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- / ISBN・EAN: 4988013524248
感想・レビュー・書評
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エンジェルがとにかく美しかった。完成度の高い美人でびっくりした。夢をみて、それを現実とし、美しい物に囲まれ、なりたかった小説家になり、そして憧れの屋敷に住み、愛する男も形では手に入れた。
欲しいものすべてを手に入れたエンジェルが堕ちていくさまが、また美しかった。
捨てたかった現実、夢見た現実。儚いなぁ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ANGEL
2007年 ベルギー+フランス+イギリス
監督:フランソワ・オゾン
出演:ロモーラ・ガライ/シャーロット・ランプリング/サム・ニール
フランソワオゾンにしては珍しい、コスチュームプレイもの(?)ですが、色彩感覚的には、初期の頃の、舞台演劇のようなポップな色調に戻ったかのようです。視覚的に、とても見ていて幸せな映画でした。ストーリーも、オゾンらしいシニカルな視点もありつつ、ちょっと特異なエンジェルというヒロインに、とても深い愛情を感じる作品です。
一言で言ってしまうと、エンジェルというのは極度に妄想癖(=それを口に出した時点で虚言癖)がある、どちらかというと痛い子なんですが、彼女の頭脳はその妄想世界をあまりにも綿密に構成できて、そしてそれを小説できる文才に恵まれていたために、それを妄想で終わらせずに現実にしてしまうパワーがあるんですよね。最初の頃は、礼儀知らずで思い込みが激しく、なんだこのバカ娘、って思っちゃうんですけど、はからずもそのへんは、観客にいちばん近い視点を持っていると思われるシャーロット・ランブリング(出版者の妻)が言葉にしてくれます。でも彼女は、その妄想を現実にしたから偉い、ってことまで。結局、観客は彼女を憎めない。
妄想と虚言を現実化した彼女の、しかし最大の不幸は、妄想の世界から出て現実の恋をしてしまったことでしょうか。お約束のようにろくでもない男にひっかかり、現実の恋を得ると引き換えに、彼女の文才は色褪せてしまったかのよう。ずっと妄想と虚言の世界で、架空の恋を夢見る少女のままでいたほうが、彼女にとっては幸せだったのかも、と思わされてしまいます。
もうひとりのエンジェルともいうべき、同じ名前の少女=アンジェラの存在が物語には最初から見え隠れしてるんですが、彼女が最後に思いがけない状況でその全貌(?)を顕したときに、まるでパラレルワールドのように世界は表裏を逆転させてしまうんですよね。実に上手い伏線だと思いました。
しかし見終わった後の気分は、悪いものじゃないです。最後までエンジェルに無償の愛情を寄せ続けた、秘書と出版者の二人の存在が、エンジェルの人生を俯瞰させ、それでも彼女は幸福だったと思わせてくれるからでしょうね。余韻の残る映画でした。
(2008.03.03) -
オゾン監督の作品なので、「8人の女たち」のような可愛いくてカラフルな衣装や小道具を期待して借りてみました。
確かにエンジェルが着てる服やドレス、おうちの家具の配色がすごく素敵でさすが!って感じ。エンジェル役のロモーラ・ガライの笑顔も可愛くて良かった。
でも…ストーリーは前半は良かったんだけど、後半がちょっとダレてしまって残念。あと、明らかにはめ込み画像な部分がたくさんあるのも気になりました。もうちょっと映像面に力を入れてほしかったな。 -
「」
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うーん
うーん
2時間が長く感じた
オープニングの女学生の足元のカットが可愛くてワクワクしたのだけど
…なんか不思議な話だった
主人公が虚勢を張ってちょいちょい謎な嘘をついてたので
なにが真実か嘘かもわかんないんだな、
終わってみると
前半の「本は全然読みません」とかからして怪しいのかも
うーん
出身地にコンプレックス、っていうから過去に何かあった、とかの前振りかと思いきや
別にそういうわけでもなく、ただのアレな感じだし
昔風の撮り方みたいな実験ぽいシーンも効いてるようには思えず。
衣装が何より雄弁だったな。
フランソワオゾンは女性がお嫌いかしらと一瞬思った。
あんまり見たことないのでわからないけど
でも女の人を描いた作品が多い気がするけどな。
マイケルファスベンダーのお尻を再び拝んでしまった。
あと、「プライドと偏見」のミスタービングリー役の人がちょい役で出てて嬉しかった。
(2007/ANGEL) -
若くして富と名声を手に入れた女性作家の話。
ワガママで、現実ではなく妄想ばかりを話すいやな女だけど、作品はすばらしく
華やかな人生をおくるが・・・・・・・
見ていてあまりにも成功が早すぎて、え?まだまずいでしょって思いながら見た。
そしてやっぱり。。。。の状況
人生はプラマイゼロを極端にあらわしている映画
フランソワ・オゾンの中でも色が比較的少ない感じもした。
ただ、服装で主人公の女性の心境などを表現しているのがよかった。
エスメに会いに行くときの緑色のドレスがすごく素敵で。美しかった
それから様々なことが起きるごとに着るものがかわっていく。
最後のほうは魔法使いみたいになってたな
ストーリーがちょっぱやな展開なのを、主演のロモーラ・ガライって娘は
表情などの変化でよくあらわせてた
にしても、女性の表現者の話はやっぱり見入ってしまう。ついつい
ただ、基本シリアス目線の作品なんだけど、
謎なシーンが何箇所かあって笑ってしまった。
飼ってた犬が死んで、同じ種類の犬がくるくだりとか、朝裸で小説を書いているときの
ケツチラシーンとか、謎なポイントもちらほら
絵描きの男の芸術家としての気質も謎だった。
彼の作品は私は好きではなかったけど、死ぬ間際に描いた孔雀の絵は素敵だったな。
あとは、馬車のシーンの合成がチープで他の美しい映像と合ってないのがいやだった。
旅で砂漠に行ってるシーンとか、ひどすぎて笑っちゃった
この映画を見て大人になる前に成功するのはやっぱりあんまりよくないことなんだなって
改めて思ったよ -
ただ甘いだけでは、終わらない。
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オゾン監督の撮る絵は上品な美しさがあるなあといつもおもう 何もかもが上流階級風ていうか
彼女の傲慢さは恐ろしいというかここまでいくとあっぱれすぎる 見た目に弱いんだなあ。傲慢な中で 時々こぼれる弱音が 彼女も脆い女の子なんだなって感じさせた。
顔 雰囲気で繕っても所作や姿勢で育ちはバレてしまうのだなあと 改めて思った。取り繕えないのだなあと、怖い。 -
エンジェルが可愛すぎる。