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- / ISBN・EAN: 4523215037051
感想・レビュー・書評
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従業員たちは食べていた。
掃除でもするかのように動物を集め、とても丁寧とはいえないやり方で台に乗せる。
電気を流し、肉を引きちぎり、内臓を分別し、縞模様にたくさんの「食べ物」を吊るす。
その食べ物、果ての物を、手を下した彼らは食べていた。
万物の神や自然への畏怖は消え、効率という名の新たな神の名の下で、命までもが捨てられていく世界の悲しさ。
そして、日々の消費で、食事のたびの満腹で、その世界の加速に加担している自分に対する悲しみ。
見終わった後につけたテレビでは、あいもかわらず人気の料理番組がやっていた。それを観て、体が「食べたい」と反応してしまう。人は体の中に動物を飼っている。理性が四の五の言うが、現実は彼らに動かされる。そして、生きるという面から見ると、私の中の動物は実にうまくやってくれる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「いただきます」
「ごちそうさま」
その意味を深く知るドキュメンタリー。 -
牛の屠殺シーンで特にショックを受けた。今の先進国では生きた動物とスーパーに並ぶ「肉」の間をブラックボックスにするのは当たり前になっている。そのおかげで消費者も複雑な感情を抱かずに食欲を満たすことができている。
しかし、考えなくなったせいで見えなくなったこと、実はそれが生きる上で本当に大切なことだったんじゃないかと改めて考えさせられた。 -
命に感謝します。
今日もいただきます。
ありがとうございます。 -
あまりに機械的に無機質に工業製品的に生き物たちが食品に処理されていく様に感情が冷めた。そりゃそうです僕たちは殺して食っているんです。
でも動物たちがかわいそうと思うのは違うというか、足りないと思う。
だってそれでも食うんだろうから。
食す命への感謝はもちろん忘れてはいけない。
ただ、自分には、あんなにたくさんあんなに無慈悲に殺しておいて、
「食い過ぎで死ぬやつと食えなくて死ぬやつがいる」
ってことが理不尽すぎると思った。何のためにいのちは死んだのかと。
とかく主観が排され実情がただ流れていく映像だからこそ、色々考えさせられました。 -
子供の頃から思っていたことをようやく形にしてくれる人が現れました。
誰もが毎日のように食べている大量の食品は、
どのような過程をへて消費者の手に届くのか?
現代人の命を支えながらも、ほとんど知られていない食料生産の現場に密着。
ベルトコンベヤーに注ぎ込まれるヒヨコの群れ、
自動車工場のように無駄なく解体される牛など、
大規模な機械化により生産・管理された現場の実態が映し出される
こうも人間が増え続けているのに、何故俺たちはご飯が食えるのか?
肉が魚が野菜が食えるのか?
食料難?
そんなもの日本にいる限り感じることは無いだろう。
だが、どうだ、これが現実だ!
俺たちが食べているのは工業製品以外の何者でも無い!!
命を紡ぐ為の殺戮無くして人間は生きられない。
人間は産業革命を起こした人物に感謝しなくてはならない。
工場生産方法を確立した人物に感謝しなくてはならない。
内容を抜きにして、映画の観点から語れば、
衝撃的だったのが、2時間ほとんど編集しないことだ。
記録映像を淡々と流す
それだけで映画が成立し、壮絶な反響を及ぼす。
(食事のシーンはやらせだろうが)
それだけ俺たちは人間の世界を知らない。