危険がいっぱい ニューマスター版 [DVD]

監督 : ルネ・クレマン 
出演 : アラン・ドロン  ジェーン・フォンダ  ローラ・オルブライト 
  • video maker(VC/DAS)(D)
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4523215037358

感想・レビュー・書評

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  • 1964年、フランス映画。監督・脚本はルネ・クレマンで、音楽はラロ・シフリン。
    映画の邦題はあの名作の流れで『危険がいっぱい』となっていますが、これはこれで映画の内容にマッチしているような気もしますが(笑)、原作は『喜びの家』ということで、映画の原題も『猫』となっていて、どちらも文学的香りがする本質をついたネーミングになっています。
    主演はアラン・ドロン。ルネ・クレマン監督とはあの名作以来3回目のタッグで、アラン・ドロンの魅力をこれでもかと引き出している作品になっています。
    共演は、ぴちぴちした魅力がさく裂しているジェーン・フォンダ。それに大人の色気がたちのぼっているローラ・オルブライト。

    ニューヨーク。ギャングの妻に手を出した業師マルク(アラン・ドロン)は、ギャング一味に命を狙われる。ニースでギャング一味に捕まるマルク。間一髪逃げるマルク。一文無しのマルクは救済院に身を隠すことにした。そこに現れたのは救済院に施しを与えにきていた大富豪の妻バーバラ(ローラ・オルブライト)とその付添いのメリンダ(ジェーン・フォンダ)。マルクはバーバラにまんまと運転手として雇われることになるが・・・。

    ラロ・シフリンのジャズ・テイストがよく効いたクライム・サスペンスです。カラーが眩しい『太陽がいっぱい』の後の作品ですが、今回は白黒映画となっていて息もつかせないサスペンスフルな展開とジャズな音楽によく似合っていますね。
    アラン・ドロンはもはや気心が知れたルネ・クレマン監督というだけあってのびのびと演技しているようであり、ルネ・クレマン監督もアラン・ドロンを存分に活用している感じです。
    この時、アラン・ドロンは27~28歳くらいなのかな。(映画では28歳と言っています)『太陽がいっぱい』に比べて、額の皺が目立つよになっていて顔も若干ぷにぷに感があるように見えますが、まあ彼の魅力と言っていいのかな、稀代のハンサムボーイぶりは健在ですね。(笑)

    共演の女優さん二人はアラン・ドロンの相手役として申し分ありません。
    美熟女のローラ・オルブライトの、最初は能仮面ぶりから次第に誘惑的になり最後は絶叫で終わるという演技ぶりはさすがです。
    そしてビキニ姿をはじめ、ぴちぴちとした肌をさらすジェーン・フォンダは若さが弾けていてなかなか良いです。この時、ジェーン・フォンダは26~27歳くらいだと思いますが、役柄とはいえアラン・ドロンに子ども扱いされるくらい若さがあふれ出ていましたね。
    映画の内容としては実はこのジェーン・フォンダの役が最も重要な役だったと思いますが、次第に怖さが際立ってくるその腹に一物感や豹変ぶりには圧倒されましたね。

    脚本上、様々な仕掛けが込み入っていて、なかなかどういうことか理解しづらい部分もありましたが、逃走する男が探偵役となって館の秘密を探るという極上のサスペンスな展開には目が離せませんでした。
    主演はアラン・ドロンなんですが、実は2人の女の怖さが主体の映画で、これがアラン・ドロン目線だったというところが良かったですね。
    やはり、原題の『猫』の方が映画の余韻が見事に反映されていて気が利いているね。

  • 1964年のフランス映画。
    『太陽がいっぱい』のルネ・クレマン監督&アラン・ドロン主演のモノクロのサスペンス映画だす。

    けっこう入りくんだ話でしたが面白かった‼︎

  • 彼を殺人者に仕立て上げ、隠し部屋で生活させ、その状況(彼が自分のもとから逃げなくなったこと)を喜んだのは彼女だけという恐い話でした。若いアラン・ドロンはとても美男で驚きました。

  • BSで放映されてたので、メシ食いながら片手間に鑑賞したのですが
    ちゃんと面白かったです!

    昔のフランス映画はあまり観たことないけど、『死刑台のエレベーター』が
    サスペンス/ミステリとしては気に入らなかったので
    それよりは全然良いと思う。
    これの6年前の作品で、観点の差によると思うんですけどね。

    ルネ・クレマン監督作は初めて観ました。
    クレマン&アラン・ドロンと言えば『太陽がいっぱい』ですけど
    先にこっち観ちゃった。邦題はいかにも・・・な感じですね。

    フランスは映画の発祥の地というのもあるかもですが、
    イメージとして「芸術的」とかね、そーゆーのがあると思うんです。
    でも、レオス・カラックスの『ポンヌフの恋人』の映像特典で言われてましたが
    「他国の映画だと言われないのに、フランス映画だとすぐ「商業主義」「売れ線」みたいに批判される」らしいですよ。
    (うろ覚えなので内容間違ってるかも)
    それはそれで、おかしいよね。

    ルネ・クレマン監督もヌーベルバーグと比較して「商業映画」と言われてたそうで・・・どこの国でも一緒ね。でも、面白ければそれでいいじゃないの。
    アラン・ドロン&チャールズ・ブロンソンの映画とか絶対面白そうだもん。

    それで、また淀川さんの解説なんだけども
    『ヒドゥン』のを読んでたらとっても良い事を言っていて。
    http://homepage1.nifty.com/hoso-kawa/yodo/yodo8.html

    '88年のアボリアッツ映画祭の選定委員長が
    ルネ・クレマンさんだったらしいんですけどね、
    その時のグランプリが『ヒドゥン』だったという話で。

    「私一番思うのに、映画は芸術です、映画は娯楽です。
    けど、ほんとの一般のたくさんのたくさんの人がご覧になる作品には、
    やっぱり娯楽が80パーセントあった方がいいですね、
    みんながお分かりになるように。
    そういう意味で、このグランプリの賞の狙いは実に見事でした。」

    これ読んで泣きました。

  • アラン・ドロンの映画はこれで二作目。ジェーン・フォンダにいたっては、これが初めて(といいながら、数年前のジェニファー・ロペスとの駄作を観たか……)。
    またしても、前情報がまったくない状態で観たので、楽しめました。展開が早い割に、細かいやりとりも入れられていて、尚かつ冗長になり過ぎない尺。映画はやっぱり、90分前後が一番好きです。
    初アラン・ドロンだった「太陽がいっぱい」に比べると、二人の女優さんにもスポットが当てられていたせいか、「アラン・ドロンの映画!」感は薄まったものの、やっぱりきれいなひとですね。悪そうで、でもなんだか可愛くて、腹黒そうなのに爽やか。不思議な役者さんです。テニスのラケットをぶらぶらさせるだけで、あれだけ観客を惹きつけられるのは、彼がスターだからなのでしょうか。
    最近、「セクシー」といえば「エロ」と紙一重というか、下品なセクシーが大手をふるって闊歩する中で、ジェーン・フォンダはとても品格のあるセクシーだったと思います。下着姿でダンスをするシーンの、あのセクシーのさじ加減!どうして、あれが昨今失われてしまったのでしょう?
    どこにもヌードシーンや濡れ場がないにも関わらず、匂いたつような色気がメインの三人から醸し出されていて、それがまたいやらしくないので素敵でした。
    オチは……、あれは想像していませんでした。思わず口笛を鳴らしたくなったほどに(鳴らせませんが)、あのひとの周到さというかしつこさというか、唸らせてくれるエンディングで大満足です。

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