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- / ISBN・EAN: 4988104048707
感想・レビュー・書評
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すんげぇ面白かった。
邦題は痛快犯罪アクション映画っぽいけど、強制収容所でナチスのためにポンドとドルの偽札を作らされる実話に基づいたユダヤ人の物語。
主人公サリーがステレオタイプな信念を持ったよきユダヤ人ではなく、酒と女が好きな犯罪者(偽金作り)というのが実にいい。
演じているカール・マルコヴィックスがまたかっこいいんだ…
原作者でもあり、映画の中でも信念にもとづいてサボタージュを続ける男アドルフ・ブロガーさんはまだご存命みたい。
めっさおすすめ。 -
以前、第2次世界大戦物でユダヤ人にスポットを当てた作品で観るに耐えないものは無抵抗な人々にスポットを当てた作品だと書きました。結局無抵抗な人々の戦いと言えば自分自身を過酷な状況にさらしそれと戦っているように思える。
それが生き抜くための戦いなのかと考えた時に違うんじゃないかなぁ~と思って否定的になってしまう。事実を体験すればそんな余裕はないのかもしれないけど、それをLIVEと表現するのはどうかなぁとも思う。
「ヒトラーの贋札」
http://www.youtube.com/watch?v=qwr9nCurEEQ
この作品はユダヤ人が銃を持つのではなく、あくまでも頭脳勝負に徹した戦いだった。実在したベルンハルト作戦。これは史上最大の紙幣贋造事件である。
主演は50近いオーストリアのカール・マルコヴィックス。出演作品も5本と少なく顔なじみではないが、僕自身はそのうちのもう1作品もあるので、どこか記憶が…いい演技しますよ~緊張感は連発ですが、喪失感や絶望感を味あわせないLIVEの意味を感じるいい作品です -
内容は重いけれど淡々とした映画。収容所といえばアウシュビッツでの残虐行為が有名だけど、ナチスはユダヤ人を使ってこういうことも行っていたということが分かりやすく描かれている。
映画では主人公が原作者のブルガー氏ではなく贋札作りのソロヴィッチなのがいい。サボタージュすることで正義を貫こうとした反骨精神あふれるブルガーより、元々犯罪者でありながら頭が良く世渡りもできる仲間思いのソロヴィッチは複雑で深みがある。正義のために死すことは高潔であるかもしれないけれど、何よりも生きることを重要視することは悪いことではないはずだ。 -
【完璧な贋札。それは俺たちの命を救うのか。それとも奪うのか-】
第二次世界大戦のさなか、ヒトラー率いるドイツがイギリスの経済錯乱を目論んで大規模な紙幣贋造(ベルンハルト作戦)を行い、収容所から移送されたユダヤ人達がその責を負わされるって話。
完璧なものが出来ないと銃殺。できたとしてもドイツが戦争に勝つようであれば結局は銃殺。その矛盾する状況に苦悩し仲間内でぶつかり合いながらも生きるために自分の信念を貫き通す男達は見応えあり。
3.6点 -
大戦中、ドイツってこんな作戦も実行しようとしてたのね~とびっくりしながら観ました。
精密なドルやポンドのニセ札を作って世界にばらまいて、経済を混乱させようという作戦。
ナチス映画といえばホロコーストメインだし、強制収容所の悲惨な話がほとんどですが、この映画では、集められた技術者のユダヤ人の待遇はずーっとマシな感じでした。
誤解しないでくださいね。だからいいということではありません。
いつ殺されるか、塀1つ隔てた普通の強制収容所に連れていかれるかわからないので、いつもビクビクしていましたけど。
たまたまこの作戦の指揮官がちょっとマシだっただけということもあります。
命とひきかえにナチスに協力しないといけないというジレンマもうかがえるし。
まずポンド札づくりに成功するんだけど、将校が喜びプレゼントだ!と彼らの与えたものは・・・卓球台だったという・・・なにこれ?って思いましたよ。
ドル札づくりにはいっていくわけですが、もうこんなことはやっちゃいけない!という正義の徒もあらわれ・・・。
作らなければ殺される。究極の選択だよねぇ。
この映画の原作を書いたアドルフ・ブルガーは今もご存命で、この体験の後、ジャーナリストとして、ファシズムを糾弾する活動を続けているのだそうです。
ポンド札が完成したときに、ドイツ将校は彼を自宅に食事に招きます。
演芸会をやったりとか、彼らは本当待遇がよかったのに驚きました。 -
【コメント】
物語りでは、ユダヤ人がドイツの偽札作りを強制される。
ドイツに協力するのか?これを拒んで仲間と死を選ぶのか?
*** 誰にも理解されない悲しい正義
ブルガーの反抗心は頑固で独り善がりに見えるかもしれない。
(もしかしたら本当に独善的だったのかもしれないが。。。)
だが、この作戦に協力しドイツに利すれば、それだけドイツの
支配を長引かせるかもしれないし、そうなると同胞たちへの
迫害を長引かせることにもなる。
作中でブルガーは贋札作りをサボタージュし、仲間を危険
にさらしてしまう。そして、それに不満を募らせた仲間からは
暴行を受けるはめになる。それでも、ブルガーは信念をまげ
ようとはしなかった。
*** ベルンハルト作戦(参考:wikipedia)
この作戦は、イギリス経済の混乱を目的としたもので、ポンドの
贋札を大量に流通させてしまおうというもの。この作戦には、
強制収容所のユダヤ人たちから腕のいい技術者たちを集めて
従事させていた。
この作戦で1億3200万ポンド(当時の流通量の10%)が作られ、
スパイへの報酬、工作資金、武器調達に使われた。そして、
戦後は、紙幣に対する信用不安も起きたんだそうな。
結構おおきいニュースだと思うけど知らなかった。
【内容】
第二次世界大戦にドイツが行ったベルンハルト作戦の実話を元にした
物語り。強制収容所のユダヤ人たちは、ドイツ軍に偽札作りを強要
され、従わなければ死がまっていた。ドイツ軍への協力を強制される
なか、これに対し対照的な行動をとったふたりのユダヤ人が描かれて
いる。
一人は偽造が得意なサリー。
そしてもう一人は印刷技師のブルガー。
強制収容所でいとも簡単なことでユダヤ人たちは殺されていく。
そんななかサリーは一貫して自分の目が届く範囲の仲間を助ける
ためにドイツ軍の作戦に協力する姿勢をとり、ブルガーは目の前の
仲間を危険にさらすようなまねをしてでもドイツ軍への協力を
サボタージュするのだった。。。 -
第二次世界大戦中、ナチスの捕虜となったユダヤ人技工士たちがナチスの各国経済混乱作戦のために、イギリス・ポンドやアメリカ・ドルなどの贋札を作らされる話。
自らの保身のために命じられるまま贋札を作り続ける捕虜たち。しかし、その行為自体がナチスの戦力となり、自分たちの家族や仲間を追い詰めることになると気づく。
生きるためにこのまま贋札を作り続けるのか、それとも命を賭してナチスへの協力を止めるのか。登場人物たちがそれぞれの立場で、命と正義の狭間で苦しむこととなる。
ドキュメンタリーさながらの臨場感のあるカメラワークも注目。