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- / ISBN・EAN: 4988013678248
感想・レビュー・書評
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Naissance des pieuvres
2007年 フランス 85分
監督:セリーヌ・シアマ
出演:ポーリーヌ・アキュアール/アデル・エネル/ルイーズ・ブラシェール/ワレン・ジャッカン
15歳のマリー(ポーリーヌ・アキュアール)は、痩せっぽちで未発達なことがコンプレックスの女の子。親友アンヌ(ルイーズ・ブラシェール)のシンクロナイズドスイミングクラブの発表会を見に行ったマリーは、そこで美しい上級生のフロリアーヌ(アデル・エネル)に一目で心を奪われ…。
フロリアーヌ役のアデル・エネルがとにかく美しくて色っぽくて完璧なナイスバディ、一目惚れするマリーの気持ちもわかる!しかしフロリアーヌには複数のボーイフレンドがおり、女友達から誰とでも寝る女と敬遠されている。それでもフロリアーヌに近づきたくてマリーはプールに入れてもらう代わりになんでもフロリアーヌのいうことを聞くと約束。最初のうちはフロリアーヌがボーイフレンドと家を抜け出すアリバイに使われたりしていたが、次第にフロリアーヌはマリーに心を開き、実は大勢のボーイフレンドとは全員キスどまりで自分は処女だと打ち明ける。
一方で、マリーの親友アンヌは、フロリアーヌのボーイフレンドの一人フランソワ(ワレン・ジャッカン)に片思い中。アンヌはマリーと対照的に大柄でぽっちゃり体型。行動力はあるがやや精神的に幼く自己中。フランソワの家の庭に穴を掘って自分のブラジャーを埋める謎のおまじない(?)をしたり、万引きしたペンダント(なんと口の中に隠す)をフランソワにプレゼントしたり猛攻勢をかける。
85分の短い映画だけど、その中に思春期の女の子たちの「ゆらめき」がギュッと詰まっていて、女性監督ならではのリアリティ。ナイスバディでセクシーなフロリアーヌが自分が処女であることを恥じていて、早くなんとかしたいと思っているのとか、腐るもんじゃなしホントに好きな相手が現れるまで大事にとっとけ!っておばちゃんの私は思うけれど、そういや自分も10代の頃はそれは早く捨てなければならないものだと思っていたっけ、とか。
一方でアンヌのほうは、容姿に自信がないゆえに手段を選ばず、フロリアーヌにやらせてもらえなかったフランソワに言い寄られるがままあっさりさせてしまう。どう考えても相手はヤリモクなだけなんだけど、アンヌのような子はそれをしてしまうことでしか優勢に立てない。そういう心理が絶妙。このアンヌ、マクドナルドでハッピーセットのおまけがどうしても欲しくて店員に文句言ったりして、万引きの件も含めお世辞にも品が良いと言えず、親友マリーもさすがにウンザリし「あんたなんか巨乳じゃなくてただのデブ」とつい本音が漏れて喧嘩別れ。
どの子もそれぞれの悩みや劣等感を抱えていて、それを寄り添ったり寄り添わなかったり、傷つけたり癒したりしながらゆらゆらしている。それらがプールの水のゆらぎとリンクして、とてもきれいな作品だった。若かりし日のアデル・エネルがとにかく美しいので彼女を見るだけでも目の保養。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
原題:Naissance des pieuvres
(2007/85min/セリーヌ・シアマ/フランス)
少女性。
ソフィアコッポラのヴァージンスーサイズの方は、男の子の視点から見る少女の危うさであって、どこかファンタジーじみているけど、水の中のつぼみの方は、もっと直接的で現実的です。理想じゃない。でも、ゆらゆら壊れそうで、危うい。映像が、全体的に青っぽくて、水のシーンも数多く、全体的にぬるくてゆるい。
音楽も、科白もあまりなく、淡々と進んでいくんですが、そういう微妙なきりきりした感覚が表現されててすごくいいです。
