー/辻香緒里/板谷由夏/光石研/斉藤陽一郎/嶋田久作
    http://www.sadvacation.jp/

    健次(浅野忠信)は、川島(豊原功補)という男と一緒に、中国人密航者の手引きをしていたが、中国人マフィアを怒らせてしまい川島は殺される。健次は、密航の船の中で父親が死んでしまった孤児のアチュンの面倒をみてやっていたため、殺されることは免れ、一緒に暮らしているユリ(辻香緒里)とアチュンの三人で暮らすように。

    やがて健次は運転代行業を始め、送迎したキャバ嬢の椎名冴子(板谷由夏)と付き合うように。ある日、運送会社の社長・間宮(中村嘉葎雄)を送り届けたところ、そこで健次は幼い頃自分を捨てて出て行った母・千代子(石田えり)と再会。千代子は間宮と再婚していた。再会を喜ぶ千代子は健次とユリ、アチュンを一緒に住まわせるが、健次は内心、母親への復讐の意図を持っている。さらに間宮と千代子の息子で健次の異父弟になる高校生の勇介(高良健吾)は反抗期で非行に走り…。

    『Helpless(1996)』『EUREKA ユリイカ(2000)』に続く青山真治の「北九州サーガ」三部作の完結編。Helplessは公開当時の1996年に映画館で観たのだけど、正直もう細かいストーリーは忘れてしまっているし、ユリイカのほうは残念ながら未見。ゆえに、実はちょっと物語の設定に入り込めず戸惑ってしまった。

    おさらいしておくと『Helpless』の時点で、1989年の健次は高校生、演じていたのは同じ浅野忠信。片腕のヤクザで幼馴染の安男(光石研)が出所してきて、諸事情により大勢の人間を殺害する。健次は知的障害のある安男の妹ユリ(本作にもそのままの役で出演している辻香緒里)と共に安男の荷物を預かったばかりに、色々と巻き込まれ、さらに彼自身の父親の自殺などさまざまなことが起こる。この『サッドヴァケイション』では、その事件から10年ほど経過しており、健次とユリは一緒に暮らしているが恋人ではなく、健次はユリを大切に守り続けているという状況。

    一方で『ユリイカ』のヒロイン田村梢(宮崎あおい)は、間宮運送で働くようになる。『ユリイカ』の登場人物である茂雄(光石研、Helplessでは別人の役で出ていたのでややこしい)と、両方の映画に出ている秋彦(斉藤陽一郎)のパートも差し込まれる。このへんはユリイカ見てないと全然わからない。

    間宮運送で働く男女は皆ワケアリ。借金取りに追われている後藤(オダギリジョー)は、梢に気がある風だが、梢が健次を気にかけているのが面白くない。社長の間宮は一見茫洋とした人物だが、社会からはぐれたものたちを受け入れる懐の広さがあり、嶋田久作や川津祐介が演じるコワモテの従業員たちは彼に恩義を感じ、会社を守るためには一致団結する。

    そして、本作のメインとなるのは、母・千代子と健次の葛藤なのだけど、この母がねえ、なんかもう、怪物。同じ女性の私から見ても何考えてるのかちょっとわからない。5歳で捨てた健次にまるで昨日も会ったかのように明るく接し、大喜びで家に迎え入れ、弟の勇介がグレはじめると「あの子はダメ」と切り捨て、連れ子である健次に、間宮の会社を継ぐように言ってきたりする。これって母性愛なの?そりゃ勇介グレるわさ。

    一番ドン引きしたのは、終盤で勇介がユリをレイプして家出、健次が勇介を殺してしまい、勇介の葬儀に来た健次の恋人・椎名が妊娠していることについて、千代子が「お腹の子は勇介の生まれ変わり」とのたまったこと。さすがに温厚な間宮が千代子をひっぱたいたが、心底ぞっとした。自分の息子二人が殺し合いをしたのに、よくそんな発想ができるなと。良く言えば逞しい、悪く言えば無神経。結局このふたつは表裏一体なのだろう。無神経で鈍感でなければ生きていけないくらい辛い人生だったのかもしれないけど、なんだか人としての心を失ってる気がする。たとえ態度に出さないだけで内心傷ついてるのだとしても。千代子への嫌悪感が強すぎて、この映画のメインテーマであるという母性の爆発とやらには付いていけなかった。

    面白いなと思ったのは、異父兄弟の葛藤部分で、兄による弟殺しが中上健次ぽいなあと思って観ていたら、あとで監督のインタビューで中上健次の秋幸三部作を意識していたことを知って、そこはなるほど、と思った。(https://eiga.com/movie/34098/interview/)余談だけれど、高良健吾はこの映画の後2011年には『軽蔑』2013年には『千年の愉楽』と中上健次原作作品に次々出ている。ミーハーな部分でいうと、浅野忠信、オダギリジョー、高良健吾のそれぞれ世代の違う映画スターがひとつの画面におさまっているのがなんだかとても贅沢だなと思った。

    終盤で、千代子の衝撃暴露もある。ユリは実は、健次の父親が安男の母と浮気して出来た子供で、健次の異母妹だったというのだ。千代子が夫と健次を捨てて家を出て行ったのは、それがショックだったからだと。もちろん同情はするけど、じゃあ健次も連れてったれよって思うし、いけしゃあしゃあと「あんたがユリと寝てなくて安心した~」とか言うデリカシーのなさにはやっぱりドン引きだ。

