パーフェクトブルー 【通常版】 [DVD]

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監督 : 今敏 
出演 : 辻親八  堀秀行  江原正士  松本梨香  梁田清之 
  • ジェネオン エンタテインメント (2008年2月29日発売)
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988102530723

パーフェクトブルー 【通常版】 [DVD]の感想・レビュー・書評

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  • 想像もしないラストが良い。
    あと、精神崩壊時の描写が非常に心をうつ。

    ドキドキしたけど、引き込まれる映画だった。

    インターネット、ストーカー、アイドルなどテーマとしても先見性があった。

  • サイコホラーというジャンルを初めて知った 廻りつづけ平行を飛び越え続ける その間の自分を回収したり置き去りにしたりして自分が乖離していく感覚

  • ※わりと混乱した記述になっています。読む人に親切ではありません。

    ……怖い、めちゃくちゃ怖い……!!
    そこそこ人気のアイドルユニットから女優へ転身するヒロインの周囲で、「アイドル」という虚像に取りつかれた人々の起こす妄執のサイコサスペンス。1998年製とやや古い作品のため、携帯音楽プレイヤーはMD、ヒロインはインターネットを知らないなど、時代を感じるシーンもあるのですが、今も昔も変わらない、「アイドル」という存在への様々な形の憧れ=欲望の投影を生々しく見せつけられ、非常に後味が悪い。「虚像」をめぐる物語だけあり、何が本当かわからなくなるような演出が多用され、一応のハッピーエンドを見たかのような結末も、どこか不自然で恐怖を煽る。

    ヒロインの未麻はアイドルのわりに奥ゆかしく知的(という言い方をするとアイドルに失礼でしょうか)。演技派として実力を発揮しつつある彼女に与えられる女優としての仕事というのがこれまた酷く、ストリップ劇場で丸出しのおっぱいを揉まれながらレイプされる役や、いきなりのヌード写真など、現代のアイドルであればなかなか許されないような代物ばかり。とはいっても、倫理的に緩やかだった昔のお茶の間ではゴールデンタイムにおっぱいが生で揺れ動いていてもなんら違和感はないので、時代的にはそんなものなのか、いや、もうちょっと前の時代じゃないかな。

    いずれにせよ、良い家庭で温かく育てられ、知性も奥ゆかしさも持ち合わせたおとなしいヒロインが、それでも歯を食いしばって酷い仕事に耐える様にはルミちゃんでなくとも思うところがあるはずですし、女優になるからと言って、仕事相手に消費されるような仕事の仕方がまかり通っていいわけがない、とはいえ実際の現場では「アイドルとあれこれできてラッキー」くらいのかんじで若く思慮の浅いアイドルを消費財のように使い捨てる人間なんて今でもいくらでもいるのでしょうし、若くてかわいいアイドルに、話題性のためだけに過激なシーンを用意する脚本家だって珍しくもないでしょう、簡単に「こんなのおかしい、許されていいはずがない」ともいえない。そう しなければ仕事がもらえない現実があるのなら、手段を選ぶ贅沢なんてないのかもしれませんし、現に女優に転身するために決意してそのような仕事を受けた以上、やっぱりできないと逃げを打つのも職業人としてはいけませんしね。

    脱線しましたが、冒頭でもふれたように、アイドルの「虚像」にまつわる妄執のうち、男性の抱く妄執、女性の抱く妄執のステレオタイ プがかなり気持ち悪い形で描かれています。あそこまで至る人というのは珍しいですが、わずかな形としてなら、誰の心にでもあるっちゃある。アイドルの「光の中に包まれたい」という心理も今回描かれていましたが、突き詰めればそれも自己顕示欲、自己承認欲求の華々しい形での表れでしょうし、そこには、自己肯定感を得たいという気持ちもあり、そしてアイドルは処女性を売りにした存在=処女でありながら非常に性的な商品でもありますし、性的アピールの承認により自らの価値を高めたい、そういう気持ちもあるのでしょう。身勝手な誰もが真実を見失うなか、欲望、恐怖、混乱、自己喪失感、失望、さまざまな負の感情をも吸い上げるアイドルという「虚像」に誰もが理想を詰め込んで、自らを満たすために「虚像」を真実に仕立て上げようとする。「虚像」は完璧であり、この完璧な姿から零れ落ちるいびつなものはたったひとかけらでも許されない。逸脱はただちに裏切りになる。生々しく、グロテスクで、あえて人間の醜い部分に拡大鏡を当てているような作品です。

