第28作 男はつらいよ 寅次郎紙風船 HDリマスター版 [DVD]

監督 : 山田洋次 
出演 : 渥美清  音無美紀子  倍賞千恵子  岸本加世子  前田吟  下條正巳  三崎千恵子  小沢昭一 
  • 松竹
3.67
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感想 : 15
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  • / ISBN・EAN: 4988105058606

感想・レビュー・書評

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  • 新春恒例の『男はつらいよ』シリーズを観賞しました!(^o^)

    1981年、松竹映画。監督は山田洋次。シリーズ第28作です。
    主演は渥美清。マドンナ役は音無美紀子。それにWヒロインとして岸本加世子が登場します。
    そのほかサイドストーリーの共演としては、犬塚弘、前田武彦、東八郎、関敬六などで、主ストーリーの主要人物としては小沢昭一と地井武男が登場します。

    今回の『男はつらいよ』は特にしっとりと風情溢れる出来だったと思います。
    柱となるストーリーとしては2本立てで、騒々しい(!)岸本加世子が一緒のストーリーと、本来の(?)マドンナである音無美紀子とのストーリーですね。

    岸本加世子は本当に騒々しかったです。(笑)もともと当時の彼女のキャラだったかもしれません。
    家出娘の岸本加世子に寅さんが翻弄され迷惑に思いながらも一緒に旅をしてあげる辺りはさすが情に厚い寅さんならではの展開でした。
    そして娘のお兄さん役の地井武男がまたいいんですよね。本当に海の男!という感じになっていました。
    このお兄さんに寅さんが絡めばそれなりのストーリーになり面白かったとも思いますが、いかんせん当時の岸本加世子ではちょっとマドンナには若すぎたのでしょうか。それなりに兄妹愛にはしんみりきましたが、ここで寅さんが絡んで大騒動という線もあっただけに脚本的には惜しい気もありました。

    そして、音無美紀子のストーリーです。やくざな小沢昭一が死の間際に自分が死んだら妻である音無美紀子を貰ってくれと寅さんに頼んだのを本気にするといういつもの寅さんのようでもあり、情が厚い寅さんだけに思いやりが前面に出過ぎていた感じもあり、演出自体がしっとりするものになっていてとても情感のこもる展開だったと思います。
    案の定、ラストで恋は成就しないわけですが、お互いがノーという反応を建前上はしていても、寅さんだけでなく本当は音無美紀子の方もイエスと言いたかったのではないかと、そんなことを思わせるようなシーンに何ともいえない情感の余韻を醸し出していました。
    さすが山田洋次監督。男女の別れを演出させるとピカイチですね!

    しっとりとした風情に溢れ、いつまでもしんみりと情感が残る佳作です。

  • とてもよかった。いい兄貴を持っている岸本さんも可愛かった。
    寅は、あの人と結婚できたはずだった。しかし、最後の場面で、あそこでああ答えてしまってはダメだった。でも、互いに気を使っていた、この人ならいいよ、と思っていたはずだ。女の人の書き方がやや消極的だった。寅が答えたあとの女の人のよかった、が重く響いたね。難しい。ここで所帯を持つべきだった。就職試験の結果もあって、またフーテンすることになる。

    2016.6.6.

  • "男はつらいよ"第28作。九州秋月に闘病中の兄弟分を訪ねた寅さん。自分の死後は妻の事を託したいと言われ、また夫の死期が近いことを打ち明けて寅さんに感謝する彼女のことを意識してしまうが。。。

    珍しく結婚に前向きな寅さん。就職活動までして真人間になろうとするが、そうは問屋が卸さないのがこのシリーズ。二人の仲はあっさりと壊れてしまう。でもあれは完全に誘いの"No"だよね。そこを一押しできないのが寅さんなんだが。物悲しい落ち。ああ見えて奥手の寅さんに変化球を投げるマドンナもいけないんだが。。。

    セカンドマドンナ?にハイテンションの岸本加世子と、その兄にごり押し遠洋漁業男の地井武男が登場。これらのパワフルっぷりと、静かな本編側が好対照な一作。

  • 福岡の宿屋にあった花瓶が実家にあるやつと同じだった。
    黄色いねじりはちまきの地井武男。兄と妹の激しいやり取り。泣きじゃくる愛子の台詞につられる。

    再び真人間になると意気込む寅。
    結局あと一押しが出なくてすれ違い。
    面接を受けた会社からの不採用通知に「こりゃ、とんだ三枚目だ」と目を細める。

  • 出演当時31~32歳のマドンナといえばここ最近では大原麗子、松坂慶子がいた。ただ同年代のマドンナながら寅さんに合うかも…と思わせる風格を出せるのは脚本の良さも手伝いながらこの音無美紀子という女優さんの力量あってこそであったことは間違いないだろう。彼女の言う「しっかり稼いでね!」は寅の違った人生を夢想させるに十分な力強さがあった。

    岸本加世子と地井武男の若さが新鮮!岸本加世子は21歳と映画界にもまだ飛び出したばかりの頃ながら自分のキャラを出しきっていて感服。地井さんは見た目でもっと若いころなのかと思ったら意外と四十に届きそうな頃だった。力いっぱい怒鳴り散らす姿は「北の国から」での携帯投げ込みシーンを彷彿とさせる名演技。もちろん、つい最近「黒い雨」(1989) でお会いしたばかりの小沢昭一のいい仕事はいうまでもなく。よかった。