    全体的に長尺すぎる。健次のその後として『Helpless』の続編であるなら、『ユリイカ』経由の宮崎あおいを本作に登場させる必要は特になかったと思う。冒頭中国人マフィアやアチュンのエピソードも必要だっただろうか? あと板谷由夏が上品すぎてキャバ嬢に見えない。タイトルにもなっている、オープニングで流れるジョニー・サンダースの「Sad Vacation」(https://www.youtube.com/watch?v=LjtcQrelC7s)はとても良かった。

  • うまいが中途半端な感じがしてならない。映画を観ているよろこびを雁字させてくれん。つまり、テンションがあがらん。端的たさにつまらんな。こういう作ったようなへんな人たちドラマは、正直、つまらない。
    親が北九州出身なので方言は問題なし。
    「だべり〜」とか「くらっそー!」とか久々にきいた(笑)

  • 何とも言い難い悲しさがあり、その中でもその時その時に最善を尽くす姿に人の強さをかんじる。

  • 2019.2.12
    GAOにて、10年ぶりくらいに見返す。

    「この世に偶然のはないよ、会うべき人には必ず会う、そういうものなんだよぅ。」おどけた元医者の言う劇中の台詞だが、妙に印象に残る。

    石田エリの演技が狂気に見えるのは自分が男だからかしら。
    中村カツオ、河津祐介とかいいなぁと思う。

  • これも良かった!3部作、こういうふうにつながるのかあ、と楽しく観ました。

    *板谷由夏さん、綺麗だとは思ってたけど、こんなにいい女優さんだったとは。
    *久々に胸がきゅんとする愛の告白を見た。
    *最後の方の秋彦の台詞もよかったな。あの日まで生きてるか死んでるかわからなかった、ていうの。そうだったのか、と泣きそうになった。
    *人物造形のリアリティのズレとか、神話っぽく感じた。神話といえば、テーマ的に中上健次の3部作を想起せざるをえないんだけど、中上健次が小説でしか書けなかったものを青山さんは映画で見せているわけで、いずれも唯一無二であり、互換性はないのだろう。

  • どっかに書いてやろう、
    と思ってたこと
    たまたま選ばずに取ったDVDがこれで、浅野さん出てたからここに書こう

    何か今期のドラマにも出演している浅野忠信さん
    かっこいいし個性派俳優?実力もあってハリウッド映画にも出てて、日本を代表する役者さん、的な扱いにされてるよね
    男女共にファンだってひと多いし、日本の役者さんからも尊敬されてるよね

    何でかわたしこのひと嫌いなんだよな
    嫌いというか、この人がやってる役って全部おんなじ感じに見えるし、そもそもそこまで秀でている役者に感じないし、ここのところ観ているとたまたま映画、ドラマ出てるんだけれどその作品ことごとくつまんないやつ

    この映画もつまんなくて退屈過ぎた
    何なんだよ、つまんねー
    ドラマもちっとも面白くないし、何かほんとにここ最近ハッとしたの
    「あれ?浅野さんが出てるやつってほぼつまんねーな???」
    って(感性が残念)

    そうか、浅野さんを、絶賛出来なかったり、つまんないと退屈したり、そんなわたしの感性が一番アレなのか……?と今更困惑しておりますが、とにかくつまんなかったし、浅野さん出てるって分かると途端に「この映画つまんないかも…」と悲しくなってくるので、最近映画・DVD選ぶときにあんまりキャスト見ないようにしてるっていう程の影響力で、彼って色んな意味で存在感すげーな、と明後日な感想でレビューを終わります(とんちんかん)

  • 親がいなければ幸福になれないのか
    という台詞が良く出てくる。
    自分を見捨てたと憎みながら、戻って来てしまうところに情けなさと優しさが同時に在って、
    親というものに対して、ぶれまくってしまう気持ちが描かれているような気がした。

    「秘密を暴いて、ぶち壊しちゃろう思いよんよ」
    「秘密っちゃなんね?」
    「始まりよ」

  • 3部作ってことは、気にしなくて良いけど、
    全部見ていると、少し楽しめる部分がある。

    ユリイカより、Helplessを好きな人向けか?

    独特の演出の空気感なので、
    好みはわかれる。

    個人的には好きなのだが、
    静かだな〜

全75件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1964年7月13日、福岡県北九州市門司に生まれる。立教大学英米文学科卒。
1996年『Helpless』で劇場映画監督デビュー。2000年『EUREKA』がカンヌ国際映画祭で国際批評家連盟賞とエキュメニック賞をW受賞。同作の小説版が三島由紀夫賞を受賞。2011年『東京公園』でロカルノ国際映画祭金豹賞審査員特別賞受賞。2015年度まで4年間、多摩美術大学映像演劇学科教授。2016年度、京都造形芸術大学(現・京都芸術大学)映画学科の学科長を1年のみ務める。2020年公開の『空に住む』が遺作となった。2022年3月21日逝去。

「2023年 『青山真治クロニクルズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×