シッコ [DVD]

監督 : マイケル・ムーア 
出演 : マイケル・ムーア 
  • ギャガ・コミュニケーションズ
3.74
  • (39)
  • (84)
  • (65)
  • (10)
  • (2)
本棚登録 : 342
感想 : 94
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4571147372788

感想・レビュー・書評

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  • 【国民皆健康保険という素晴らしい制度を改めて教えてくれる最高のドキュメンタリー】

    皆さん、ここらで本格的な社会派ドキュメンタリー映画を見て
    大切な方と一緒に素晴らしい国に生まれた事を再確認してみま
    せんか?

    そんな皆さんに今回はマイケル・ムーア監督の『SICKO(シッコ)』
    をおススメしちゃいましょう!!

    皆さんが的確なレビューをされているように、先進国の中で唯一、
    国民皆保険制度が存在しない米国の現状に疑問を呈し、病気や怪我
    にあわれた人々の悲惨さと悲しみを前面に出し、保険の重要性を訴
    えている作品です。

    さて、ここで”国民皆保険”とはどういったものなのか、疑問に
    思われた方も多いでしょう。

    国民皆保険とは日本では1961年に執行された国が管理する医療
    強制保険制度の事で、皆さんが加入している健康保険がそれに
    あたります。

    一般に医者にかかると万単位で費用が発生しますが、万が一、
    重い病気や大怪我を負った場合は全額を自分で賄うのはよほど
    裕福な方でないと無理です。

    そこで国民皆保険という互助会制度(会員がお互いに助け合う)
    と税金の援助で、その費用を分担し、医療が必要な方を国民全員
    で支え合っているのです。

    それがあるお陰で裕福でない私達でも病気や怪我をした時に何の
    躊躇も無く病院に行き、適切な医療と投薬を受けられるのです。

    ではこの保険制度が無いと一体どうなるのでしょうか??

    高額な医療費を自費で全額賄うか、お金が無い場合は医者に
    かかるのを諦めるしかありません。
    そんな制度では裕福な人しか医療を受けることが出来ず、我々
    は日々病気にかからないように祈る事しか出来なくなります。

    そんな重要な国民皆保険制度が米国では無いのです。

    正確に言うと民間の保険会社が加入した会員のみに医療保険を
    担保していますが、作品中では民間ならではの規約があり、当
    たり前のように保証されないケースが多々紹介されています。

    それに対応する為、米国出張の際には新興国と同じく医療保険を
    契約する規約になっている企業が多いと思います。

    誰でもそれによって生じる人々の悲惨さを目の当たりにすると
    目を覆いたくなってしまうでしょう。

    作品中に出演している1948年に皆保険制度を施行したイギリスの
    元国会議員のT・ベン氏の言葉によると国家の国民支配には二つの
    方法があるそうです。

    1:国民に恐怖を与える(健康や雇用、戦争の恐怖)
    2:国民の士気を挫く(希望を奪う)

    彼はこう続けます。

    『教育と健康に自信を持つ国民は(体制側には)扱いにくく
     最後には手に負えなくなる。だから国民には自信を与えた
     くない。貧しく、士気を挫かれ、日々恐怖に震え、最善を
     祈っているだけの国民が一番安全である。』

    『借金に苦しんでいる者は希望が無い。
     日々の生活に追われ、それ以外の事に興味が無くなる。
     そして投票しなくなる。それは体制側の思惑である。』

    『もし貧しい人々が本気で自分達の代弁者(政治家)に投票
     したら、真の民主主義革命が起こる。それが困るから体制側は
     国民の希望を奪う。』

    ここで彼が言っている『希望を奪う』とは『国民を借金まみれにし
    健康に不安を抱かせる』事です。

    あまり政治的な発言はしたくありませんが、これって長年日本の
    政治家や役人が推し進めている手法だと思いませんか?

    最後に彼はこう言っています。

    『戦争は悪い事もあったが、一つだけ良い事があった。
     それは国民の完全雇用が出来た事だ。それで人々は気が付いた。
     戦争によって完全雇用が出来るのであれば、そのお金を使って
     平和利用で完全雇用が出来るのではないか、と。
     病院や医療にそのお金を回して平和的に利用すれば人々の雇用
     を確保し、国民全員を健康にする事ができるだろう。』

    日本では残念な事に一部の政治家や役人が、米国に倣えで国民
    皆保険という素晴らしいシステムを捨て去ろうとしているかの
    ような発言をされる事がたまに見え隠れします。

    これは『The Cove』でもご紹介した”米保険業界”からの日本へ
    の圧力だと思われますが、これら発言を行った政治家達や役人は、
    どちらの国民の為に働いているのでしょうか?

    日本国民?いやいや、米国経済を救済する為でしょう!!

    本当に日本の為になるのならば、外国からの圧力であっても、
    我々は喜んで受けます。

    しかし”国民皆保険制度”を”撤廃”する事は国民の生命を
    危険に晒す、最悪、最低の行為です。

    リスクを開示せず、国民の為と誤認させるような宣伝を税金で
    行い、米国に言われるがまま法律を通そうとする。

    このような私利私欲に走る人間が政治家や官僚として国家の
    中枢に未だ存在している以上、日本は国民の為の国家には
    なりえずに、ただ米国の利益の為、思惑の為だけに存在する
    都合の良い奴隷国家であり続けるだけです。

    皆さん、選挙に行きましょう。
    そして考えましょう。
    誰が本当に我々が願う未来を実現してくれるのかを!!
    その為の選挙権なのです!!

