第48作 男はつらいよ 寅次郎紅の花 HDリマスター版 [DVD]

監督 : 山田洋次 
出演 : 渥美清  浅丘ルリ子  倍賞千恵子  吉岡秀隆  前田吟  下條正巳  三崎千恵子  後藤久美子  夏木マリ 
  • 松竹
4.03
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感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988105058804

感想・レビュー・書評

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  • "男はつらいよ"第48作。渥美清の生前最終作。泉の結婚行列に乱入する満男に痛いほどの青さを感じながら、逃げた先の奄美大島で出会ったリリィの姿に真打来たりの想いを感じる。そして二人が向かった先にいるのは寅さん。一緒に暮らす姿が今までになく落ち着いて見える。満男を交えた三人(+1人)の幸せな生活が描かれてゆき、その後柴又に凱旋して大騒ぎも、いつもと同じくちょっとしたことで癇癪を起して別れてしまいそうになる寅さん。でもなんだかんだで一緒に奄美へと戻る二人のやり取りがとても微笑ましい。

    偶然なのか監督もどこか予感があったのか、シリーズの完璧な締め括りと言っても差支えのない、感動と余韻を感じさせる一作だったと思う。
    そして阪神大震災でボランティアに従事する寅さんに始まり、復興の途についた神戸・長田再訪で終わるというのも、何か観る者にこれまでとは違うものを感じさせる、歴史の記念碑としての一面を加えているのではないかと。

  • 気をつけて 夜道山道 ハブの道

    男は引き際が肝心だと言う寅に対して、ズバズバ言ってやるリリーは最強で最高。
    翌年、渥美さんは亡くなってしまったのよね。

    泉ちゃんは白無垢よりドレスが似合う。

  • 渥美清さんの病状が悪化した中で撮られた作品
    これを映画館で観た後、寂しい気持ちになったのを思い出す。
    「寅さん、もう終わりかもね・・・。」
    予感は的中した。
    渥美清さんにありがとうと言いたい。
    満男、よくやった。泉ちゃんの結婚式を食い止めた!
    満男の泉ちゃんの不器用な生き方がいい!

  •  泉の結婚式をぶち壊した満男は傷心のまま奄美へ。そこで出会ったのはリリーと彼女と一緒にいる寅さんだった

     寅さん最終作。既にガンが末期の渥美清はほとんど動かないか合成で撮影している。もうそれだけで涙。
     前作同様、この作品で終わってもいいような特別なストーリー。寅さんとリリーの特別な関係性。それが満男の恋を後押しする展開がいい。スッと引く寅さんとそんなの自己満足と啖呵を切るリリーのケンカもたまらない。
     恋のラストはいつもの別れではない特別な形で。寅さんは結婚の絡まない恋の形を体現していたのかもしれない。

     さらに最終シーンは当時の被災地、神戸。『男はつらいよ』は必ず寅さんの再会で終わる。
     寅さんよ、またいつの日か。。。
     
     と思ったら、22年ぶりに新作出るよ。

  • もうダメです…、中盤からぐしゃぐしゃです。

    純と五郎のすれ違いについ興奮し、挙句にはリリィを交えてのスリーショットにそれだけで感無量に。リリィの相変わらずの元気さがいつの間にか寅さんとは対照的になり、そしてこれっきりで寅さんに会えなくなるんだと思うといろんな台詞が重すぎて…。

    本作公開の翌年、第49作の撮影地選定も済み、キャストまで決まった段階で渥美清の訃報により撮影不可となったと聞く。更には第50作を最終作とする構想も存在していたと。ただ彼は本作を撮り終えた時点で「これでよかった…」と思ったのではないだろうか。それぐらい本作の脚本は良く出来ていた。出来が良すぎたばかりに彼の精魂が付きてしまったとつい考えてしまうのは穿った物の見方だろうか。本作を心底楽しむために47本観てきたんだと強く感じた。

