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- / ISBN・EAN: 4988105058804
感想・レビュー・書評
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"男はつらいよ"第48作。渥美清の生前最終作。泉の結婚行列に乱入する満男に痛いほどの青さを感じながら、逃げた先の奄美大島で出会ったリリィの姿に真打来たりの想いを感じる。そして二人が向かった先にいるのは寅さん。一緒に暮らす姿が今までになく落ち着いて見える。満男を交えた三人(+1人)の幸せな生活が描かれてゆき、その後柴又に凱旋して大騒ぎも、いつもと同じくちょっとしたことで癇癪を起して別れてしまいそうになる寅さん。でもなんだかんだで一緒に奄美へと戻る二人のやり取りがとても微笑ましい。
偶然なのか監督もどこか予感があったのか、シリーズの完璧な締め括りと言っても差支えのない、感動と余韻を感じさせる一作だったと思う。
そして阪神大震災でボランティアに従事する寅さんに始まり、復興の途についた神戸・長田再訪で終わるというのも、何か観る者にこれまでとは違うものを感じさせる、歴史の記念碑としての一面を加えているのではないかと。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
泉の結婚式をぶち壊した満男は傷心のまま奄美へ。そこで出会ったのはリリーと彼女と一緒にいる寅さんだった
寅さん最終作。既にガンが末期の渥美清はほとんど動かないか合成で撮影している。もうそれだけで涙。
前作同様、この作品で終わってもいいような特別なストーリー。寅さんとリリーの特別な関係性。それが満男の恋を後押しする展開がいい。スッと引く寅さんとそんなの自己満足と啖呵を切るリリーのケンカもたまらない。
恋のラストはいつもの別れではない特別な形で。寅さんは結婚の絡まない恋の形を体現していたのかもしれない。
さらに最終シーンは当時の被災地、神戸。『男はつらいよ』は必ず寅さんの再会で終わる。
寅さんよ、またいつの日か。。。
と思ったら、22年ぶりに新作出るよ。 -
もうダメです…、中盤からぐしゃぐしゃです。
純と五郎のすれ違いについ興奮し、挙句にはリリィを交えてのスリーショットにそれだけで感無量に。リリィの相変わらずの元気さがいつの間にか寅さんとは対照的になり、そしてこれっきりで寅さんに会えなくなるんだと思うといろんな台詞が重すぎて…。
本作公開の翌年、第49作の撮影地選定も済み、キャストまで決まった段階で渥美清の訃報により撮影不可となったと聞く。更には第50作を最終作とする構想も存在していたと。ただ彼は本作を撮り終えた時点で「これでよかった…」と思ったのではないだろうか。それぐらい本作の脚本は良く出来ていた。出来が良すぎたばかりに彼の精魂が付きてしまったとつい考えてしまうのは穿った物の見方だろうか。本作を心底楽しむために47本観てきたんだと強く感じた。
「東京家族」(2013) において山田監督は2011年のことを切り取っていたけれど、本作においては1995年のことをきちんと切り取っていた。そんなことに感銘を受けた4年目の3月11日の深夜。
特別編もこのまま鑑賞予定。余韻に浸りつつ何度も観てしまうことになるのだろう、本作は。 -
シリーズ最終作。回を重ねるにつれて年老いていくさくらや寅次郎とは対照的にリリーだけは若返っていて、魔界天生みたいな怖さがある。ようやく実った満男の恋に胸熱。リリーを連れて「くるまや」に帰ってきた寅次郎を迎えるときのさくらの笑顔が本作のみならずシリーズを通してのハイライトだと思う。いっぱい苦労して皺だらけになったその顔に浮かぶ安堵の表情には重ねた時の重さがにじんでますな。
2011/11/13追記。見直していて気づいたこと。帝釈天へと通じる道が模造大理石のようなもので舗装されている?前回からそうだったっけ?急にさくらが老け込んだように見えるのは気のせいかしら。急に現代風な空気が流れているのは気のせいかしら。 -
ついにシリーズ完結。一年半かけて観終わりました。満男と寅が重なる。満男は大きな声で愛の告白。寅はリリーを「玄関」までは見送るが、また些細なことで喧嘩して別れる。寅は満男より歳をとっているし、商売の都合上、色々な人との関係性もある、神戸のパン屋への挨拶を済ましている。リリーはどう思うか。
満男がもっともっと縛りが出てきたらどうするのだろう、あんな簡単に女のために、友達を裏切ってはならない。寅の方が一枚上手か。しかし、寅は寅でカッコ悪くてみっともない恋ができない弱さがある。一長一短か。
話としてはよかったかな、もう少し長く観たかったな、リリーとのやりとりは。
2017.1.9. -
つらくて、はらはら。
奄美大島を舞台に、歴代レギュラー総出演。
引退間際の元アイドルに、最強のリリー。
満男も卒業。 -
丸一年かかって、全作視聴。リアルタイムの時にはワンパターン臭さが気になったが、忘れてはいけないことと物足りなさで言葉に詰まる。