潜水服は蝶の夢を見る 特別版【初回限定生産】 [DVD]

監督 : ジュリアン・シュナーベル 
出演 : マチュー・アマルリック  エマニュエル・セニエ  マリ=ジョゼ・クローズ  アンヌ・コンシニ  パトリック・シュネ  ニエル・アレストリュプ  オラツ・ロペス・ヘルメンディア 
  • 角川エンタテインメント
3.80
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本棚登録 : 729
感想 : 173
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988126205706

感想・レビュー・書評

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  • 感想を言葉にできない映画。
    ドミニクの想像や実際の感覚が映画の様、綺麗で、ユーモアもあって、切ない。

  • 音楽と、映像の撮り方がすきです。

  • 徐々に燃え尽きて、思い出の灰になる

    見終わってから何が悲しいのか、もしくは感動したのか
    よくわからないままひたすら泣いた一本。

    脳梗塞で倒れ、意識はあるのにコミュニケーション手段は
    片目の瞬きのみ。
    そんな中でも自分には記憶と想像力があると
    希望を持ち、瞬きだけで小説を出版する。

    潜水服で沈んでいく主人公に
    「あなたは私の蝶だから」と、言うシーン
    あんな愛の言葉があるものなのか…
    重く感じそうな題材を
    ユーモア溢れるカメラワークと
    素敵なミュージックがいい意味で軽くする。
    とにかく全てがバランスよく素晴らしい。

    愛する人が、もし潜水服を来て沈んでいきそうになったならば
    わたしも「あなたは蝶だ」と言い
    そして一緒に想像力でどこまででも飛んでいきたい。

  • 実際今音声の言語表出がない方々と接する機会が非常に多い中で、自分の彼らへの接し方について改めて戒められるというか、考えさせられた。
    ちゃんとその人自身のことを見ているかな、その人のことを見てる自分を見てないかな、わかりやすい返答がないと、あたかも鏡に話しかけてる気分になってしまって、そんな自分によって、何かしてる気分になってしまうことがある。
    何かしてあげたいとか、心を揺さぶるとか、そういうことじゃなくて、本当にありのままに、「そういうものだ」と、普通の日常の延長上としてコミュニケーションをとったり、興味をもったり、そういう関係性を作れるような自分になっていきたいとそう思う。

  • タイトルは知っていたけど観たことなかった作品。ELLEの編集長の自伝を映画化したのか。。。すごいタイトルセンス。さすがだなと思うほど。Le scaphandre et le papillon 潜水服と蝶。これを潜水服は蝶の夢を見ると訳した邦題もすごく好き。
    主人公と父の電話のシーンすごく泣けた。言葉を発することができなくなった息子にアパートから出ることができない94歳の父が電話越しに話しかけ、それをアルファベットを並べて瞬きで応えるそのもどかしさにすごく泣けた。それと元妻が介護する中でかかってきた元恋人からの電話。それを通訳する元妻が不憫で切なくて…残酷すぎて。苦しくなったけど所々絵が綺麗。
    主に主人公の目線での画だから最初見づらいんだけど、とくに目を縫い合わせるシーンとか観てて本当に辛かった。あの撮り方は斬新だなって。良かった。良い作品だった。

    U-NEXTにて。

  • たぶんすごく有名な映画、ようやく鑑賞。公開されたのってもう12年も前なのね。★5は若干盛ってます。

    元々観たかったのだけど、観ようと強く思わされた理由、ひとつはジャンジャックベネックスが、ジャンドミニクボービーの原作を書く過程をドキュメンタリーとして撮っていたこと。
    もうひとつの理由は、ポランスキーの『毛皮のヴィーナス』を先に観て、マチューアマルリック&エマニュエルセニエって、これで共演してたのねって知ったため。

    オープニングでキャスリーンケネディが製作、ヤヌスカミンスキーが撮影と出てびっくりした。スピルバーグの映画をずっと観てる人にはおなじみ。

    原作者、主人公のジャンドミニクボービーってものすごい壮絶、というか数奇な人生だよなあ…ELLEの編集長で、「閉じ込め症候群」になってしまうんだけど、映画を観るとハイジャック事件も…ほんとうに、事実は小説よりも奇なりです。だから映画にして面白くないわけがない。

    この映画、『ジョニーは戦場に行った』と近い。ジャンドミニクだけが数奇で特別なのではなくて、ひきこもりの映画と捉えるとものすごくグッとくる。カフカの『変身』なんかも同様。
    彼は片目だけで世界を見ている、片目が世界に開いた唯一の窓。これはカメラやスクリーン、テレビ画面に相当する。つまりそれは、家の中で映画ばっかり見てる私なんかとまったく同じなんです。
    主人公が希望を失ったとき、芸術や想像力にどれだけ救われたか…(『巌窟王』、モンテクリスト伯も似たような話で「そのせいか…」と思ったりもするけど笑)、私も死にたいと思うことは多いけど、そういう時にはやはり映画や本に救われたりすることが多い。

