ゴッドファーザー PartI <デジタル・リストア版> [DVD]

監督 : フランシス・フォード・コッポラ 
出演 : マーロン・ブランド  アル・パチーノ  ジェームズ・カーン  ロバート・デュバル  ダイアン・キートン 
  • パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン (2012年3月10日発売)
4.27
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988113823821

感想・レビュー・書評

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  • マフィアの話。血で血を洗うとはまさにこの事で、次々と人が血を流して行きます。

    恨みを作れば殺される。人を裏切れば殺される。
    フィクションとはいえ、恨みって怖いものだなと思いました。
    自分自身の恨みの心も。

  • 『ゴッドファーザー』、すごく久しぶりに観ました。本当に有名で、色んな映画ランキングで上位に入るような名作ですし、重要な作品なので一度は観て欲しい映画。

    ただ、個人的にはそこまで好きではないのです……。ゴッドファーザーよりも前に原作が書かれた『バラキ』の方が出来は悪いけど好きかもしれない。それとやはり、18年後に作られたスコセッシの『グッドフェローズ』の方が大好き。
    (『ゴッドファーザー』が無ければ『仁義なき戦い』も『グッドフェローズ』も無かったと思うからもちろん重要なんだけど。)

    あんまり好きじゃないのは、やっぱり3時間近い長さが理由かも。途中のダレ場がけっこう長い。元々コッポラは2時間版を作ったそうだけど「もっと長くしろ!」と言われて驚いたそうだ。私も驚いた。
    (映画は普通、1日の上映回数を多くするために「切って短くしろ」とは言われるけど、「長くしろ」と言われることはまずない)

    外部サイトで「アンチゴッドファーザー」と言ってる方がいて、読んだら笑えました。全く同意見ではないけど気持ちはわかる。でも「とっても面白い映画」なことは確かです。


    アメリカンニューシネマはムーブメントとしては1973年頃に終わったそうなので、1972年公開の本作はわりと後の方。コッポラ&ルーカスのアメリカンゾエトロープ社で言うと、この翌年が『アメリカングラフィティ』。

    アメリカンニューシネマは基本的に反体制、反権力。コーザノストラ(マフィア)自体が反社会的組織。
    ただし時代設定が1945年からなので、日本で言うと任侠映画の「仁義ある戦い」の古き良き価値観と、麻薬売って儲けようぜという新しい「仁義なき戦い」の価値観が対立するような話です。
    もうひとつ、ニューシネマは今までの価値観に対するカウンターなので、「親殺し」の要素もあるけど、イタリア系移民はファミリーを大事にするので、ヴィト(マーロンブランド)とマイケル(アルパチーノ)の対立はそんなにない。この価値観の対立の部分は、長兄のソニーと、妹コニー(タリアシャイア…エイドリアーン!)のDV夫が担っていると思う。

    この映画のテーマになっていて私も大好きなのは、元々優しくて聡明だったマイケルが、結局組織を受け継いでマフィアの世界に取り込まれる点。
    これはのちの『地獄の黙示録』とも重なる部分で、『フレンチコネクション』や『エクソシスト』、『LA大捜査線狼たちの街』などフリードキンの作品を連想する。他に『ダーティハリー』、それとルーカスの『スターウォーズ』もまたフォースの暗黒面に取り込まれかける。
    元々はヴィトが主人公の話だそうだけど、映画版はマイケルが主人公の比重が多くなっているのはこういう話型だからだと思う。

    マーロンブランドの演技は素晴らしいと言われているけど、私はあまり好きではない。アルパチーノの変貌ぶりの方が好きです。最初は爽やかで可愛らしかったのに…という。これはマーロンの演技をそのままマネしているので面白いです。