    「東京家族」(2013) において山田監督は2011年のことを切り取っていたけれど、本作においては1995年のことをきちんと切り取っていた。そんなことに感銘を受けた4年目の3月11日の深夜。

    特別編もこのまま鑑賞予定。余韻に浸りつつ何度も観てしまうことになるのだろう、本作は。

  • シリーズ最終作。回を重ねるにつれて年老いていくさくらや寅次郎とは対照的にリリーだけは若返っていて、魔界天生みたいな怖さがある。ようやく実った満男の恋に胸熱。リリーを連れて「くるまや」に帰ってきた寅次郎を迎えるときのさくらの笑顔が本作のみならずシリーズを通してのハイライトだと思う。いっぱい苦労して皺だらけになったその顔に浮かぶ安堵の表情には重ねた時の重さがにじんでますな。

    2011/11/13追記。見直していて気づいたこと。帝釈天へと通じる道が模造大理石のようなもので舗装されている?前回からそうだったっけ?急にさくらが老け込んだように見えるのは気のせいかしら。急に現代風な空気が流れているのは気のせいかしら。

  • 神戸でボランティアをしている寅さんをテレビでくるまや面々が発見。泉はひさびさに東京へやってくる。結婚前に引き留めて欲しかったのかも知れない。満夫は狼狽するだけで引き留めない。それでいて、結婚式場へむかう泉たちの車列に車をぶつけ、車を後退させ、結婚式をぶちこわす。その後で、自殺覚悟で放浪し、奄美大島へ。古仁屋の港でリリーの乗る船に同乗する。そこで満夫はリリーと再会。その後、リリーの家に居候する寅さんに再会する。にしても寅さんは顔がむくみ、声は弱々しい。その後、泉が加計呂麻島へ。満夫から泉への愛の告白とそれを見守る寅さんとリリー。リリーは特養ホームに住む母親に面会した後で、寅さんと再び、加計呂麻島へ。しかし、酒の席での一寸した諍いで寅さんは家出。神戸へ。一方、満夫は泉と熱田神宮にいることがさくらへの電話の場面で知らされる。

    渥美清の命がけの演技が胸を打つ。加計呂麻島で満夫が泉に愛の告白をするようすを二人が見守るシーンに思わず涙がこぼれた。この映画は満夫の成長日記でもあるので、その集大成を見せられた。それぞれのカップルの結婚シーンを見た行きもしたが、こういう半端さが逆に良いのかも知れない。そんな気がした。

  • ついにシリーズ完結。一年半かけて観終わりました。満男と寅が重なる。満男は大きな声で愛の告白。寅はリリーを「玄関」までは見送るが、また些細なことで喧嘩して別れる。寅は満男より歳をとっているし、商売の都合上、色々な人との関係性もある、神戸のパン屋への挨拶を済ましている。リリーはどう思うか。
    満男がもっともっと縛りが出てきたらどうするのだろう、あんな簡単に女のために、友達を裏切ってはならない。寅の方が一枚上手か。しかし、寅は寅でカッコ悪くてみっともない恋ができない弱さがある。一長一短か。

    話としてはよかったかな、もう少し長く観たかったな、リリーとのやりとりは。

    2017.1.9.

  • つらくて、はらはら。
    奄美大島を舞台に、歴代レギュラー総出演。
    引退間際の元アイドルに、最強のリリー。
    満男も卒業。

  • 丸一年かかって、全作視聴。リアルタイムの時にはワンパターン臭さが気になったが、忘れてはいけないことと物足りなさで言葉に詰まる。

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著者プロフィール

1931年大阪府生まれ。54年、東京大学法学部卒。同年、助監督として松竹入社。61年『二階の他人』で監督デビュー。69年『男はつらいよ』シリーズ開始。他に代表作として『家族』(70)、『幸福の黄色いハンカチ』(77)、『たそがれ清兵衛』(02)、『家族はつらいよ』(16)など。2012年に文化勲章を受章。

「2019年 『男はつらいよ お帰り 寅さん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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