    愛され認められ可愛がられたい欲望をもつアイドル、清廉な心と処女性を持ちながら、同時に男たちの欲望を満たす存在という理想のアイドル像を押し付けるファン、そしてアイドルでいたい、アイドルでありたい欲望を捨てきれず、現役のアイドルを支えながら、アイドルから女優へ、処女性を持つ存在から非処女性を持たねばならない女優へと転身していくアイドルに唇を噛み絶望する、老いたかつてのアイドル、主に表れるのはこの典型的な3人なのですけど、いずれも「男性目線からのアイドルと、そのアイドルを囲む周辺人物」であるという印象を受けます。逆に言えば、男性目線の典型的理想的アイドル像を、登場する誰もが共有しているので、私のようなアイドルに理想を抱かないタイプには新鮮というか、女性から見たアイドル像はまた違うのではないかという思いもあるというか。叶えられない夢の理想形を現在進行形で見ている、母親が娘に自己投影して娘の人生をぐちゃぐちゃにする話はよく聞きますが、ルミちゃんはあれのかなり酷いバージョンなのだけど、不思議と嫉妬という感情はあんまり感じない。アイドルかくあるべしという規範みたいなものは感じますし、その規範からの逸脱にはかなり厳しい価値観を持っているけれど、嫉妬ではない。女性であれば、もっと嫉妬を強烈に感じるキャ ラクターとして描きそうな人だと思うのですけど、どうだろう。女性でアイドルに憧れるのって、「憧れられることに憧れている」ということは男性にもご理解いただけているところと思いますが、わりと性を通して自己肯定感を得たい、自らの美貌を誇っている、自らの若さの喪失に焦りを覚えている、そういう、「他者から見られた性的自分」とは切り離せないものとして、アイドルがある、というのは、アイドルに処女性という性的要素を求める男性からは理解されにくいところではないだろうか。ファンの側もそうですよね。嫉妬とい うより、裏切りとして未麻の女優への転身を見ている。ヒロイン未麻は嫉妬を向けられるのではなく、裏切りへの制裁、罪への罰として、まるで裁かれているかのよう。規範を脱した罪人に罰を。そういう追いつめられ方ですよね。欲望を理想=規範によって正当化しているというか。

    今作の登場人物にとっては、アイドル=自分自身を補完するもの、完璧な自分。そこに自分の気持ちを投影している限り、そこにいるのは生身の人間の職業としてのアイドルじゃなく、自分の欲望を埋め、満たしてくれる自分の理想形にすぎない。他者を通した自己愛。でももちろん未麻の人格を認める存在も出てくるし、アイドルという理想から逸脱する自分に未麻自身も、そして未麻をバックアップするルミちゃんたちも、完璧に未麻の人格を排除しているわけではない。けれどこのブレを許容することのできなくなっていく人物が今作の登場人物。理想と現実をうまくつなげられない。現実と隔絶した存在としてのアイドル以外認められない。そして自分の欲望「~して欲しい」を「~するべき」に知らないうちに移行させている。

    今もアイドルの話題が毎日ニュースなどで騒がれていますが、アイドルって歌を歌い踊りを踊るのに、不思議なくらいアーティストじゃない。表現者としてそこにいるのではなく、どちらかといえば性的商品としてそこにいる。性に奔放であることを売るビジネスはわかりやすい性的商品ですが、アイドルもあれ、処女性という性に頑ななところを売っている、いわば性的商品。

    人間から若さは失われていくもので、けれど分別は次第に培われていくもので、若いうちに安易に自己承認欲求を満たしたいがために危ない真似をすることには日々危機感を覚えておりますが(今作の未麻もややそうですよね、20前後の女の子が売れるために、期待に応えるために(さも先生や親に誉めてもらいたいと思うのと同じように)と、いやいやながらにおっぱいもおしりも丸出しでレイプシーンとか、全裸でエロティックな写真を撮られるとか、正直私はどうかと思う)、そういう若い子を食い物にするビジネスなんか腐るほどあって、大人の良識ってどこだと常々思っているのですけど、もういっそ、未成年をどうしてもエロい方面で起用しなければならない時はぜんぶCGとかにしちゃどうか。表現として絶対に必要な場面はあるだろうし、せっかくすごく技術高いんだから。

    だいぶん脱線しましたが、脱線ついでにひとつ。アニメだからこそ年端もいかない女の子があられもない恰好で非常に屈辱的な行為を強いられているさまを描くことができますし、アニメでさえこれだけ不快に感じるのだから、アニメでさえこれだけ生々しくに登場人物の心理を描き出すことができるのだから、反社会的・非社会的な作品をつくる際、もっとアニメを活用してはどうだろうか。クリエイターの頭の中を、現実に誰を深く傷つけることもなく再現できる最適のツールだと思うわ、アニメ。