    「反権力」の話に戻ると、敵対組織が警察と癒着してグズグズの関係で、マイケルが…というのも見どころ。アルパチーノはのちに『セルピコ』で、警察の腐敗を内部から暴いていく。
    アルパチーノ主演で好きなのは、『セルピコ』と『狼たちの午後』。『スカーフェイス』もいいけど…でもやっぱり一番好きなのは『ゴッドファーザー』かもしれない。


    他に好きな点は、やっぱり映像の良さ。外部サイトを色々と漁ってても、冒頭の顔の陰影を強調した撮影が指摘されていることが多い。レンブラントの絵画みたいな撮り方をしています。
    撮影監督はゴードンウィリスさんで、この後ウディアレン作品をよく撮っている。私が印象に残っているのは『夕陽の群盗』で、こちらも絵画的な美しさがありました。
    そしてサブにマイケルチャップマン(『タクシードライバー』の人)がついているのがすごい笑。

    冒頭の結婚式のシーンは黒澤さんの『悪い奴ほどよく眠る』から。黒澤さんはヤクザ嫌いとして有名なので、この映画も単純な「マフィア礼賛映画」なんかではないと思います。以前も書いたけど、コッポラもイタリア系なので大作のエピック映画。
    冒頭が結婚式で、ラストが…と洗礼式なので、この作品もあちこちが対称な構造になっています。

    それと今さら気づいたのは、タイトルロゴの上が操り人形になっている点。これは終盤にヴィトのセリフできちんと語られていて、「操られる側になりたくなかった」と。
    これを考えるとすごく重要で、ゾッとします。結局は権力に操られる側になってしまっているから…。直接は描かれないけど、バックにもっと大きな悪がいるんだぞという…。

    あとは、劇中で出てくる「刻んだニンニクをオリーブ油で炒めて、トマトソースを焦がさないようにして、ソーセージとミートボールを入れ、赤ワインと砂糖をひとつまみ…」という料理を作りたくなる。
    マフィア映画を観ると家庭的なイタリア料理がよく出てくるので、お腹がすいてきます。血の象徴かもしれないけど笑。

  • マフィアの世界を背景に、父と息子を軸にファミリーの絆を描いた大作

    3時間全く、飽きなかったです。冒頭の華やかな娘の結婚式の裏の暗室で、ビトードンコルレオーネに泣きつく男。次々にコルレオーネに礼を尽くすタキシード姿の男たち。
    そこには圧倒的な存在感で君臨する、ドンコルレオーネがいた

    このマーロンブランドの演技が素晴らしい!頬に樹脂を入れて
    独特の苦しげな喋り方で異彩を放つ。

    彼には気が荒く凶暴な長男のソニー(ジェームズカーン)と次男と堅気の道をいく三男マイケル
    (アルパチーノ)がいた

    ファミリーの話し合いで麻薬の取り扱いを拒否するドンコルレオーネを排除しようと、ソロンッオが暗殺を試みる
    背後にはタッタリアファミリー。

    そして。仇を打つためマイケルがソロンッオと警官を呼び出されたレストランで射殺するシーンはスリリングです。

    そして五大ファミリーの血の抗争が始まった

    もうアルパチーノが堅気の道から、マフィアへの道を選んでから
    顔つきから違う
    鋭さを増していくのは見ものです

    そして長男、ソニーを失ったマーロンブランドが五大ファミリーに和解を呼び掛け演説するシーンは苦しげに眉毛をよせながら「
    迫力ある圧倒的演技でしびれます

    そしてマイケルに道を譲り静かに去っていく

    後を継いだマイケルが、甥の洗礼式の教会の荘厳なパイプオルガンとともに、神父の教会への中世、悪魔の誘惑を退けるかとの質問に

    イエスとこたえながら、カットバックに五代ファミリー、裏切り者への制裁、殺戮がシーンが凄すぎる

    新ドンコルレオーネが誕生したのです

    映像とクローズアップと演技人のぶつかり合いと共に

    トム(ロバートデュバル)の静かな演技も印象的です

    ニーノロータの哀愁を帯びた音楽がいいのです

    パート2に期待です

  • 売られた喧嘩は必ず買う。やられたら必ずやりかえす。報復、暗殺。裏切り。作品の古さを感じさせません。アルパチーノが、渋い。ファミリーに関わりたくないと思っていた彼が、どうして中心になっていくようになっていった心の葛藤が、もっと描かれていたら、いいなあと私見ですが思いました。