しかし、爽やかな朝に観る映画じゃないなあ、という感想。 -
禁断の!という文字や表現がぴたりとくる作品と言えば、かならず思春期の女の子にスポットを当てた作品ばかりだと思います。安価で購入したものの、この作品を男の僕がどう表現したらいいことやらww
「水中のつぼみ」
https://www.youtube.com/watch?v=sj87mnzkg14
難しいなぁ~唯一気が抜けたのはネックレスを万引きするときに口の中に入れて店を出てくるって…www
あとはと言えば本当にドロドロ感満載で85分辛かったわ~女性物でも少女絡みの作品の評価は男には難しいですね -
女の子のししゅんきだ
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0177
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繊細で、詩的な印象を与える映画です。
3人の少女それぞれから、思春期特有の「儚さ」や「危うさ」が出ていて良かったです。
特にマリー役の子は、素人とは思えない雰囲気の出し方です。これは彼女の容姿だけでなく、セリーヌ・シアマ監督の手腕によるものでしょう。
(以前webの記事で監督インタビューを読み、マリー役の子は素人さんだったと書いてありました。)
水を使った映像も印象的で、たゆたう不安定な乙女心が表されてるようでした。
美しいけれども、ちょっと痛みのあるというか、程よい生々しさのあるエロティシズムを感じました。 -
やりきれない、抑えきれない思い。張り裂けそうで、苦しくて、誰にも言えない。
そんな気持ちを持った少女が少女に恋をする。
核心が持てるのに、否定したくなる気持ち。
上手く表されていました。
繊細すぎる。
(10,02,04鑑賞) -
もうちょっといやらしい話かと思ったら、案外うつくしい話で嬉しかったです。少女3人の描きわけがおみごとだと思いました。
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「少女に恋した少女の夏ーはじめの 痛み」
シンクロナイズド・スイミングの競技会場。
高校1年のマリー(ポーリーヌ・アキュアール)は、親友で同級生のアンヌ(ルイーズ・ブラシェール)の応援のため観客席に着く。アンヌたちのつたない演技にうんざりしたマリーが席を立とうとすると、上級生たちの華やかな演技が始まる。マリーは思わず目を奪われ、中でもひときわ笑顔が輝くキャプテンのフロリアーヌ(アデル・ヘネル)に釘付けとなる。
一方、着替えに手間取っていたアンヌはふとした拍子に、男子部員のフランソワ(ワレン・ジャッカン)に裸を見られ、恋に落ちる。
マリーはシンクロ・クラブへ入部しようとするが、受付が終了していたため断られる。アンヌはその夜のスイミング・クラブのパーティーへマリーを誘う。アンヌがフランソワに夢中で暇を持て余したマリーは、フロリアーヌを見つけ練習を見せてほしいと頼むが、断られる。その内フロアでは、フロリアーヌがフランソワと激しいキスを交わし、それを見たアンヌは会場を飛び出す。マリーはプールでフロリアーヌを待ち伏せ、何でもするから見学させてと頼みこむ。フロリアーヌは素気ない態度を取るが、マリーをプールサイドに招き入れる。初めて間近でシンクロを見たマリーは何かを感じ、息を切らしてシャワーに打たれる。
異性関係が派手なフロリアーヌはチームメイトから難癖をつけられるが、バカにしたようにやり返していた。それをマリーが黙って見ていると、フロリアーヌは彼女を自分の家に誘う。マリーが彼女の家に着くと、それがフランソワとの外出の口実であることに気づく。
それからマリーは、親しくしてくれるフロリアーヌの言いなりになり続けた。
ある日、フランソワとのデートに付き合わされたマリーが遂に怒って去ろうとすると、フロリアーヌが後を追ってきた。
彼女はマリーに予想もしなかった告白をする。夜まで語り合った2人は、自然と手を重ね合う。
フロリアーヌの秘密を知って苦しむマリーに、フロリアーヌは驚くべき依頼をするのだった……。