    それと、私がよく思う「重かったり辛い内容に、逆に笑いを入れる」映画なのも好きな理由。主人公がこうなったのは悲劇ではあるけど、めちゃくちゃ笑える。こういう状態になっても男は男で…美人の女の人の胸の谷間とか、スカートと太ももの間とか、舌がエロいとか、そういうとこばっかり見てる。ゲラゲラ笑いました。
    これは動物的な本能でもあって、死に瀕した時って、性欲が生きる希望のひとつになったりする。目に見える女性たちがみんな美女なのは、主人公の心象風景でもあるのかもしれない。つまり、蝶の夢=想像力=映画表現というのは自由ってことなんですね。

    チネチッタや、あとマーロンブランドなどの映画ネタにもウケました。しかも『キャンディ』の時のマーロンブランドだと思う笑。

    当初は主演がジョニーデップ、言語は英語の予定だったそうで…いやいや、それは雰囲気をぶっ壊すから絶対にやめた方が良い、そうならなくてほんとによかった。だってもはやカリブの海賊だもんね。
    マチューアマルリックはほんと良い俳優さん、『ミュンヘン』でも彼は強烈な印象を残してました。(当然、キャスリーンケネディがプロデュースだけど)
    ちゃんとフランス語話者でやってるからこそ、フランス映画とアメリカ映画のハイブリッドにしっかりなってて良い。
    ジュリアンシュナーベル監督の他の作品も観てみたいところです。ルーリードのベルリンはDVD欲しいなあ。

  • 10年ほど前にシネマライズで見たのだけど、たまたまGYAOで配信されてるのを見つけて、ここ数日通勤時間に見ていた。
    タイトルがとても印象的で、それだけで素敵な映画だと期待させる。言語療法士の「E, S, A,…」にすごく聞き覚えがあり、やっぱりまた同じところで泣いてしまった。

  • 原作を読んでみたくなる。静かだが深い話。1人称の多用は時折息苦しいが、この映画はそれも演出の一つとして成立しており没入感を高めてくれる。

  • たぶん、今年一番良い映画を見たような。

    ずっとタイトルが素敵だな、内容も面白そうだなと思っていたけれど、なぜかレンタルショップなどでも見かけず。見つけて飛びついたら、案の定、とんでもなく良い映画でした。

    実話を元に作成されていて、主人公はELLEの編集長。短いですが、彼が編集長だった頃の生活ぶりや服装なんかも見られます。華やかな生活を送っていた彼が、脳溢血に襲われて、3週間の昏睡状態から目を覚ますところから映画は始まります。

    左目しか動かないジャンドーの内の声を観客は聞けるけれど、外には聞こえない。こうして見ると、自分が思ったタイミングで誰かに話しかけたり、質問をしたり、Yes/Noではなくて、自分の言葉で誰かに返答できることが、どれだけ素晴らしいかということを痛感します。

    お父さんからの電話のシーンが一番辛かったです。「パパだよ(C'est papino)」と自分のことを名前ではなく、息子がいつも自分を呼んでくれているであろう呼称で名乗るお父さんが、可愛くてかわいそうで。

    潜水服で沈んで行くような毎日だけれど、自分には想像力が残されていると思うジャンドーも素晴らしいけれど、そんな彼に「私はあなたの蝶よ」と言える言語聴覚士のアンリエットにも、自分の結婚を破綻させる原因になった相手の女性との電話を繋いであげる元妻・セリーヌにも、ジャンドーのヨダレをぬぐってあげる息子にも、すごくすごく感動しました。

    普通というのは、普通を支えるすべてのことが、繊細なバランスで成り立たせているものであって、決して「あって当たり前」のことではないのだと、しみじみ思いました。「俺の人生は、小さな失敗の連続のように思う」というモノローグとともに、氷山が欠けていく映像が流れるのが、一番最後は氷山が元の姿に戻っていくところで、エンディングの衝撃も相まって涙腺が崩壊しました。

    どうやら、元々はジャンドーの役をジョニー・デップで、全編を英語で撮る予定だったそうですが、マチュー・アマルリックとフランス語で正解だと思います。

  • 字幕: 松浦美奈

    原作を読むべきかなあ。ジャン=ドーの心の変化の描写が結構あっさりな気がする。これは原作通りなのか、はたまた監督の意図なのか?

    映像表現が独特だと思ったら、監督のシュナーベルはアーティストでもあることを後で知る(恥&遅)

    マチューの、もうひとつのセザール受賞作『キングス&クイーン』も観ないと。

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