  • マイケル役のアルパチーノ
    若いのに演技うまい
    闇社会に始めは縁がないものと思っていたが、
    兄や新婚の花嫁が目の前で殺されたりして、だんだんと思いが変わってくる。
    どなたかも言ってましたが、最後のシーン、ケイにマイケルの妹コニーの夫カルロを
    殺したのはあなたなの?と聞く
    それに対してのマイケルの「ノー」の言い方
    優しく言っていながらもこの先ドンとして生きていくマイケル心情も含まれている、
    その演技はさすがアルパチーノ!と思えた。
    さすがうまい!アルパチーノしかできない演技!
    と思いました。

  • 血で血を洗う終わりなき抗争

    仇討ちを続け、自分の地位を確かなものにするために殺す。それが例えファミリーのためであっても、ファミリーは誰のためにあるのか分からなくなる。悲しい気持ちになればいいのか、彼のこれからに期待すれば良いのか、複雑な気持ちになる作品だった。

  • 図書館>1972年米。米に移住してきたイタリアンマフィア;一家のお話。
    やっと念願の視聴^^!やば><!!!すばら!!!本当にこういうお話はめっちゃ大好きっす☆!!!続編が気になるぅ~~!!長尺ながら全く時間を感じさせずのめり込んで見てしまいました(´ω`*)♪
    パパのドン・コルレオーネ(M.ブランド)の貫禄。ファミリーの結束・絆。裏切りによる厳しい制裁。だからこそ、とても緊密に繋がりを大事にするのだろうか?血で血を洗う抗争。復讐の連鎖、収束しない結末。それを丸く収めるパパ,ドンの力。世代交代で実権を譲る父から息子への台詞が痺れる。
    仁義なき~とも似てるかなぁ~?なんて思ったけど、こちらは恐ろしいまでにファミリー;家庭を愛し、大事にする男達。一家の結束力がとても固いので薄っぺらい仁義~での下っ端が苦労する男達とは違うなぁとも感じたり。。
    始めは堅気だった息子のマイケル(A.パチーノ)めっちゃ若い!!パパとは全く違うやり方でめきめき頭角を現していく。人情味あるドンとは全く違い対照的。孫と無邪気に遊ぶ、しょぼくれた爺ちゃんが可愛い。
    スッゴイ豪華俳優陣☆!まずコルレオーネ父子。もさる事ながら…フレド(J.カザール♪)にケイ(D.キートン!?始め解らなかった…(゚Д゚;)),妹コニー(タリア・シャイア→エイドリアン),トム(R.デュバル)など錚々たるメンバー。
    重厚な大作です。まず惚れ々する位の映像美。光と影の構図が巧妙、素敵。各キャラそれぞれ個性が立っててとても魅力的(´ω`*)。スーツ姿等、衣装も品があって良い。
    跡目継いだ息子:3男マイケルから見て…激情型で単細胞な兄:長男ソニー,冷静で知性派な(義)兄貴分トム,料理を教える優しさを持つ古参幹部のクレメンザ,テシオ,愛嬌ある気弱な兄:次男フレド,割とクズ男の妹婿カルロ,ルカ,夫を亡くし泣きじゃくる妹:末娘コニー他敵対するマフィア一家など盛り沢山。