  •  的屋仲間が重病になったことを知った寅さん。「自分が死んだら女房と結婚してくれ」と言われた寅さんは。。。

     良くも悪くも標準的な寅さん作品か。
     それまではりきってるのに本人だけには言えない寅さん。音無美紀子とまんざらでもないのに寅さんがYESと言わないので自分も思ってないと言ってしまう演技がうまい。

  • これははっきりとTVで観た覚えがある。倒産で流れてきたコンピュータゲームを満男がやっているシーンが印象に残っていたのだろう。タコ社長の言う大手資本のおもちゃメーカーは任天堂(のゲーム&ウォッチ)だと思われる。秋月の三連水車が懐かしい。寅に押しのけられて顔から机にぶっ倒れる満男は絵的に面白い。本州役の関敬六が旅館の客として出演。柴又駅でのクライマックス、未亡人の切り出し方は両天秤で気に入らないな。倉富常三郎邸の壁に北原白秋「帰去来」の拓本が貼ってある(こういうとき音声ガイド便利)。

  • シリーズ28作目。マドンナは音無美紀子。

    余命短いテキヤ仲間から「女房を頼む」と言われ、その気になってしまった寅さんが騒動を巻き起こすわけですが、音無美紀子のキップのよさや気立ての良さ、よい感じの年増感などがとても魅力的なわけです。テキ屋というところでは寅さんと実にお似合いとも思え、なんとなく期待を持たせます。結局、彼女にその気はなく、それを察した寅さんの方から引いてしまうという、切ない展開が待っているのですが…。

    またサイドストーリーで強烈な存在感も放ったのが当時18歳の岸本加世子。とにかくケラケラとよく笑う奔放な家出娘の役で、すごく可愛いのですね。前半の彼女との2人旅のシーンはなかなか愉快だし、彼女を迎えに来た兄との場面にはホロリとします(地井武男が精悍でかっこいいのだな)。本筋には全く絡まないエピソードなんですけど、とても印象に残ります。

  • 最後の(光枝さんを駅まで見送る)シーン

    個人的には、光枝さんがもう少し女の弱いところを魅せてくれても良かったような気がする。

    同じテキヤの間柄故、寅さんに甘えても良かったんじゃないかな

  • テキ屋仲間の小沢昭一のところに見舞いに行くと、「もう長くないから、亡くなったら妻をもらってくれ」と言われた寅さん。しかし最後はなぜか旅に出る。妻役の音無美紀子が中年の女の色気を出していて、なかなかお似合いだっただけになんでという感じ。シリーズを続けるための予定調和に腹が立った。岸本加世子と地井武男というもう一つの兄弟が描かれていて、その対比は面白かった。岸本はもともとこういうおもしろいキャラで売り出したと言うことを改めて確認した。

  • 初見。21歳の岸本加世子が18歳の役。ほどよい美人の音無美紀子と寅のマッチング良好。タバコは吸わせない方がよかった。
    紙風船は、おまけ。
    小学校の同窓会に、犬塚、マエタケ、クリーニング屋の東。
    見舞いに来てくれた寅とのわかれの場面がとてもよかった。川沿いの細道を帰っていく後ろ姿を、寅といっしょに見送った。

  • 作数 公開 タイトル マドンナ 上映時間
    第28作 1981年 寅次郎紙風船 音無美紀子 101分
    第29作 1982年 寅次郎あじさいの恋 いしだあゆみ 110分
    第30作 1982年 花も嵐も寅次郎 田中裕子 106分
    第31作 1983年 旅と女と寅次郎 都はるみ 101分
    第32作 1983年 口笛を吹く寅次郎 竹下景子 105分
    第33作 1984年 夜霧にむせぶ寅次郎 中原理恵 102分
    第34作 1984年 寅次郎真実一路 大原麗子 107分

    [第34作]<<2013.8.1 再鑑賞>>評価★★★
    米倉斉加年が演じる証券マンが仕事のストレスに耐えかねて蒸発するシーンが出てくるが、まさに高度成長期の昭和のイメージそのもの。誰も彼も心身の限界をわきまえずにモーレツに働いていた。それはきっと良くなる未来を信じていたから耐えられた訳で現代では到底無理だろう。

  • 2014年5月10日(土)、鑑賞。

  • 今作も人が亡くなる。この流れは止まらないのか。
    冒頭の夢が映画調から急に変わった。しかもなんか長い。
    ダブルヒロインというわけではないけど、サブが随分存在感ある。出演時間でいえば、サブのほうが長いんじゃないか。

  • テキヤの未亡人とのすれ違いを切なく描くシリーズ第28作。

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著者プロフィール

1931年大阪府生まれ。54年、東京大学法学部卒。同年、助監督として松竹入社。61年『二階の他人』で監督デビュー。69年『男はつらいよ』シリーズ開始。他に代表作として『家族』(70)、『幸福の黄色いハンカチ』(77)、『たそがれ清兵衛』(02)、『家族はつらいよ』(16)など。2012年に文化勲章を受章。

「2019年 『男はつらいよ お帰り 寅さん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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