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- / ISBN・EAN: 4988013616240
感想・レビュー・書評
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ものすごい緊迫感が2時間ずっと続く。
先日生徒からおすすめの映画を聞かれて答えていた時に、生徒の方から紹介された作品。
彼女は言っていた。
「ミストはですね~、ただのパニック映画じゃないんですよ!もう一段階、あるんですよ~」と。
なるほど。
優秀なAmazonPrimeのAIは、すでにこの作品を「あなたが興味のありそうな映画」のかなり最初の方に配置していて、まるで手をこまねいているかのように、そこに存在していたのである。
今日は朝からクラブミュージックを流しながら布団を干したり毛布を洗ったり。
新しい趣味として、ZUMBAも始めちゃったりして。実に陽気である。
なのにどうですか?今のテンションは。
もうね、最悪。同じ日のテンションとは思えないほどのテンション。
こんな最悪なオチだとは知らず…パニック映画+αくらいに捉えていた2時間前の自分をぶん殴りたい。
生徒が言う「もう一段階」は、わたしには何段階も何段階もあったように感じられて。
そもそもパニック映画というよりホラー作品に分類されているのだけれど、ここで描かれる、不条理による人間の心理と行動が凄まじい。緻密に描かれている。心臓は高鳴り続け、何度か呼吸が止まっていただろう。
いつ襲ってくるか分からない「災害」という災厄。
東日本大震災が発生した時、都内は電車が止まって帰宅難民であふれていた。あの時、一人でいた人は近くにいた人に「どこまで帰られるんですか?」といつもより声をかけやすかっただろうし、逆に声をかけられた人もいただろう。
あの時の、同じ恐怖の中にいる時の、人間同士が一丸となっている感じ。一丸となって困って、立ち向かっている感じ。そしてその状況は、人間の中の「何か」を突き動かす。人それぞれ異なるリスク感覚、見ず知らずの人への信頼感。つまり、価値観だ。
この作品も、導入はこうした、災害へ立ち向かう人々を描くところから始まる。
多くの人がいるということは、それだけ多くの価値観が存在するということだ。そして、時間が経つにつれ、それは衝突を起こす。リーダーとなる者、言葉巧みに扇動する者、暴力を振るう者、戦う者、逃げる者、事態を冷静に見つめる者、自分だけは助かろうとする者、吊し上げをする者。
ある一つの勇気ある行動が、人を助けることにつながるかもしれない。同時に、誰かを殺してしまうことになるかもしれない。常にその選択を繰り返す。何が正解かなんてやってみないと分からない。
人間が得体の知れない、理不尽と不条理にぶち当たった時。そしてそこに恐怖が加わった時。人間は、どんな理不尽よりも不条理よりも、怖い。
そう、コロナウイルスよりも、コロナウイルスを怖がるあまりに、暴走する人間の方が、よっぽど怖いのだ。
記憶に新しいだろう。
マスクから鼻が出ている、と注意されて催涙スプレーをかける人間の方が、マスクを買おうと薬局に行列を作って、売り切れたら薬局の店員に暴言を吐く人間の方が、よっぽど脅威に値する。
あなたなら、どうする。
それを常に問うてくる場面の数々。
何が正しいかなんてきっとないんだろう。あの時こうすればよかったと言っても、その時にはもう遅い。
不条理の前に、人間ができることとは。 -
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先週だったか、TVでやったのを見たんですけど(DVDはずいぶん前に見たけど、ほとんど憶えてないw)。
見ていて、あー、そうそう。こんな映画だ...先週だったか、TVでやったのを見たんですけど(DVDはずいぶん前に見たけど、ほとんど憶えてないw)。
見ていて、あー、そうそう。こんな映画だったと思い出したんですけど、印象的だったのは、スーパーを逃げ出す時、主人公がボンネットの上のピストルを取るシーン。
あー、もし、主人公があそこでピストルを取らなかったら、あの人たちは助かったんだなーって。
アメリカでは銃で自殺する人が多いらしいですけど、そういう意味での銃批判があの(過剰な気もする)ラストをつくらせた面もあるのなかなーなんて思いました。
2021/02/23 -
本ぶらさん
コメントありがとうございます。
自分もだいぶ内容を忘れているかもしれません。
なるほど、ピストルを取る場面は記憶してい...本ぶらさん
コメントありがとうございます。
自分もだいぶ内容を忘れているかもしれません。
なるほど、ピストルを取る場面は記憶していなかったかもです。確かにそうですね。
銃批判的な部分はそうかもしれませんね。
そこまで思い至らなかったです(´・ω・`)
再視聴したときにそのあたり確かめたいです。2021/02/23