    最後に・・・

    裕福であっても貧しくても一律に同じ恩恵を受けることが出来る
    この素晴らしい国民皆保険という制度が、未来永劫、いつまでも
    続いていって欲しいと思います。

    このように今件で示されている問題は対岸の火事ではありません。
    是非ともこの作品を視聴して、日本が悪い方向に行かないよう、
    今一度考えてみて下さいね!!

    クライマックスでは大泣きしてしまった・・・むう達でした!!

  • アメリカに留学時に必ず保険に入るよう薦められ入ったものの、意味はよくわからずにいた。
    その後、アメリカには国民皆保険制度がなく、一度入院すれば莫大な費用がかかることはなんとなく知った程度だった。
    そして、この映画を見て、国民皆保険制度がないということがどういう事が具体的に知ることができた。
    心痛めるような内容も沢山ある。
    お金の汚い部分も・・・
    合わせて、諸外国の保険制度が知る事ができてとてもためになった。日本のはでてこないけどね。

  • 日本の国民皆保険、フリーアクセスがいかにありがたいか実感しましょう!
    でも、この制度を食いつぶすハイエナのような輩が日本に存在するのも事実だけど・・・

  • めちゃくちゃ面白かった、と共に衝撃を受けた。
    アメリカという国については、一度ちゃんと知る必要があるなぁ、やっぱり。

  • 体調的に見れないかもと思いつつ、
    今週で上映終了と思ってつい見ちゃった。

    正直とってもよかった、面白かった!
    笑いあり涙あり、って安っぽい表現じゃなくて、
    もっと衝撃的で、我が身を考えさせられた。
    やっぱドキュメンタリー映画はいいね。
    体調なんて全く気にならんかったわ^^;

    私達の知らないアメリカ医療の実態が悲惨。
    日本でも不払い問題とかちょっと話題になってたけど、
    人種のるつぼアメリカならではの事情もあって
    保険に入っていても救われない患者さんが悲痛です…
    国の医療制度が進んでいる国の例として
    カナダ・イギリス・フランス・キューバが出てきて、
    対比の仕方が何とも言えずアメリカ批判的で面白かった。
    って笑い事ではないよね^^;
    ただもちろん、ディレクターのマイケル・ムーアは
    "意図的に"こういう対比を用いているのだから、
    安易に双方を鵜呑みにするのはいけないけれども…

    保険とか医療の細かいことなんて、
    実際自分が病気になるまで考えないよね。
    それは日本にいてもそうだけど、
    カナダ滞在中に病気になったときに一番感じた。
    今こうやってアメリカの医療の実情を知って、
    留学したのカナダでよかった!って真剣に思った…
    そして日本がちょうど双方の間くらいにあるってことを
    私なりに認識して、
    日本の医療も負担増率とか言ってるし心配になった…
    リアルに明日は我が身かもしれないね(´・ω・`)

    何か、説明してもしきれないし分かりにくいので
    興味のある人は是非ご自分でお確かめ下さい!!

  •  お馴染みムーア映画。今回はアメリカの社会保険制度がテーマ。

     まず、この映画の内容がかなり主観的であることは言っておきたい。医療体制が非常に充実して受刑者が守られているというグアンタナモ基地では拷問行為が行われているし、イギリスやフランスの税率については映画内で触れられていない。
     だが、それでもアメリカの現在の医療保険制度(というか業界、政界)が目も当てられない程ひどいことには変わりはない。
     保険が下りず治療が受けれない人々、入院費が払えない為町に捨てられる人々、命が利益の為に簡単に扱われ死んでいく姿は心底怖いと思った。
     ムーア作品の大きなテーマの中に資本主義の暴走があると思う。ただ利益を目指す、それが気がつけばとんでもないことをしている。
     と、堅苦しく書いてきたが、そんなテーマを絶妙な軽いタッチで描いているのがムーア作品のうまいところだ。
     この映画は吹き替え版を強くお勧めする。吹き替え版でないと、この絶妙な軽い感じがうまく伝わらないのだ。
     ラストカットの洗濯籠を持って歩くムーアがいい。

  • ドキュメンタリーというか、ドキュメンタリー自体を風刺したモック・ドキュメントに見えてくる。相変わらず観客の心を掴むのが上手い。
    医療ドキュメンタリー映画のはずなのに、妙なカタルシスすら感じます。面白かった。

  • 凄くいいドキュメンタリー映画でした!!
    アメリカの医療事情もさることながら
    他国を見て日本もアカンなぁと実感…
    やっぱり国民から声をあげていくことが大事やと思いました。

  • アメリカの保険制度の実態を描いた作品

    アメリカのイメージが変わること間違いなし!

    ドキュメンタリーが苦手な人にもきっと受け入れられると思う

  • 構成が上手!!
    アメリカの知られざる現状を体験談を交え紹介、そして海外ではどうなってるの?と海外を紹介するんだけど、その国選びが絶妙。イギリス、フランス、キューバ。もうアメリカ人に与えた衝撃はどれほどだったんだろう。

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