    ところで、blueには、「エロ」「卑猥」みたいな意味があるようですね、「憂鬱」は有名ですが。日本ではpinkのイメージがありますが、pinkにまつわる性的意味はむしろ「同性愛者」をさすようです。ほんとにところかわればだなあ。あとサイコサスペンスには水槽と魚がよく使われますが、この組み合わせは本当に良くできている。

  • 「あなた、誰なのー」


    超高校級と謳われ将来を嘱望されていた高校球児の殺人事件。
    彼の父である諸岡三郎から、もう一人の息子である弟の進也の捜索をたまたま頼まれていた探偵事務所の加代子は、進也にかけられた兄殺しの容疑を晴らすべく、父親の探偵事務所長の浩一郎、愛犬・マサと真相の究明に乗り出す。
    時を同じくして、巨大製薬会社である三友製薬内でも事件が起きていた。三友製薬が過去に開発した薬品の治験方法をネタに、三友製薬に恨みを持つ結城が強請をかけていたのだ。社長の幸田から内密に処理すべく指示を受けた社員の木原は、極秘裏に対応を行おうとするが、三友製薬の負の所業を知るにつれ、どう対応するべきか次第に悩み始める。
    徐々に繋がりを見せる二つの事件。
    登場人物それぞれの苦悩の果てに見える事件の真相とは…?

  • なかなか強烈
    作成から十年以上たった今みても全く色褪せてないのが驚き
    何が怖いって、現実世界でも十分起こり得るって所だよね
    美少女だとか萌だとかBLだってもちろん一つのカテゴリーだけどさ、やっぱりこういう作品がもっと作られていくべきなんじゃない?最近食傷気味なんだよねテンプレばっかりで


    交錯する記憶と想像、あなたは誰?

  • 中々売れないアイドルグループの未麻は、新人女優として新たな道に進む為、アイドルとして自分を殺した。局からの過激な要望、元いたアイドルグループのファンからの脅迫、自身が考えていたよりも過酷な状況下に置かれていた。それとは別に彼女が在籍していたアイドルグループは地道ながらもオリコンtop100に入るほどにまでなって行った。私の選んだ道はこれで正しかったのか、葛藤と孤独に際悩まされるが保守的にはならない、いや、なれなかった。未麻が望んだ道を何とかしてあげたいと思い必死になる社長と会社、撮影関係のスタッフへの気遣いをしてしまったからだ。何時しかアイドルのまま人生を進んだ自身の幻影が現れる、そしてそれに反応するかのように周りで次々と殺人事件が起こり始めた、その出来事は彼女の精神を徐々に蝕んで行く。過激な描写とアニメの特性を活かした息を飲むテンポと構成、サイコサスペンスとして十分見応えあると同時に精神、思考共に未熟な彼女の成長を描いた映画。

    またこの映画はダーレンアロノフスキー監督がリメイク版権を買い取っている。レクイエムフォーアドリームとアカデミー賞を獲得したブラックスワンの
    至る箇所にオマージュが散りばめられている。比較して見るとこの二作品の見方が変わって面白い。

  • 主人公が、無自覚に自身の解離をマネージャーに肩代わりさせているのだとしたら…末恐ろしい子!

  • 岩男潤子の演技が圧巻やった。
    現実と虚構が入り乱れてこっちもおかしくなりそう。

  • 今敏の作品で共通しているテーマは「夢と現実の混同」と「現実逃避」。妄想代理人やパプリカでも顕著にそれは表れていたけど、パーフェクトブルーではより現実的な行動としてそれが出てくる。
    なぜ今敏がこのテーマに執着していたのかはわからないけど、聴衆に送りたいメッセージのひとつに「現実の自分をきちんと見ろ」があったんだと思う。
    自分の好きなアイドルが自分の事を好いてくれている、とか自分はまだまだ若くて本当だったらもっとモテてたはずなのに、とかそんな出鱈目を言ってるやつらに現実の自分はそうじゃないと突き付けてやりたかったのかな。
    でもこの映画を見てる人はきちんと分別できてるだろうし、できてない人はこんな映画に手は出さないかな。

  • ウマい映画。リメイクすることで、新しい・古いのよいバランスができていて◎。時代感も90年代生まれにはエモくて心地よかったです。

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