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『恐怖』がいかに人の目をくらませるかを描いたクローズドホラー。
ラストの絶望感は特筆もの。
異形の怪物たちが多数出てきて、そういうのが好きなひとには嬉しい。
狂信的な女性を演じたマーシャ・ゲイ・ハーテン、すごく上手い。 -
2008年日本公開作品。SFホラーなのでしょうか。スティーブン・キング原作。著者の作品は多数映像化されているようですが、私的には「ショーシャンクの空に」が面白いと言う印象しかないんです。相性が悪いのか、私の感性に問題があるのか。この作品も同様です。とにかく後味が悪い。「遊星からの物体X」を観た時の気味悪さを思い出しました。設定は昔観たゾンビ映画に似ています。その映画ではショッピングセンター内でゾンビと戦うストーリーでした。気味の悪い物体。嫌な登場人物。善意が報われない。御無体な結末、凹みました。
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(Amazonより)
【あらすじ】
7月19日の夜、メイン州西部の全域が、未曾有の激しい雷雨にみまわれた。嵐に脅える住民たち。だが、その後に襲ってきた“霧”こそが、真の恐怖だったのだ。その霧は街を覆いつくし、人々を閉じ込めてしまう。時を同じく、デイヴィッドとビリーの父子は食料を買出しに行ったスーパー・マーケットで“霧”に閉じ込められてしまう。他の買い物客が建物の外に出ようとすると、次々に霧の中の何者かに襲われていく。立ち往生を強いられる中、母の待つ家に帰ろうとビリー少年に哀願されるデイヴィッド。そしてある決意を固めて絶望的な状況の中、父子での決死の脱出を図る二人の前についに姿を現す“霧”の正体とは? 人間は見たことのない恐怖の前にどのような選択をするのか。そして奇怪な霧に閉じ込められた人々の運命は?
■人間の《恐ろしさ、愚かさ、脆さ、そして残酷さ》を描いた2時間!
突然の霧に襲われ、店の外の霧に恐怖を感じる人々だが、極度の恐怖に、店内の人々が反発し、友人、隣人の関係が突然崩れてゆく…。人間の脆さを凝縮した傑作。
最初から最後まで目が離せませんでした。
〝得体の知れない何か〟に対しての人間の恐ろしさ、愚かさ、脆さ、そして残酷さがとてもよく描かれています。
主人公のデイヴィッドはラストではもうちゃんと判断出来る状態ではなかったのではないか... -
つらい……こんなラストって無いよ。。
鬱映画で原作とラストが違うとは聞いていましたがこんなことって……後味が悪すぎて泣きます。
霧の中に何かがいる…というパニック映画ですが、何かにどう対処するかというより、極限下に置かれた人々がどうなっていくかを主に描かれていました。
自分は賢いからナメられないぞと強がる人、何とかして生き延びようとする人、宗教にすがる人……宗教の人がカルト過ぎてかなり嫌いでしたのでオリーグッジョブ!でした。
マーケットから皆して、立ち去る車を見てるとこゾッとしました。
お年を召してる二人の肝が座ってるとこも好きでした。なので最期も「仕方ない」って表情になってたのが。。
ビリーが「僕を怪物に殺させないで」って言ったからデヴィッドもああするしかない、と思ったんだろうけど…どの道が最善かなんて後からは何とでも言えるけど……つらい。
最初にマーケット出ていったお母さんがラストに映るのも。
新任先生とお爺ちゃんは見覚えが、と思ったらウォーキングデッドにいた人だ。
そうかフランク・ダラボン。。
怪物の造形は、大きいのは霧に浮かぶシルエットなのが好きでした。
原作でも気になった巨大なやつ…これがあの有名な!ってなりました。
引き付けられて夢中で観たけどつらい……さすがキングとダラボン。。 -
2007年の作品で、当時観たんですけどオープニングがこんなだったの忘れちゃってますね。霧に包まれてしまってスーパーマーケットに追い詰められてからの展開はそれなりに覚えてるんだけど、初めて観てから10年以上も経っちゃねぇ(笑)
霧に包まれて最初にスーパーマーケットを出る女の人ってウォーキング・デッドのキャロルだよね!それにアンドレアも出てますね。面白いなぁ〜こんなとこで二人共演してたんだぁ
序盤でタコみたいな化け物が表にいるって分かる事でクローズドサークルに追い込まれた。ここから本番だな。しかし少数意見を鼻からウソだと全く信用しない態度には驚きを感じるばかりだが、真実を知った後の対応は物凄く民主主義が生きているんだと思う。子供に対するケアも弱者に対するケアも真摯だし、協力を惜しまない態度は称賛に値する。ここは良いアメリカらしさだよ。でも、狂信者というか盲信者というか宗教の暗黒面を出してくるのもアメリカらしいと思える。「キャリー」の母親とか「レッドステイト」なんかで出て来る聖書の教えに狂った人たちもアメリカらしいよ。