  • 見終わった時の正直な感想は何でここまで名高いのか分からない、自分の感性が残念だと思った。あとアルパチーノって若い頃はあんなにイケメンなのかという驚き。

    皆さんのレビューを見ながら、あぁなるほど、確かに、と思うところが多々あり。結果、よくできた作品だなーと思い直しました笑。

    感情移入できなかったことが響かなかった理由だと思われます。成長物語は好きなんですが、マイケルがドンになっていく様を成長とは呼ぶ気にはなれず。でも好青年からファミリーを守るドンになっていく変貌ぶりはアルパチーノ天晴れです。

    あと映像が美しい。粛清シーンのメガネへの射撃、エレベーターに閉じ込めての射撃シーンは美しかった。

    ネタバレ

    当時のアメリカにおいてイタリア系移民が差別され、自衛団を作るようになり、自衛団がファミリーとなって力をつけていく。そんな背景がもっと分かりやすければ、マーロンブランドのドンっぷりがもっと活きて分かりやすかったと思います。なんだかんだ頼られればきちんと責を果たす。息子が殺されたことを悲しみ、和睦を結ぶ。麻薬には手を出さない。義理と人情を重視する昔ながらの漢。

    マイケルのファミリーを守る手段は攻撃。身内でも復讐、奥さんにもウソをつく。父さんとは別の形のドン。

    マイケルには堅気のままでいて欲しかったというドンの言葉が切ない。一番マイケルが聡明であることが分かっているからこそ背負わせたくなかったはず。

    シチリアの田舎娘との出会いは意味あるのか?と見た時は思った。でも彼女の親への交渉シーン、彼女が殺されてしまうことはマフィアへの道を踏み出すための大きな要素。そしてラスト、マイケルが手にキスをされながらドンとして崇められる光景をケイが見る切なさが活きる。きっと田舎娘じゃ疑いを覚えなさそう。
    こういうシーンの意味合いが分かって、よくできた映画だなぁと。

  • 単なる殺し殺されの遺恨映画ではない。
    結局誰も幸せにならない悲しみの先にある物は深い情、それに尽きる。
    暗い闇の中にある人間としての義、面白かった。

  • 一本の映画の中でかなり壮大に物語が描かれている。
    演出と絵作りに見どころが多い。

    「首領への道」はよく出来た作品だよなーと、どうでもいいことを思ってしまった。

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著者プロフィール

これまで六つのアカデミー賞を獲得。代表作として主に『ゴッドファーザー』3部作と『地獄の黙示録』の監督として知られる。1939年、デトロイト州に生まれ、ニューヨーク州クイーンズで育つ。幼少期にポリオ麻痺に感染し、その治療期間に物語を書くこと、そして玩具として与えられた映画投影機に没頭し、映画製作への興味を育んだ。
 ホフストラ大学とカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)で演劇と映画を学びつつ、短編小説や戯曲を執筆(コッポラ自身は己のキャリアの発端を「作家」であると見做している)。1970年、『パットン大戦車軍団』の脚本家としてオスカーを受賞、1970年代には『ゴッドファーザー』、『ゴッドファーザー PARTⅡ』、『アメリカン・グラフィティ』、『カンバセーション…盗聴…』、そして『地獄の黙示録』などの作品で監督・脚本・製作を手がけた。その間に、カンヌ国際映画祭ではパルム・ドールを2回、アカデミー賞では計12回のノミネートのうち5回の受賞を果たし、フィルムメイカーとして、その10年間は史上かつていない成功を成し遂げたことは疑い得ない。
 コッポラはまた35年にわたり、ナパ・バレーとソノマ・バレーにてワイナリーを経営し、ワイン生産を手がけていることでも広く知られている。その他のビジネス領域では、中米、アルゼンチン、イタリアでの豪華リゾート経営のほか、受賞実績もある短編小説を中心にした文芸誌『ゾエトロープ:オールストーリー』の発刊を手がけている。現在は、劇場、映画、テレビを組み合わせた「ライブ・シネマ」と呼ばれる新しい形式での芸術に取り組み、この新しいメディウムにおける脚本の執筆を続けている。

「2018年 『フランシス・フォード・コッポラ、映画を語る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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