タコの次は蚊みたいな虫とプテラノドン風の鳥…?それに幾ら何でも屋内で液体の可燃物は、取り扱い注意どころじゃ無いですわな…
それにしても主演のトーマスジェーンはアーロンエッカードと激似だと思うですけどねぇ(笑)まるで違いがわからないほど同じ顔…(笑)
アジテーションの恐ろしさをまざまざと見せつけられる。究極の心理状態の時って、神様なんてまるで信じてなかった筈なのに、冷静さを失うとこうも簡単に長いものに取り込まれてしまうんですかねぇ〜
スーパーを抜け出して、彷徨い走った際に出会った超巨大な生物の造形を見ていると「クローバーフィールド」のモンスターを思い出しますね。監督はもちろん違うんです。なのに造詣が似ているのは何なんだろうな〜「モンスターデザイン」の担当者が同じだったりするのかな?だとしたら納得だけどね(笑)
スーパーマーケットで立ち止まらずに足掻くだけあがいて外界へ踏み出した。なのに彼らを待ち受けていたのは絶望しかなかった。万策尽きた彼らの運命とラストシーンの容赦なさは理不尽なんて生易しく思えるほど残酷なシーンでした…なかなか重い
単純なパニック映画じゃなく群集心理の恐ろしさと人間としての尊厳を守ろうとする行為の崇高さ、ただそれがちょっとしたタイミングのズレで全てが悪い方へスライドしてしまう悲劇だったような…もしかするとスーパーマーケットに残った人たちは軍に救助されたのかもしれない。そう思うとより怖さが増して虚しさだけが残る…怖い作品でした。 -
数年前に見ましたが、未だにふとしたときに思い出してしまうほどです。
後味の悪さ、最後に出てくる人々、主人公の表情が忘れられません。
ここまで衝撃を受けた映画ははじめてでした。
こんばんは^^
締切、間に合ったみたいでよかったです!!
また別の締切がおありのようですが…頑張ってくだ...
こんばんは^^
締切、間に合ったみたいでよかったです!!
また別の締切がおありのようですが…頑張ってください!
またコメントやレビューが少しでもkuma0504さんの執筆のパワーになれたらなと思っているので、よかったらいつでもご活用ください^^
ラストの霧の中から軍隊が現れるシーンは憶えていたけど、その前の死んじゃうシーンは...
ラストの霧の中から軍隊が現れるシーンは憶えていたけど、その前の死んじゃうシーンは忘れてた、みたいな。
そういうわけで、あー、こういう映画だったんだなーと見てたんですけど。
印象に残ったのは、主人公が逃げる時にピストルを取らなければ、みんな助かったかもしれないのかーという点。
あとは、ミセス・カーモディの言っていることって、「あ、これはこの人にとっての科学(宗教)に基づいて言ってるんだなー」と思ったことですかね。
わたしや他の視聴者の多くが科学を信仰しているのに対して、ミセス・カーモディが信仰しているのは宗教なんですよね。
よって、他の宗教である「科学」は信じない。だから、自らが信仰する宗教を自らの都合のいいようにつぎはぎして、自らが正しいと思う論理を生み出す。
そういうことなんだろうと。
ただ、それは科学を信仰する私たちも同じなんですよね。
naonaonao16gさんも感想で、コロナウイルスへの恐怖で暴走する人たちのことを書いてますけど、その人たちの信仰しているのも科学なんだと思うんです。ミセス・カーモディと同じように、科学を自らが都合のいいようにつぎはぎして、いつの間にか論理や正解・正義をつくっている。
それは、ニュースに出てくるコロナウイルスの騒動を見て、感情的な反応をしている自分を知っているだけに怖いなーって思いました。
ていうか、このコロナ騒動を乗り切るには、普段自分が信仰している科学ではなく、宗教に耳を傾けることが必要なのかもしれない(笑)、とすら考えちゃいました(^^;
コメントありがとうございます。
ミセス・カモーディの考察、非常に面白いです。
わたしは自分の分からないことは、その...
コメントありがとうございます。
ミセス・カモーディの考察、非常に面白いです。
わたしは自分の分からないことは、その道の詳しい人に聞いてみるのが一番!と思ってしまうタイプなので、自分が同じ状況・場所にいたら、ミセス・カモーディの一員になっていた可能性があります。映画では主人公がミセス・カモーディ派閥にいなかったからわたしも主人公と同じ派閥にいるような気になっていただけかもしれません。
コロナウイルスは未知のウイルスで、誰もが自分の専門性を主張しており、それにみんな振り回されます。
布マスクより不織布マスクの方がいいんだろうな、とか、食事をする時の飛沫の飛び方をスーパーコンピューター富岳に頼ったり、自分が分からないものに対して「分かる」と言っている人を安易に、信じてしまう。
何を信じるのか、究極の場面でも自分の頭で考えて答えを出せるような、賢さがほしいなと思いました。
まあ、この作品は主人公はその賢さは持っていたかもしれませんが、あのバッドエンド。そこがこの映画のやりきれないところであって、現実的なような気もしてしんどいのです。